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2050/2104

2050話 双真の戦術

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【双真(ふたま)ナル】と会っていたな。

 訳知り顔で俺の事情や周辺情報を既に知っていることを仄めかして来ていたが、まぁそれだけならこれまでにも同じようなことをして来ていたやつはいるから不思議でもない。

 だが、それを差し引いてもそいつらとは視点が違う物言いだったな。

 あと、戦闘にもそこそこ自信があるような口振りだったのでそこの実力も試してみたいところだ!






 

 というわけでやって来ました海エリア!

 ここでまたまた【双真(ふたま)ナル】と会っていた。

 


 「やあ、昨日ぶりだね。

 ここまで連日会いに来てくれているということは少なくとも私に興味があると見ていいのかな?

 ……と、昨日までは感じられなかった戦闘の意思が感じられるね。

 もしかして私と手合わせしに来てくれたのかな?」



 俺が闘志を燃やしながらやって来たことを察した【双真(ふたま)ナル】は腰に提げていた双剣に手を掛けながらそう問いかけてきた。

 俺がいつ攻撃に入るのかを警戒している動きだな。

 ここでその姿勢を取るというのは少し違うな?

 俺は正面から戦いを挑む時にはお互いの合意を得てから戦闘を開始するから不意打ちじみたことはしないぞ。

 狂人、プレイヤーキラーという視点から穿った見方をされてしまっているのがこれだけで伝わってきた。

 まぁ、野良のモブプレイヤーを狩る時には【双真(ふたま)ナル】が警戒しているように問答無用でその命を狩り取りに行くからあながち間違いではないんだけど。



 「ではさっそく私から……

 スキル発動!【海底撈月】!」



 【双真(ふたま)ナル】は銀光をチャージしながら俺に向かって双剣を振り回してきた。

 その連撃の勢いは確かにレイドボス討伐メンバーに選抜されるものは感じ取れた。

 俺はそれを包丁の腹で受け流しながら【双真(ふたま)ナル】の戦い方を探ろうとしていた。

 だが、この太刀筋……やはり違和感があるな。

 【双真(ふたま)ナル】に会ってから様々な違和感を覚えているが、これだけはどんな違和感なのかすぐ分かった。


 その双剣……本来の使い方じゃないな?

 それを無理やり双剣としても起用している……そんな感じだ!



 「これは驚いたよ!

 この数回の剣戟だけで見破られるものじゃないんだけどね、こりゃ参ったよ……

 でも、まずは私のビームを受けてもらおうか」



 振り抜かれた双剣の斬撃をやり過ごした直後に放たれてきた銀光のビームは俺の土手腹を撃ち抜く軌道で放たれており、何もしなければそのまま死に戻りに直結することは間違いない。

 ランダム性の大きいスキル【海底撈月】をよくも上手く使ってくるものだ。

 斬撃のタイミングとの併せ方がめちゃくちゃ上手いぞ!?



 だが、この攻撃を素直に受けてしまっては包丁次元のMVPプレイヤーとしての名折れだし、防いでやろう。


 スキル発動!【深淵顕現権限Щ(シシャー)

 スキル発動!【塞百足壁】!



 俺は深淵の黒い壁を作り出し、ビームと俺の間に潜り込ませて凌いでいった。

 間一髪ではあったが、これくらいの芸当は見せてやらないとな!

 


 「では次だよ。

 スキル発動!【輝毒呃洛】!」



 【双真(ふたま)ナル】が次に使ってきたのは結晶を地面から生やすスキル【輝毒呃洛】だ。

 それを双剣で砕きこちらへと飛ばしてきた。


 ……うおっ、危なっ!?

 ぶつかっても大したダメージにはならないんだが、当たった身体の部分が結晶化してしまうという毒を帯びているからな……

 あんなに乱雑に飛ばしてくるなんて、思ったよりも豪快な戦術も使うんだな!



 それなら……

 スキル発動!【想起現像】!



 俺は飛び散る破片の止めるために砂のカーテンを生み出して結晶を地面へ流していった。

 これで凌げるだろ!



 「いや、これが狙いだね。

 スキル発動!【海地穴誤】!」



 俺が離れようとしたところを見計らって【双真(ふたま)ナル】は新たに包丁次元で解放されたばかりのスキル……【海地穴誤】を使ってきた。

 すると俺の足元に穴が生み出されて、そこに俺がハマってしまった。

 そして、俺が生み出した砂が流れ込んでいき混ざっていた【輝毒呃洛】の結晶による結晶化毒で半身が結晶化してしまった。


 ……このまま戦闘継続も出来るが、ここまでやられたなら今回は俺の負けでいい。

 大人しく降参しておこう。






 相手のスキルを利用するとは……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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