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194話 後輩とほのぼの市場巡り

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 今日は、後輩野球部員を連れて新緑都市アネイブルの中央広場にあるほのぼの市場へ行こうと思う。

 このボトムダウンオンラインはプレイヤーに人権がないゲームだが、ほのぼの市場はそのなかでも数少ない魅力ある場所だ。

 プレイヤーが多く集まり、品も様々なものが集まってくるから見て回るだけでも楽しめるし、プレイヤー主催のイベントとかも開催されていたりするらしい。


 ……まあ、プレイヤー主催のイベントとかは俺がプレイヤーキラーとして悪名を轟かせているからか、ほとんど出禁状態で参加したことなんてないけどな。

 平然と新緑都市アネイブルの中でプレイヤーキラーとして活動していて、その辺のモブを辺り構わず惨殺していったらそうなるのも自然の摂理だろう。

 プレイヤー主催のイベントにそんなプレイヤーキラーを招き入れたらイベント崩壊間違いなしっていうのは、良識あるプレイヤーなら思いつくことだからな。

 

 俺もその辺りを踏まえた上でプレイヤーキラーとして活動しているから、そこまで気にしてはない。

 

 ま、それは置いておくとしてまずは後輩野球部員と合流するとしよう。










 「うわっ、今まで草原エリアで挨拶回りとかメインだったからこんなに活気がある場所なんて新鮮ッス!」


 厳密にはボマードちゃんがライブをやっていた草原エリアの特設ステージも活気はばっちりあったが、あれはまた別の種類の活気だからノーカウントということだろう。

 ライブ特有の活気は異質だからな……


 「あっ、あれ美味しそうッス!

 出店とかもあるなんてこのゲーム神ゲーッスね!!」


 ……このどん底ゲームを始めたばかりならそんな感想が出てきてもおかしくはないか……

 というか、俺たちがレイドボスのジェーを倒して、新緑都市アネイブルを解放して、この環境を整えたからこそ新規プレイヤーが楽しめるようになったわけだから、少し誇らしい気持ちになるな。

 新規プレイヤーをクランに引き込ませる運営の試みは、既存プレイヤーの成果を再評価させる意味合いもあるのかもしれない。

 ゲームをやるやつはわりと承認欲求が強かったりするし、こういうタイミングで先輩風を吹かせられるのもそんなに悪くない。


 よーし、あの出店の串焼き奢ってやるぞ!

 今日は俺の奢りだ!

 金はたんまりあるから心配しなくていい。

 闘技場イベントの優勝で手に入れたポイントの交換を全てお金に変換したからな、投げ捨てるくらい宝物庫にあるしな!


 「それなら、あそこでアクセサリー買いたいッス!

 装備は【槌鍛治士】先輩が作ってくれるみたいッスけど、細かいアクセサリーとかはここで調達するッス!」


 ほお、感心感心。

 だが、アクセサリーか……

 俺は普段新緑都市アネイブルのほのぼの市場で食材くらいしか買わないからなぁ……

 料理系生産プレイヤーなら食器と食材くらいしかお金使わないだろうし、妥当だと思うが、後輩野球部員に紹介できるアクセサリー店とか知らないからなぁ……


 まぁ、目の前にあるアクセサリー店で特に良さそうなものがあればそれで済む話だ。


 「先輩が頭に着けてるそのリボンって買ったアクセサリーじゃないッスか?」


 あっ、これ?

 これはこの市場が開かれる前……このゲームの黎明期に【槌鍛治士】に作ってもらったものだ。

 特に俺から作るように要求したわけじゃないんだが、唐突にくれたな。

 動きの邪魔になるわけじゃないし、とりあえず着けておくかって感じでずっと着けてるけど、愛着はある。

 俺の言動には似合ってないってよく言われるけどな……


 「そのリボンにはそんな経緯があったんッスね……

 手作りのプレゼントっていいッスよね!」


 まあな。


 「……。

 あっ、あのシルバーとか良くないッスか!?

 俺っちの腕に巻いたら格好良さそうッス!」


 腕にシルバーを巻いている後輩野球部員を見ると、なんとなく【風船飛行士】を思い出してきた……

 なんかむかつくから他のやつにしなさい。


 「そんな殺生な……

 なら、どれがいいッスか?

 折角ッスから、先輩に選んで欲しいッス!」


 え、俺が?

 自慢じゃないが、俺にセンスを求められても困る。

 俺の服装を見てもらったら分かるだろうが、着ているのはボロボロのマントだからなぁ。


 ……、これとかどうだ?

 

 俺は恐る恐るあるアクセサリーを手に取って見せる。


 「あっ、これいいッスね!

 俺っちが着けても違和感ないッス!

 それに、リアルだと普段つけられないッスから……」


 あまりにも自然な感じで俺の手からいつの間にかアクセサリーを盗みとった後輩野球部員がアクセサリーを着けて俺に見せてくる。


 「どうッスか?

 格好いいッス?」


 後輩野球部員が頭につけたのは、おでこ周辺に巻くヘアバンドのようなものだ。

 赤色のものを選んだので、どこかゲームのお調子者っぽいキャラクターみたいな見た目になった気がする。

 

 あー、こんな感じのやつみたことあるな。

 ある意味では王道っぽい見た目だし、似合ってるんじゃないか?


 「そうッスか!!

 それなら俺っちこれがいいッス!」


 後輩野球部員が気に入ったようなので、購入して店の外に出た。

 後輩野球部員は、よほどそのヘアバンドを気に入ったのか、店を出てすぐ装着してウキウキしている。


 「えへへ、嬉しいッス!」


 え、笑顔が眩しい……っ!?

 そんなに良かったのだろうか……雑に選んだのが少し申し訳なるくらい喜んでいたので、罪悪感がある。



 そんな罪悪感がある俺は後輩野球部員と野菜屋のおっちゃんの店に行って、後輩野球部員に危険食材の拡散スイカを丸かじりさせて、死に戻りに追いやっておいた。


 腹のなかに入っていったスイカの種が爆発して、体内から破裂したのは傑作だったぞ!!









 なんで、罪悪感があってその行為に繋がるんですか……?


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] イベントを無闇に潰さないだけの良識があって嬉しいです と思ったけど罪悪感があるから殺すっていうのは やっぱ包丁戦士ですね [一言] これはデート? 本人達にその気があるのかが分からないし …
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