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192話 同じこと

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 今日も昨日に引き続いて草原エリアにいくぞ!








 今日は、後輩野球部員と特設ステージの前で待ち合わせだ。

 待つこと10分ほど、ドタバタと走ってくるタンクトップでバットを持った男子高校生が現れた。

 

 「待ったッスか?」


 今来たところ!……とでも言うと思ったか!?

 これはデートじゃないんだぞ、先輩を待たせるな。

 男子高校生に色ボケはまだ早い!


 「いや、むしろ真っ盛りの時期だと思うッス……

 もしかして先輩……?」


 あーあーあー!!!

 聞こえませ~ん!


 というより、あの歌を聴いてやってくれよ。

 俺はそう言いながら、特設ステージの中央に立つ人物を指差す。


 「俺っちと同じタンクトップを着てるッスね。

 初心者プレイヤーッスか」


 と、思うだろ?

 特設ステージの中央に立つ人物は、一曲目が終わるとステージの裏に戻り、しばらくして再び現れた。

 そこには、先ほどのタンクトップ姿とうってかわって、フリフリのドレスのような衣装を着た同一人物がいた。

 見た目は……うーん、ロリ!


「ありがとうございました~

 次は私のヒットソング、【Booooom! Down】です!

 いや~、この曲は私が【名称公開】というスキルを獲得した時の思いを込めた曲です!

 助けてくださった検証班の方々やファンのみなさん、そしてトッププレイヤーのあの人に向けて歌います、聴いてください。


 【Booooom! Down】!」



 「「「キタ━(゜∀゜)━!」」」



 「Booooom! Booooom! 君の心をDown♪

 君に~デバフの~魔法をかけちゃうぞ~♪」


 そう、特設ステージで歌っているのはタンクトップロリこと、ボマードちゃんだ。

 相変わらずラブソングを歌っているらしい。


 「先輩、アイドルとか興味あったッスね!?

 意外ッス……」


 あん?

 お前、俺のこと何だと思ってたんだ?

 こちとら、可憐な乙女だぞ?


 ……いや、確かにこの後輩野球部員が言うようにアイドルには特に興味はないが……


 「やっぱりそうじゃないッスか!

 ……でも、それならなんでここに来たッス?」


 まあ、ライブが終わるまで待て……

 それまで暇だから自由に応援してていいぞ。


 「えっ、いいッスか!?

 頑張れ~!!!可愛いッス~!!!」


 凄い切り替えだな……

 一瞬で全力応援モードになったぞ。

 これもまた男子高校生の青春ってやつなのか……?

 俺にはよくわからない。





 そんなこんなでライブを見守ること一時間、無事閉幕したようだ。

 プレイヤーメイドのライブだが、ここまで賑わうとはな!

 この次元の代表アイドルがデバフ増し増しのロリ巨乳って色物の過ぎるだろ。


 はい、そういうわけで俺が会いに来たのはそんや色物アイドルのボマードちゃんだ。

 

 「あっ、【包丁戦士】さんじゃないですか!

 いや~、興味が無いといいつつちゃっかり応援してくれたんですね!

 やっぱり、私の溢れ出る魅力がそうさせちゃうってことですか~私って罪な女!」


 は?

 調子に乗るなよ爆弾魔!

 こんなでっかいもの2つもぶら下げてるから頭に栄養が回ってないんじゃないのか?


 俺はボマードちゃんの胸と俺の手との握手会を行いながらそんなことを伝える。

 鷲掴みだ。


 「いや~、いつも思いますけど私にだけ辛辣過ぎませんか!

 そんな辛口コメントがまたいいんですけど……(ボソッ)」


 なんか完全にスルーしたい言葉が聞こえてきたが、なんか毎回そんなようなことを言っている気がするので今さらだろう。

 

 ちなみにだが、ボマードちゃんはアイドル衣装のまま俺たちに会いに来ているので周りからの視線ががんがんに刺さってくる。

 元がいいとはいえ、それ以上にこの次元の大規模勢力である検証班の全力バックアップを受けて活動している、ということで知名度が凄いことになっているアイドルだからなぁ。

 これくらいは普通に注目されるか。

 ……なんか話しにくいし、場所変えようか。


 「いや~、私は別にどっちでもいいですけど、【包丁戦士】さんがそうしたいのなら特設ステージの裏側にある控え室に行きましょうか!」


 ああ、そっちの方がいいな。

 俺は別に注目されたいわけじゃないから助かる……

 

 「闘技場イベントで優勝しておいていうセリフですか?

 いや~、【包丁戦士】さんって本当によくわからない人ですよね!!」


 それは少なくとも本人を前にして言うセリフじゃないと思うんだがなぁ……

 【槌鍛治士】とか【菜刀天子】とか【釣竿剣士】とか……いや、もっと色んなやつに同じこと言われてた気がするけど……









 あらゆる存在から言われ続けて、今さら何を言っているのでしょうか……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] ボマードちゃぁん! 包丁戦士が好きであろうこと以外は 超可愛い子なんだけどなぁ [気になる点] 他次元にもアイドル枠がいるのか気になりますね 次元をまたいだアイドル人気投票とかあったら面白…
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