表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1919/2269

1919話 イクイクわ

 しばらく待っていると中で話が纏まったのか、【つくだ兄ぃ】が出てきて俺を手招きしてきた。 



 「話がつきましたよ。

 それでは中に入ってきてください」



 そうして中に入ってみると内装も外観と同じ様に英国式の古民家といった感じだった。

 調度品もアンティークなもので揃えられており、場の雰囲気を壊すものが置かれていないのが好印象だ!


 ……と、内装についてはこれくらいにしておいて、俺の目の前にいる人物について触れておこうか。



 「ククッ、よく来たんだぞ。

 【包丁戦士】も【ランゼルート】討伐を第一に考えてると聞いたんだが、本当か?」



 髪型が白色のソフトクリームみたいになっていて、服装も全身真っ白な衣装という奇抜な男プレイヤー……望遠鏡次元のMVPプレイヤーの【牛乳パフェ】だ。


 あぁ、俺や他の包丁次元の連中もそれを最優先に考えている。

 一番大きな敵だからな!



 「ケケッ、それなら交渉の余地がありそうなんだぞ!

 おれたちは【ランゼルート】の足をバレないように引っ張りながら次元戦争を戦ってきたんだぞ。

 でも、それを意に介さないくらい【ランゼルート】が強すぎて余裕勝ちしちゃってたんだぞ……」



 それはなんとも言い難い複雑な気分になるな。

 次元戦争自体は一緒のチームの望遠鏡次元も勝利扱いになってたはずだが、逆に言えばマイナス要素になったとしても【ランゼルート】は勝てる。

 ……つまり、【ランゼルート】だけで2つの次元を相手にすることも全然出来るし、なんなら望遠鏡次元が次元戦争に参加する意味もないってことになるからだ。



 「ウゲゲッ、そこまで分かられてるのは怖いんだぞ……

 でも話が早くて助かるんだぞ。

 流石に【綺羅星天奈(きらぼしあまな)】ほどじゃないにしても、お前も頭がキレる側のMVPプレイヤーだとおれは認識しているんだぞ」



 それは光栄だな。

 【綺羅星天奈(きらぼしあまな)】は比較対象としてレベルが違いすぎるのでそこより劣っていると言われても何の劣等感すら湧かないくらいだし。

 それは【牛乳パフェ】も分かっていて口にしたはずだ。



 「ケケッ、それにしても【つくだ兄ぃ】からレイドボスを即従属化させたって聞いたんだぞ……

 奇想天外なことをやらせたらMVPプレイヤーだと【夢魔たこす】と【包丁戦士】の二大巨頭って感じなんだぞ。

 でも、【ランゼルート】を倒すための足掛かりが既に手元にあるならありがたいんだぞ!」



 【つくだ兄ぃ】はさっそくそこまで話していたようだ。

 隠していて秘密兵器のように使ってもいいかなと思っていたんだが、まぁ真横で見てたわけだしそりゃ仲間には話すよなぁ……



 「そこを隠してしまっては仲間ではないですからね。

 特に望遠鏡次元の頭脳役である【牛乳パフェ】さんに情報を渡さないのはナンセンスですよ」


   

 そりゃそうだな。

 まぁ、俺は【検証班長】に意図的に渡してない情報なんていくらでもあるから、そのナンセンスなプレイヤーに該当してしまうわけだが。

 


 ……というかここには【牛乳パフェ】しかいないのか?

 森人枠が【つくだ兄ぃ】ならあとは勇者枠が残っているはずだ。

 望遠鏡次元に勇者が誕生しているかは知らないが、そうじゃなくても代わりのプレイヤーが選ばれているはずだぞ?



 「ウゲゲッ、望遠鏡次元の勇者は自由気ままで行動を縛れないんだぞ……

 だから今何処にいるのかも分からないんだぞ……」



 あっ、一応勇者はいるのか。

 その上で風来坊チックな感じで掴みどころがないわけだ。

 最高戦力なはずなのに手綱を握れないのは大変そうだな!?

 実質二人で戦わないといけないし……



 「ケケッ、派手な戦いが始まれば自然と寄ってくるだろうが下手するとシチュエーション次第でおれたちにも襲いかかってくるかもしれないのが怖いんだぞ……

 自由過ぎて望遠鏡次元の中でも手に負えないんだぞ」



 それはヤバイな……

 だが、勇者がいるなら【ランゼルート】に対抗できなかったのか?



 「ケケッ、さっきも言ったように自由過ぎて戦ってくれるときとそうじゃない時があるから難しいんだぞ……

 それに直接戦ったとしても10回中10回負けてるんだぞ」



 同じ勇者でもやはり格の違いが出ているか……

 【キズマイナ】を相手にしているときにも感じていたし、そこはもしやとは思ったが他の次元の勇者でも同じ状況なのはいただけないな。

 


 「だからこそ、【包丁戦士】さんを含めた包丁次元の皆さんと同盟を組みたいと思ったというわけです」



 これで全て納得がいった。

 ここは同盟を俺の独断で一回組ませてもらおう。

 とりあえずは【ランゼルート】打倒が目標でいくぞ!



 「「おー!」だぞ!」






 仲間を置いてけぼりにして新たな仲間を増やすとは……

 

 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ