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2030/2210

2030話 繋いだバトン

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【マキ】の教育について【ロイス=キャメル】と話していたな。

 色々と揉めたところもあったが一応は方針が定まったので【ロイス=キャメル】に任せておこうと思う。







 というわけでやってきました渓谷エリア……地蒜生渓谷メドニキャニオン!

 ここで【短剣探険者】に会いに来たわけだ!

 アポを取っているわけじゃないから会えるかどうかは分からないが……



 「あっ、【包丁戦士】さん!

 会えて嬉しいヨ!」



 別に約束もしていなかったのだがすんなり会えてしまった。

 こいつがいつもいる場所の幾つかは目処をつけていたからあり得ない話ではないのだが、タイミングがよかったな。



 この前のガーデンバトルの時、俺と別れてからどんな感じで戦いが繰り広げられていたのか聞きたくて来たんだ。

 教えてもらえるか?



 「フンコロガシやゲジゲジみたいなモンスターと戦っていたヨ!

 それぞれがMVPプレイヤーくらい強くて私たちは数の優位さを活かして何とかギリギリ戦えてたカナ?」



 いやいや、MVPプレイヤー級二人相手にモブプレイヤーたちを引き連れて互角に戦えるのは凄いからな?

 一体だけが相手ならそれでも戦えるとは思うが、二体いるなら【短剣探険者】が相手をしていない方にモブプレイヤーたちが蹂躙されてしまうだろうからな……



 「実は途中でステッキ次元のプレイヤーたちが助けに来てくれてたんダヨ!

 だから【包丁戦士】さんが思っているほどは大変じゃなかったんダヨネ~」



 なるほどな。

 ステッキ次元のプレイヤーたちは蛇腹剣次元の戦場だけじゃなくて、包丁次元の戦場にも援軍に来ていたわけか。

 【ロイス=キャメル】はそんなこと一言も言ってなかったのだが、俺が承知していることを前提としてあえて喋ってなかったのかもしれないな。

 まさか俺が遭遇すらしてなかったとは思わなかっただろうし。



 「私がメインで戦っていたのはフンコロガシの方だけど、巨大な土の玉をずっと飛ばし続けてきたり、その玉でガードしてきたりして手強かったヨ!

 【聖獣毛皮】を使えてなかったら間違いなく負けてたし、前に【包丁戦士】さんと手に入れた【失伝秘具】の【花弁竜の涙】で強化出来たのが最後のひと押しになってたネ!」



 フンコロガシが強敵という絵面が想像しにくいが、それでもここまで【短剣探険者】が熱弁するということはやはり強敵だったのだろう。

 だが、最後のひと押しになっということはフンコロガシの方は【短剣探険者】が倒せたんだよな?

 それならゲジゲジの方はどうしたんだ?


 

 「それが、私がフンコロガシを倒した瞬間に私も死に戻りさせられたからどうなったのか分からないんダヨ!

 誰かが倒したのか、そのまま蹂躙していたのか、別のところに行ったのかネ……」



 【短剣探険者】も最後まで結末は見届けられなかったのか……

 そうなると、別の誰かが相討ちまで持っていったと考えるのが妥当か。

 あの場には全てのプレイヤーが倒されたであろう痕跡が残っていたし、他の場所にプレイヤーがいるという気配も感じ取れなかったしな!



 「それならやっぱり私以外の誰かが倒してくれたんダネ~!

 包丁次元のプレイヤーで倒せそうな人はいなさそうだったからやっぱりステッキ次元のプレイヤーカナ?」



 俺もモブプレイヤーの特徴はさほど覚えていないから、誰が強そうだったとかそういうのすらもはや記憶が希薄だな。

 辛うじて覚えているのは伝令役をしてくれたモブプレイヤーだ、あいつとは役割の関係で何度か会話してたし。



 「それにしても、【包丁戦士】さんがあの巣穴の一番強いモンスターを倒してくれて良かったヨ!

 それで私の頑張りが報われた感じがするヨ!」



 あぁ、そう言われるとそうなのかもしれないと思えてくる。

 今回はそれぞれが繋いだバトンがきちんと受け渡されていって何とかもぎ取れた勝利だからな!

 俺一人では間違いなく無理だっただろうしよくやってくれたな!



 「次もあったらその時はもっと頑張るヨ!」





 健気ですね。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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