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1971/2102

1971話 正義の断罪

 俺は絶叫しながら【ランゼルート】の攻撃を直撃してしまった。

 辛うじてもがいたお陰で腕が両断されただけで済んだが、かなりダメージが入ってしまった。

 痛覚はある程度制限されているはずなのにめちゃくちゃ痛いぞ!?



 「君の中に内包されている【暴食魔王】と【深淵域の管理者】の要素が僕の剣への拒絶を示しているんだろうね。

 君の中へ入り込んだ正のエネルギーが反発しているのさ!」



 これが王道の力……っ!?

 くそっ、スキルの操作も上手く出来なくなったぞ!

 【魚尾砲撃】のレーザー出力が安定しないっ!



 「乱れたね?

 これなら次で本当にトドメになりそうだ!」



 そう言いながら聖剣を振りかざしている。

 ……聖剣?

 あぁ、そういうことか。



 






 「……っっ!?

 いつの間に、君がっ!?」



 俺に聖剣を振りかざしていた【ランゼルート】はその体勢のまま後ろから蛇腹剣で胸を貫かれていた。

 そう、【マキ】による奇襲作戦だ!



 「【選底剣エクス】の【選王底剣】の効果が切れるまでじーっと待ってたんだよ~!

 普通の聖剣に戻ってたからダメージが与えられるって思ったけど合ってたね~!」

 「ぐぅっ、まさか君に背後を取られた上に致命傷を負わされるとはね……っっ!?

 まるでそこの【包丁戦士】みたいな立ち回りで不気味とさえ思ってしまうよ」



 まぁ、そりゃ蛇腹剣次元と合同になってから俺が【マキ】に戦い方をこれでもかと言うくらい仕込んだからな。

 斬撃の方法や気配の消し方、いつの間にか息をするように覚えるようになってきたから擬似的な模倣も出来るだろうよ。

 


 「それは今後の成長も末恐ろしいことになりそうだね……

 でも、このまま僕が死に戻りするなんて思わないで欲しいかな?

 スキル発動!【正義生業】!」



 【ランゼルート】は身体が粒子に変換されながらもまだ戦いを継続しており、広範囲必中攻撃の【正義生業】を発動させて回転切りを放ってきた。

 心臓貫かれたのにその活動力は何なんだ!?


 

 【マキ】はそのまま【正義生業】を受けて左腕を失いバランスを崩して転倒していった。

 


 くそっ、【ランゼルート】を倒したと思ったのにこのままだと【ランゼルート】が消える前に俺たちの方が先に仕留められてしまうんじゃないか!?



 「そうさせてもらいたいところだね。

 スキル発動!【正義裁決】!」



 そのまま今度は俺に向かってビームを放ってきた。

 あれをこのまま受けると不味い。

 だからこそ俺も最後の最後まで取っておいた手札を一気に切らせてもらうぞ!



 スキル発動!【正義勇鎧】!



 俺は一時的に【ランゼルート】と同等の耐久力を手に入れられるスキル【正義勇鎧】を使い、【正義裁決】を受け止めていった。

 スキルとして現れているからか、出た瞬間だけは特に耐久力が高まるのでその一瞬で受け止めたわけだな!



 「それは僕の鎧っ!?

 【暴食】はそんなものまで捕食して取り込んでいたのか!」



 まだまだ驚くのは早いぞ?

 剣現せよ、【正義剣ティル】!



 俺は正真正銘最後の切り札である【正義剣ティル】を剣現させて、狼包丁を添えることで擬似的に空中操作状態にしていった。

 


 「そうか、君も【正義剣ティル】を保有していたね。

 ここまで使ってこなかったから相性が悪いのか、使えないのかと思っていたけれどまさかずっと隠し持っていたとは……」


 これは流石に効くだろ?

 スキル発動!【正義罪剣】!



 空中操作をしている【正義剣ティル】の必殺スキルを乗せながら【ランゼルート】へとその凶刃を迫らせていく!

 怪しく、そして清々しいほどの眩い光を周囲に撒き散らしながら放たれたその一撃は消え去っていく最中の勇者……【ランゼルート】の死に戻りを加速させていき、目に見えて分かるほど粒子の流出が大幅に増えていった。



 「これは、流石に、もう、無理な、ようだ……

 悔しいけれど、今回も、【包丁戦士】に負けてしまった、ね。

 だけど、今回は、どこか清々しい、敗北だよ。

 全力を、出し切った、から、かな……?」



 そう言い残して【ランゼルート】は姿を消していったのであった……

 随分と暴れまわって、聖剣次元以外の勢力をフル導入してもなおここまでの被害を出すことになったのは流石最強のプレイヤーと呼ばれるだけあったな!

 だが、その最強も質と量を兼ね備えた軍勢には勝てなかったってわけだ!



 「()()()()勝ちだね~!

 やったよ~!」






 やったぜ。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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