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2029/2210

2029話 育成計画巻き巻き

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【マキ】がどんな風に【潮騒ローラ】と戦っていたのかについて聞いたり、俺が【アンソニー】に助けられていた話をしていたな。

 そして【マキ】単独なら【潮騒ローラ】に勝てたかもしれないことも示唆しておいたが、その一方で俺の影響で集団戦闘の技術があまり磨かれていないまま【マキ】本人が単身で戦うための技術ばかり磨かれてしまっていることも話していた。

 そりゃ教育係の俺が苦手なことなんだから伸びは悪くなるよなぁ……









 というわけでやってきましたステッキ次元の専用エリア……開襟町ステッキ!

 ここで【ロイス=キャメル】と会っていた。



 「お嬢さんとは先日会ったばかりだが、また呼び出しがかかるとは思ってもみなかったよ。

 あのガーデンバトルで何か気になることがなったとでも言うのかね?」



 【ロイス=キャメル】は呼び出された意図が分からず困惑しているようだ。

 そりゃ、この前に懸念事項とか特記事項みたいなものについては話したばかりだったからな。

 聞き残しがあると思うのも無理はないだろう。

 だがそうではない。

 実は【マキ】の教育についてお前に一部頼みたくてな。



 「【マキ】君の……?

 それは妙な話だ。

 お嬢さんの教育により【ランゼルート】や【師匠】と時間制限ありとはいえ対等に戦える力を身につけたのだからこのままお嬢さんが指導すればより力が身につくのではないかな?」



 ……個人戦ならな。

 だが、【マキ】は集団戦闘での知識や技量の研鑽が出来ていないのだ。

 それを教え込めるのは【ロイス=キャメル】、【綺羅星天奈(きらぼしあまな)】、【牛乳パフェ】の三人くらいだと俺は見込んでいる。

 ただ知識があるだけじゃなくて、自身も相応に強いプレイヤーによる教育じゃないと【マキ】にとってはチグハグな成長をしてしまうことになるはずだ。



 「これは意外。

 お嬢さんが【マキ】君へそこまで入れ込んでいたとは……

 戦闘技術上達のスピードが異様に早いと思っていたが、それほど教え込んでいたのならば納得というもの。

 それに加えて集団戦闘についてもさらに教えようというのかね?

 随分と強欲なものだ」



 強欲で結構!

 【マキ】は今ですら最高戦力に数えられているが、ここから戦いが激化していくことを考えると足りない。

 俺たちの関係の中でも強さの象徴になり得るんだから、集団戦闘のノウハウがないといつまでも一人で戦わせておくのが最適解になってしまうぞ!

 それにあいつのジョブも【パラディン】で、皆と一緒に戦うことを前提に考えているっぽいしなおさらだ。

 


 「本人の意向も汲み取っての判断か。

 狂人と呼ばれるお嬢さんがそのような考えなのを包丁次元のプレイヤーたちが知ったら驚くこと間違いなしだろう」



 俺も随分と丸くなったと自分でも思うが、後続の育成はこれまでもほどほどにはやってきていたからな……

 【ロイス=キャメル】が想像しているよりは驚かれないと思うぞ?



 「だが、私には既に二人の教え子がいる。

 そちらの手を抜くつもりもないが……

 【マキ】君ほどの逸材を育てられる機会も中々ない、ぜひ引き受けたいところだ」



 おおっ、乗り気になってくれたか!

 お前ならそう言ってくれると信じていたぞ!



 「だが、もう一つ懸念点がある。

 【マキ】君に集団戦術論を教え込むにはいささか本人が幼すぎるのではないか?

 ホルムズやエラは幼いといってもそれを飲み込めるだけの器が育っていたから教えたことを自身で噛み砕けているが、【マキ】君の歳でそれを求めるのは酷ではないだろうかと私は思うのだが……」



 それはまぁ、そうなんだが……

 とはいえそれを何とかするのが腕の見せどころなんじゃないのか?

 それとも自信がないのか?


 

 「……そこまで言われてしまうと私の沽券に関わるな。

 お嬢さんの口車に乗って何とかしてみようじゃないか」



 そうして【ロイス=キャメル】は俺と頭を悩ましながら【マキ】の育成計画を練っていくのであった……





 また妙なことを始めましたね。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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