2044話 上位権限の炸裂
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【カニタマ】を上手く誘導してユニーククエストを発生させ、さらには瞬時にクリアすることが出来たな。
そのお陰で【槌鍛冶士】からのユニーククエストも同時に達成出来たし、まさに一石二鳥な経緯でクリアできて良かった。
あれが別のユニーククエストだったらさらにおつかいをしてようやく和解……って流れになった可能性も充分にあり得たからな!
というわけでやって来ました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレスト!
ここにある【オミクロン】のいる小部屋の前に俺と【槌鍛冶士】はいた。
ちなみに【カニタマ】はここに来るのは拒んでいたが、関わりの深い【熱狂剣山の地霊鉱爵】が統括するエリアということもあってか遠隔でも力を貸すことが可能とのことだったのでそれでお願いしておいた。
直前で変ないざこざがあっても困るしな!
「ガハハ!!!
まさかここまで早くワシのユニーククエストをクリアするとはな!!!
いつかはやってくれるだろうと思っていたが、まさか翌日にすぐクリアしてくるとはいくらワシの相棒とはいえ驚きでしかないな!!!
長年の因縁から断られると思っていたからな!!!」
まぁ、向こう側も渋々……って感じだったから完全な和解じゃなくて一時的な共闘のようなものだ。
これが終わったらまた元に戻ってしまう可能性も高い。
だからこそ、この機を逃さずに力を合わせて取り組むことで絆でもなんでも育んでもらいたいものだな。
俺だって相棒が仲直りしたいと言っている相手がいるならその協力くらいしたいからな。
それもあってここで同じことに対して取り組める場を整えたわけだ。
「ガハハ!!!
それは助かるな!!!
ワシのことを考えて行動してくれていたとは感激だ!!!」
【槌鍛冶士】は感極まって泣きながら感謝してきたが、別に俺はそこまでのことをしてないぞ?
さっきも言ったがあとはお前の行動次第だ。
「ガハハ!!!
任せろ!!!
【上位権限】ー【reservation】!!!
土地の縛りからの解放を森人たるワシが命じよう!!!」
『ちょっ、いきなり始めないで欲しいカニ!?
【上位権限】ー【entertain 】!
朋友かつ一心同体たる者の眷属よ、当方が楽しませ正気を取り戻させるカニ!』
若干息はズレていたが、森人種族と深海種族の【上位権限】が【オミクロン】に向けて放たれていった。
【槌鍛冶士】のものは土地に縛られた【オミクロン】を自由に行動させるようにするための解放のための【上位権限】。
【カニタマ】のものは複合種族になった影響で力のバランスが崩れてしまい正気を失った者を楽しませることで正気を取り戻させるための【上位権限】。
それぞれが炸裂した結果……
「おれは正気を取り戻した!
お前らがおれを助けてくれたのか、きーっ感動したぁっ!」
急に正気を取り戻して何やら察した様子の【オミクロン】。
喋るようになったら急に饒舌になったな!?
【【ユニーククエスト リソースを使用して聖獣の顕現を目指しなさい】をクリアしました】
そういうこともありますよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】