1949話 深淵の蜂連携
【牛乳パフェ】と【シゼンゼプラ】の連携を見せつけられたが、俺だって連携をみせたいところだ……
……【チェーンバ】、いけるか?
【ЧЧЧЧЧ!!!!】
俺が【チェーンバ】に話しかけると何を言っているのかは分からないが一応返答してくれた。
様子から見てみるにヤル気満々って感じだ。
深淵種族同士で息を合わせてみるか!
スキル発動!【衆合巣蜂】!
俺が発動させたスキルは【チェーンバ】を従属させた時に手に入れたものだ。
これにより俺の腰にポシェットのような蜂の巣が提げられて、そこから針を剥き出しにした蜂たちが次々に【ランゼルート】へと向かっていったのだ!
そして、俺に合わせて【チェーンバ】も同じく【衆合巣蜂】を使って蜂を射出している。
……ただ、【チェーンバ】の方が出してる蜂のサイズ感も大きくて、針の強度もありそうだけどな!
流石に本家本元には敵わないってわけだ。
とはいえ、これだけの数をで攻めれば流石に……
「視界も塞がるし、中々地味なダメージが入ってくるね……
すぐに死に戻りするほどのものではないけど、放置し続けるにも無視できるほどのかるさではないのは厄介だよ」
まぁ、俺と【チェーンバ】にしてみれば【ランゼルート】は天敵だが、一方で【ランゼルート】側は俺たちよりも勇者の【シゼンゼプラ】の方が警戒対象だ。
【シゼンゼプラ】を無視して俺たちを狙うのは相当リスクが高いことを認識しているはずだ。
だからこそ、そこまで積極的に狙われないしここまで生き延びられてきたのだろうよ。
「だけどそろそろ置いておくわけにはいかないな。
特に【チェーンバ】はリソースを自力回復出来るから放置すればそれだけで僕は持久戦で不利になる。
だからこれで仕止めるよ。
スキル発動!【必殺名技】!
聖剣よ、今一度力を解放してくれ!
【聖突破魔剣】っ!」
【ランゼルート】はここまで聖獣スキルで応戦していたがそれを一時中断して、聖剣からビームを放ち俺と【チェーンバ】を狙ってきた!
そのせいでせっかく生み出している蜂たちが一気に消えていってしまったが、それ以上に俺たちの命が危ない!
具体的に言うと全体防御が出来ないなら俺と【チェーンバ】がまとめて死ぬか、あるいは少なくともそのどちらかは死ぬだろうな……
そうなるようにビームを放ってきているのが中々嫌らしいところだ。
なので俺はそのまま回避していき、【聖突破魔剣】の脅威から逃れることに成功した。
……つまり。
【Ч、Ч、ЧЧ、Ч……】
【チェーンバ】へと直撃してその身体が光の粒子となって消えていってしまった。
……おいおい、まさかの一撃かよ!
流石にレイドボスだし耐えるかなと思っていたんだがこれは想像よりも【聖突破魔剣】の威力が高いってことだな!?
「ウゲゲッ、味方が一体やられたんだぞ!?
【ランゼルート】の攻撃力の高さと、【包丁戦士】のあっさり味方を見捨てるドライさを見せつけられたんだぞ……」
「君自身が敗北条件のうちの数に含まれているから死ねないのは分かっているけど、本当に躊躇なく見捨てたね。
深淵種族に同情はしたくないけれど、哀れみを感じてしまうよ」
【チェーンバ】を見捨てたことに【牛乳パフェ】や【ランゼルート】から責められているが、そんなに責められないといけないか!?
誰だってあの場面はそうするだろうに……
「ケケッ、日頃の行いが悪いんだぞ!
そういうやつは何をしても悪く言われるんだぞ!」
「そこについては僕も【牛乳パフェ】に同意するよ。
君のように悪辣な行動ばかりしているプレイヤーはふとした行動をしたとしてもそれが悪意と紐付けされてしまうのさ。
本人にその気が無くとも……ね。
つまり身から出た錆ということだよ」
くっ、反論しにくいことをつらつらと言い並べやがって……
そう言われてしまうと俺も口から出かかった言葉をぐっと飲み込むしかないということになる。
「ケケッ、深淵種族同士息を合わせようって言った直後だからなおのことたちが悪いんだぞ!
どう考えても協力プレイの流れだったのが悪さしてるんだぞ……」
そういうことですね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】