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1922話 精霊森林の緑女王

 俺たちがしばらく歩いていると、明らかに何かを警戒しながら動いているであろう人物が近くにいる気配を感じ取った。

 この気配には覚えがあるぞ……

 お前ら、警戒しろ!



 「ウゲゲッ、まだ姿も何も見えてないのに急にそんなことを言われても困るんだぞ……」

 「これが【包丁戦士】さんの高感度気配察知ですか。

 私には反応していなかったので初見ですが、これが本当なら野生動物以上の危機管理能力ですよ」



 誰が野生動物だ!

 ……そんな突っ込みを入れながら気配のした方向を見つめていると……








 そうして少し待つと相手もバレていることに気がついたのか、建物の陰から姿を現した。



 「やはり当てずっぽうではなくきちんと気づいた上でこちらを見ているようですね。

 観念して出ていきます」



 現れたのは薄緑色のヴェールをかけた色白の肌、薄黄色の髪、スラッと伸びた体型の女だった。

 服も軽い服装で前衛プレイヤーでは無さそうで、薄緑色のローブに黄色の模様が施されているものだ。


 そして、手に握られているのは長い杖だ。

 杖の先に緑色の宝石がはめ込まれており、そこを中心にしっかりとした装飾が施されていることから、ステッキというよりは、魔術を使うためのものに見える。



 「望遠鏡次元のみなさんいつもありがとうございます、そして包丁次元のMVPプレイヤーはご無沙汰しております。

 私は【アイシア】と申します。

 今後ともよろしくお願いします……」



 ご丁寧に名乗ってくれたが、こいつは自分自身で意図的に受け入れない限り【名称公開】のデバフを受けないし、受け入れたとしても自力で解除出来る理由があるので弱体化は期待できないぞ!

 何故なら……





 【Raid Battle!】


 【精霊森林の緑女王】



 【エムハート=アイシア】



 【メイン】ー【精霊緑王】【上位権限】【封印守人】

 【サブ】ー【森人】【プレイヤー(偽)】



 【聖魔戦争にて竜帝王ガルザヴォークを封じ】


 【森の神聖なる力で浄化する使命を受け持った】


 【願わくばその封印が解かれることがないよう】


 【少女は祈る】


 【王は挑む】


 【守人は畏まる】


 【封印こそが存在意義】


 【幻界に平和あれ!】


 【レイドバトルを開始します】



 


 「そうです。

 包丁次元の下劣な【名前に関するスキル】は【上位権限】レイドボスである私が自らあえて受け入れる以外には効きません」



 下劣とは人聞きの悪い……

 俺たちが包丁次元のプレイヤーが好きであのスキルを手に入れたわけじゃないんだからな?

 というか完全に自分の物にしてるプレイヤーは数人しかいないし……



 「それも踏まえて下劣なのですよ。

 私たち聖剣次元のように清廉潔白な状態の者が多数いればそのようなスキルへなることもなかったでしょう。

 【名前に関するスキル】は世界の集合意識が写し鏡のようにスキルへと転写されたものですからね」



 なんだその情報!?

 しれっと爆弾発言じゃないか……

 


 「おや、ここまでは把握していませんでしたか。

 ですがこれを知ったところで今さらどうにかなるものでもありませんし、自身の次元が汚点であると知るいい機会になったでしょう」

 「ケケッ、確かに【名称公開】は足を引っ張るためだけのスキルなんだぞ……

 おれも包丁次元がいるって知ってから名乗らないように気をつけてるんだぞ」

 「私はその影響でデバフを受けてしまいましたが、元々戦闘をするつもりがなかったので今のところ支障はないです」



 足を引っ張るためだけのスキルか……

 それについては特段反論できないのが辛いところだ。

 相手プレイヤーだけではなく、レイドボス、そして自らの足さえも引っ張るという泥沼のようなスキルだし。

 包丁次元のプレイヤーたちですら有効活用方法はレイドボスの弱体化か、次元戦争で他の次元のプレイヤーを嵌めるかか、【修練武器上位解放】に繋げるかの三択しか思いついてない。



 「ある程度の自認はありましたか。

 であるにも関わらず、次元戦争において一位であり続けるのは何故ですか。

 それは包丁次元の特性からしても他の次元の足を引っ張っているということにも等しいのですよ?」

 


 まぁ、足は引っ張ってるかもしれないな。

 それは特に確証があるわけじゃないが甘んじて受け入れてやろう。

 だが、聖剣次元が一位だった時はどうなんだ?

 いや、むしろ今も望遠鏡次元からどう思われているかを考えたら聞くまでもないな。


 弱者を切り捨てて、搾取するような次元だ。

 一位のままだったら他の次元は荒廃していっていたことだろうよ。

 


 「話になりませんね……

 やはり私たちが戦いで雌雄を決するしか方法はないということですか」



 そりゃそうだ。

 前から話が平行線上にあるのは分かってたことではあるし。







 【ランゼルート】、私に勇気を貸してください……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


読者の方がボトムダウンオンラインのクイズを作ってくださいました!

300話までのサブタイトルから内容の一部を当てるという中々面白いものです!

ぜひチャレンジしてみて、その話数を実際に読み直してみてはどうでしょう。



https://quiz-maker.site/quiz/play/hLd03320241228002631

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