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2007/2093

2007話 ロイス=キャメルの仕切り

 「とりあえずこの場で止まっての考察はこれくらいにしておこう。

 幸いにも私たちが選んだプレイヤー以外にもこのタイミングで来てくれたようだ」



 来るということは事前に聞いていたが、メンバー選出後すぐに来なかったので俺は実は密かに不安に思っていたのだが来てくれて良かった。

 まぁ、見た感じ包丁次元のプレイヤーはほとんどモブプレイヤーばっかりだけどな……

 【マキ】や【ロイス=キャメル】の表情を見てみても似たようなものだったので、選出したメンバーによってある程度モブプレイヤーに割かれるリソースが決められていたのだろう。

 モブプレイヤーたちは各次元50人くらいだな。

 3つの次元の合計約150人と考えたらわりと大規模な戦いだぞ……!?


 

 そして今回、俺が選んだ【プロペラ遊人】以外のランダム選出枠に俺の知っている2つ名持ちプレイヤーが辛うじてもう1人いた。

 


 「【包丁戦士】さん!

 私が今回参戦するヨ~!

 次元戦争に参加するのは久しぶりだけど頑張るネ!」



 ちょっと尻上がりのイントネーションで喋るこの少女は【短剣探険者】。

 クラン【冒険者の宴】に所属する双子の姉だな!

 竜人に種族転生しており、スペックや戦闘センスにも期待できるので来てくれて助かるぞ!



 『期待……』



 【プロペラ遊人】もその働きに期待しているようだ。

 【短剣探険者】は包丁次元でもかなり名前が売れてる2つ名持ちプレイヤーということもあり、【プロペラ遊人】もきっちり認知しているみたいだ。

 【冒険者の宴】は包丁次元でも1、2を争う大規模クランだしそこの副官クラスのプレイヤーならそりゃそうなるに決まってる。



 「では僭越ながらステッキ次元のMVPプレイヤーであるこの私が指揮を執らさせていただこう。

 それぞれの次元での顔合わせが出来たところでそろそろ行動を開始しようと思うが、異論があるものはいるだろうか?

 ……いないようなので話を進めさせていただく」



 俺たちがメンバーの確認を自分の次元だけ終えた段階で【ロイス=キャメル】が皆に声をかけていった。

 仕切りが早いな!?



 「まず、直近としてはそれぞれの次元単位が固まって動いてもらう。

 想定していた以上の人数だったため、時間制限があることを考えると隊の編成を組み直す時間が惜しいからだ。

 多少の顔馴染みがいる自分の次元のプレイヤーだけで動いた方が今回は最適と判断した」



 なるほどな。

 確かにそこまで長くもない制限時間が設定されているので、削れる部分は削って動きたいのだろう。

 


 「敵の拠点がこの場から視認出来ないので、3方向に分けて動くことになるが……

 包丁次元は南、蛇腹剣次元は北西、ステッキ次元は北東へ向けて進行してもらう。

 また、定時報告のために10分ごとに各次元一名を今いる場所へ派遣して情報の共有と更新を行ってもらう。

 これで全体的に索敵をして、敵の拠点を見つけたところで再度作戦会議を行うものとする。

 では、以上……散開!」



 【ロイス=キャメル】の流れるような説明を受けて、俺と【マキ】、そして【ロイス=キャメル】が決められた方向に動き出した。

 ……実は【ロイス=キャメル】、【マキ】と話を事前にしていた時に幾つかの行動パターンを決めていたのでMVPプレイヤーたちは混乱なく動けているわけだな!

  

 そして迷わず動き始めたMVPプレイヤーたちの後を他のプレイヤーたちも追随する形で駆けつけていった。

 訳がわからなくとも代表者が動き始めたならとりあえずついていけば安心……という心理が働いているってわけだ!

 付和雷同ではないが、長いものに巻かれる姿勢は時に利用できる……と【ロイス=キャメル】がいっていたが本当だな。


 こうやって作戦の内容や指示の出し方、その後の動き方まで見ても【ロイス=キャメル】の舵取りは一級品だ……

 こいつが味方にいてくれて本当に良かったぞ……っ!



 だが、ここからはしばらく別行動だ。

 包丁次元のやつらは俺が責任を持って連れていかないといけないわけだが……大変だな……

 50人近くいるが、面識のあるやつはあんまりいないので俺の悪評だけを知ってるパターンが多そうだもんな……




 それは普段の行いが原因ですよ。

 身から出た錆というわけですね。

 全く、これだから劣化天子は……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


 

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