2001話 【菜刀天子】による新ルール説明
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はゲームをプレイせずに、リアルでの【山伏権現】からの呼びかけで【株式会社幽刻修験堂】に行っていたな。
そこで【山伏権現】からそれぞれの統合関係にある枠組みごとに勝利することへの激励と、宥和を絶対にしないようにという忠告があった。
てっきり【山伏権現】が自分で用意した敵なのかと思ったが、実は競合関係にある相手との決着の場として戦いの場が用意されるということらしい。
ボトムダウンオンラインがただのゲームではないのは流石に分かっていたつもりだったが、【山伏権現】以外にもゲームを使って世界に働きかけようとしていたやつがいるとは……
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある天子王宮!
ここに来たのは【山伏権現】に会った時に、そろそろ次の戦いが催されるということで各次元の次元天子に話を聞きに行ってほしいのことだったからだ。
【山伏権現】が直接説明してくれてもよかったのに……と本人にポロっと漏らしたら「その方が『面白い』からね」といつものセリフで軽く流されてしまってそれ以上の話を聞き出せなかったのだ。
けちなやつだ!
「経緯は分かりました。
それではこの私が自ら説明しましょう。
今回包丁次元は侵攻側の次元として選ばれました。
敵地へと攻め込み、制限時間内に敵のリーダーとして選出されたプレイヤー一人を倒せば勝利となります。
逆に制限時間内に敵リーダーを倒しきれなかったり、侵攻側のプレイヤーが全滅すれば敗北となります」
んお?
それって侵攻側の方が有利じゃないか?
だってプレイヤー一人を倒せばその時点で勝ちになるんだからな!
それに加えて侵攻側は全滅さえしなければいい。
「そう甘くはないですよ。
防衛側が事前に拠点建設の時間が設けられていますからね……
戦闘開始後に地形を把握する必要もないですし、自分たちに有利な地形を構築出来ます。
罠も用意できるので防衛側の方が戦闘面では有利なルールでしょう。
時間制限までリーダーが逃げ切れたら防衛側は勝てますので、その点でも戦略を練りやすいことでしょう」
なるほど、そういう考え方もあるか。
言われてみると言うほど侵攻側が有利じゃなくてむしろ不利に思えてきたな……
流されやすい女とも言える……
「今回侵攻側は包丁次元、蛇腹剣次元、ステッキ次元となります。
侵攻に選出可能なプレイヤーはそれぞれの次元でMVPプレイヤーを除いて一名となります。
あとはランダムで数名選出されますね。
ただし、今回はability【現界超技術】持ちプレイヤーは侵攻に参加できません。
MVPプレイヤーがability【現界超技術】持ちの場合は代理で別のプレイヤーがMVPプレイヤーとして参戦する形となりますが……運がいいことに包丁次元、蛇腹剣次元、ステッキ次元のMVPプレイヤーは該当しないのでそのまま参戦出来ますね」
それは良かった……!
まぁ、MVPプレイヤーかつability【現界超技術】持ちのプレイヤーって【師匠】しかいないはずだから釣竿次元以外は支障は少ないだろう。
ただ、【バットシーフ】後輩、【釣竿剣士】、【黒杖魔導師】、【月杖錬金術師】たちが参戦できないのは確定したので他のプレイヤーで選出を考えてみる必要があるわけだ。
悩むな……
戦いの前の準備は万全にすることです。
精々悩むといいことでしょう。
劣化天子の頭脳でどこまで出来るのかは見物ですね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】