1996話 ダンジョンアタックの移動方法
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【マキ】や【ロイス=キャメル】と草原エリアで俺たち三人が主催しているイベントの進捗を確認していたな。
さっそく素材の提供や、その素材を使って像のパーツを作成している生産プレイヤーたちが集まってきていたのを見て安堵したのと同時に、レイドボス素材があんまり集まってきていないので俺たち三人で冒険者ギルドのダンジョン踏破周回をして集めることになった。
というわけでやって来ました渓谷エリア……地蒜生渓谷メドニキャニオン!
ここにある冒険者ギルドへと突入してダンジョンを選んでいた。
「MVPプレイヤー三人でダンジョンアタックなど珍しいことなのじゃ!
選べるランクは……特別に今わっちが現段階のプレイヤーたちに用意出来る最上のものまで特別に解放するのじゃ!」
【オメガンド】が受付をして、俺たちにダンジョンやクエストのカタログを見せてくれた。
「お目当てのレイドボス素材が手に入るダンジョンはこれか。
……お嬢さんからあらかじめどんなものかは聞いていたが、報酬に見合うくらいには面倒なものだ」
「うち、このダンジョンは苦手っぽいよ~!
最後までたどり着いたら何とかなりそうだけど、大変だよ~!」
二人はそれを目の当たりにして若干嫌そうな顔をしていた。
ちなみに俺も改めて嫌な顔をしている。
そもそも、【検証班長】からもらった情報を加味してもこの三人で挑まないと情報があったとしても初見クリアは難しいだろうってぐらいだ。
本来はもっと大人数で挑んで、時間をかけて一度クリア出来たら御の字だろう。
それを短時間で、さらに周回しようというのだから自分達で勝手に難易度を上げているわけだな!
ここで尻込みしても仕方ないし、そろそろイクゾ!
というわけでダンジョンに突入したわけだが、ここは地面に溶岩が流れる地形となっており岩場を飛び回りながら進んでいくことになる。
俺や【ロイス=キャメル】はそれぞれ飛行手段や跳躍手段を持つので溶岩そのものに困る度合いは低いが、【マキ】は話が違う。
あいつは飛ぶことも跳躍する手段もないからな……
そこは対策を考えてきたから大丈夫だろうが、上手くいくだろうか?
あと、溶岩に触れていなくても高温のダンジョンなので滞在しているだけで体力が削られていき何もしていなくても一定時間後に死に戻りしてしまう鬼畜仕様だ!
「キャメルちゃんは軽々跳び回れるけど、溶岩って怖~い♪
間違えて落ちちゃったら死に戻りしちゃうよ♪
大罪スキル発動♪【色欲絶跳】♪」
【ロイス=キャメル】は脚力強化の大罪スキルで溶岩を意に介さない動きでどんどん進んでいっている。
しれっと大罪の力を貸与されており、自発的に大罪域の風を吹き込ませることが出来る強みがさっそく活かされているわけだ。
MVPプレイヤーでもこれが出来るのは半分もいないからな……凄いよな。
「うちはこれだよ~
スキル発動!【真名解放】
そして、うちの蛇腹剣の真名を教えてあげる。
【修練武器上位解放】ー【涸沢之蛇】~!」
【マキ】は蛇腹剣を巨大な蛇へと姿を変えさせていき、その蛇に自ら跨がっていった。
そのまま溶岩に特攻してミチを一直線に突っ切っていっているぞ!
チュートリアル武器は壊れない……つまり耐久度無限なのでそれを足場にすれば溶岩を無視できるということだ。
わりと力業だが、これなら安心だ。
そして俺は……
スキル発動!【天元顕現権限】!
天子の黄金色の左翼を広げてダンジョンの中を飛んでいっているわけだ。
地面に降りることなく進めるので、この中だと一番溶岩から離れられる方法ということだ!
この方法で三人でダンジョン攻略をしていくぞっっっ!
十人十色の対策ですね。
特色が出ているので面白いと思いますよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




