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1943/2271

1943話 破壊一直線の閃光

 動力が起動したのを見守りながらしばらく休憩すると、ようやく俺たち待望の知らせが届いたようで……



 【ワールドアナウンス】


 【【牛乳パフェ】と【包丁戦士】によりキャンラン城の【聖円卓】が【邪円卓】へ変貌しました】


 【【Battle field 特異次元 円卓丘都キャンラン】の空気が澱む……】


 【正の側面にある罪魔種族、聖獣、天子、機戒種族の力が減退するようになりました】


 【負の側面にある罪魔種族、深淵種族の力が増大するようになりました】


 【深淵細胞の励起に制限が無くなりました】


 


 ……と、まぁこんな感じの結果になったか。

 俺にとっては総合的に見るとプラスだが……



 「ケケッ、頑張ったわりにおれ自身の強化は微妙なんだぞ……

 聖獣スキルもわりと普段から使うから弱くなった部分もそこそこあるんだぞ……」



 まぁ、【牛乳パフェ】は弱体化したところもあるよな。

 今のアルベーの軍服フォーム……スキル【深淵纏縛】を最大利用するならプラスだろうし、そこを活かして戦ってくれ!

 俺もその側面は同じ様にあるんだが、どちらかといえば深淵に傾倒していることもありかなり強化されたんだよなぁ。


 だが、俺たちの強化や弱体化よりも気にすることがあるだろ?



 「ククッ、【ランゼルート】はかなり戦力を削られたはずなんだぞ!

 特に【正の側面にある罪魔種族】の力と、【聖獣】、【天子】の力は【ランゼルート】の主力スキルたちなんだぞ!

 下がり幅が大きいし広いから戦いやすくなった……と思うんだぞ!」



 そうそう、それが一番のメリットだ!

 俺たちが強くなろうが弱くなろうが限度があるから今回はそこを気にするのは最低限でいい。

 最大の標的である【ランゼルート】さえ弱くなってくれたらそれだけ倒しやすくなるのが明確になるわけだ。

 手札の半分くらい……いや半分以上に弱体化が入っただろうからありがたいな。


 

 「ケケッ、あとお前はしれっと忘れてそうだが従属させた【濛々たる合巣蜂】も深淵種族レイドボスだから一緒に強化されるはずなんだぞ!

 プレイヤーならともかく、レイドボスなら強化の幅も大きくなるはずなんだぞ!」



 そういえばそうなのか。

 従属させたもののまだ一度も活躍してくれていないのですっかり忘れかけてたな……

 どんな方面で強化されるのか知らないが、【ランゼルート】戦こそきっちり活躍してくれることを祈るばかりだ。



 「ククッ、従属っていっても主の危機に助けてくれないならただの傍観者と変わらないんだぞ……

 おれたちの戦いを観劇か何かと勘違いしてるんだぞ!」



 うへぇ、それだったらこの後も助けてくれる可能性はないじゃん。

 参ったな……








 そんなことを話しながら動力室から出てみると城外から破壊音が迫ってきているのを全身で感じ取れるようになってきた。

 おいおいおいおい!?

 どうなってんだ、これって俺たち巻き込まれるんじゃないか?



 「ウゲゲッ、これは十中八九【ランゼルート】の聖剣による攻撃なんだぞ!

 とりあえず避けるしかないんだぞ!」



 俺たちはそのまま音がする方向から横に逸れるように動いてみたが、その直後に城ごと風穴がバックリと空いて極大のビームが通りすぎていった……

 間一髪だったな……



 死の危険からギリギリ脱することが出来たことに安堵する俺たちだったが、それを嘲笑うかのように無機質な声のアナウンスが脳内に鳴り響きはじめた。





 【Raid Battle!】



 【聖剣を冠する君主】

 【封竜の勇者】



 【ランゼルート】



【メイン】ー【底辺種族】【上位権限】【勇者】【プレイヤー(β)】

【サブ】ー【次元天子】【上位権限】【ドラゴンスレイヤー】



 【底辺種族を導き】


 【次元を勝利に導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【地の底から這い上がった勇ましき者は】


 【深淵竜帝王を封印し】


 【未だなお正義を執行する】


 【聖剣の輝きは今ここに!】


 【レイドバトルを開始します】




 「やあ、君たち。

 随分とこの都市の環境を荒らしてくれたようだね」



 金髪で赤色のメッシュの入った髪を短いながらも靡かせながら現れたのは今回最大の敵である……【ランゼルート】だ!

 相変わらずの金属鎧をした正統派騎士姿に、この世界での最強格である威容は隠しきれていない。


 それはそれとしてだ。

 環境を荒らしたのはお前もそうじゃないのか?

 城にこんなデカイ穴を空けちゃってどうするんだよ?



 「城は作り直せばいいからね。

 だけど、汚されてはいけない円卓を君たちは最悪の形で汚してくれたからこそ、僕は一直線にここへ向かってきたのさ」



 そう言われて【ランゼルート】が歩いてきた方向を見ると、街の建物が【ランゼルート】の後方一直線部分だけ何もない状態になっていた。

 いや、瓦礫はあるけどさ……



 「ウゲゲッ、ビームで道中にあるものを全部消し飛ばしながら一直線でここに向かってきたんだぞ!?

 どれだけ慌ててきたんだ……っ!?」






 ……真打ち登場ですね。

 劣化天子、頼みますよ!


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
あらためてランゼルートいかれてら……これもしかしてほちょせんの正義も弱体化入るのかな?まあそんなに気にすることでもないが
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