2033話 骸骨兵VS骸骨兵
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【マキ】と【ロイス=キャメル】がそれぞれ指揮をする集団同士で戦いをしている様子を見学していたな。
【マキ】も筋自体は悪くなかったのだが、最終的には惨敗という結果となってしまった。
やはり集団戦闘の指揮の熟練度は【ロイス=キャメル】と比べて天と地ほどの差があるというのが分かった。
その上で何故か変なタイミングで思念を飛ばしてきた【キズマイナ】がちょうどいい練習相手だということに思い当たった。
……というわけでやってきました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレストの麓!
ここに【ロイス=キャメル】と【マキ】、そしてゲストとして【キズマイナ】に来てもらってる。
まぁ、【キズマイナ】の隠れ家がすぐそこにあるので【キズマイナ】に来てもらったというよりは俺たちが【キズマイナ】のところに来たというのが正解なんだけどな!
「ふひひっ、急に巻き込まれてビックリしてますけど事情は分かってますよぉぉ!
あてぃしの骸骨兵たちが求められているんですよねぇぇ?
それならいきますよぉぉ!
スキル発動!【想起現像】!
ability発動!【粉骨再身】ですよぉぉ!」
【キズマイナ】がそう宣言すると赤色の砂が骸骨兵への変化していき、その数50体になった!
「これは……圧巻としか言いようがない!
【ランゼルート】は個の力で優秀だが、同じ勇者でも集団の力を活用する者がいるとは……
私の軍でもこのように兵力を増強出来たのならどれだけありがたいことか」
【ロイス=キャメル】は【キズマイナ】が難なく骸骨兵を大勢呼び出したことに対して現実世界での自分の立場を思い返して羨んでいた。
そりゃ死んでもさほど痛くないし、手数をお手軽に増やせるなら軍隊に欲しくなるよなぁ。
「うわぁっ、気持ち悪いよ~!?」
【マキ】は骸骨兵たちを露骨に嫌がっていた、まぁロリに骸骨兵を好きになれって言う方が無理があるんだけどな。
ただ、その様子を見て【キズマイナ】は軽くショックを受けていたのでその辺に抑えておいて欲しいものだ。
「あてぃしの骸骨兵たちを半分貸し出すのであてぃしが指揮する骸骨兵たちと戦わせてみてくださいぃぃ!」
「あっ、貸してくれるんだ~!
よ~し、やるよ~!」
そうして【マキ】の骸骨兵軍団VS【キズマイナ】の骸骨兵軍団の戦いが開始された。
「翼みたいに広がって~!
かくよくのじんだよ~」
【マキ】はさっそく先日【ロイス=キャメル】が使用していた鶴翼の陣を試しているようだ。
あの後、【ロイス=キャメル】から説明を受けていたから多少の概要は知っている状態になっているから、使いたくてウズウズしていたのだろう。
そういうところはまだまだちゃんと子供だよな。
「ふひひっ、現界の戦術ですねぇぇ!
それならあてぃしはこの世界で身につけたものを見せますよぉぉ!」
【キズマイナ】がそう叫ぶと、骸骨兵たちが【マキ】軍団の翼部分に相当するところにいる骸骨兵へ集中攻撃し始めたのだ!
数を散らしている【マキ】軍団の翼部分だけでは【キズマイナ】の数に対応できずどんどん骸骨兵たちが崩れていってしまっている。
「現実ならばあの攻め方をすると犠牲になる人が出るから使わない手だが、犠牲にしていい人手を割り切るならありか。
このボトムダウンオンライン内で培った戦術というのも納得だ」
「ふひひっ、お褒めに預かり光栄ですよぉぉ!」
【ロイス=キャメル】としても【キズマイナ】の骸骨兵を使っての戦術は有効らしい。
その結果か、最終的には【マキ】軍団の骸骨兵たちは全滅してしまった。
ただ、【キズマイナ】軍団側も無傷というわけではなく数は半数まで減らされていたので【ロイス=キャメル】と戦っていた時よりはマシな戦い方が出来るようになったと言えるだろうよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】