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1906/2211

1906話 侵入者議論

 【ワールドアナウンス】


 【【Battle field 特異次元 円卓丘都キャンラン】に深淵種族の尖兵が出現しました】




 「ガハハ!!!

 さっそくトラブルが発生したようだな!!!」



 【槌鍛冶士】は陽気に笑っているがこれは露骨なテコ入れだな?

 プレイヤーたちを能動的に動かせるために用意したギミックの一つなんだろうが、それにしても深淵種族か……

 これまで次元戦争だとそのフィールド限定の敵や種族みたいなのが出てきていたんだが、今回は実際にそれぞれの次元に存在する……であろう深淵種族になったのは異質だな!

 


 「それに、ここは次元天子の加護がある都市ですからねぇぇ!

 そんなところに入り込める深淵種族は中々曲者かもしれませんよぉぉ!」



 言われてみればそうだな!?

 【キズマイナ】と【槌鍛冶士】の感じ取ったこの都市に張り巡らされている加護の種類からしても深淵種族が容易に入り込める隙なんてないと思うんだが……

 


 「そこは実際にどんな深淵種族が潜り込んでいるのか見てみないと分からないですよねぇぇ!

 深淵種族の能力はそれぞれ特殊なものも多いですし、そういった加護の力をすり抜けられるタイプがいてもおかしくないですよぉぉ!」



 確かに深淵種族はデバフや操作系のスキルの使い手が多い印象があるからな……

 そういう力を駆使してきた可能性がある。



 「それでやはり侵入してきた深淵種族は排除するのか???

 ワールドアナウンスの感じだとこの都市にとって良くないものという感じだが!!!」



 確かに【槌鍛冶士】の言うようにどう考えても外敵という扱いをされてるよな。

 そりゃ、わざわざ領域の範囲を示すように加護を張り巡らせている都市に入り込んでいるんだから当然ではあるんだが……



 「ふひひっ、その口振りからするとやはり【包丁戦士】さん的には倒すのは反対ということですねぇぇ?」



 まぁな。

 俺としてはむしろ保護した上で味方につけられたらと思っているぞ!

 何故なら俺は【深淵域の管理者】で深淵種族を統率する立場にいるからな!

 他のプレイヤーたちよりは融通を利かせやすいことだろうよ。



 「ガハハ!!!

 それもそうだな!!!

 それをやるならお前以上の適任者はいないだろう!!!」

 「でも、問題点も多いですよぉぉ!

 まずその深淵種族がこちらからの問いかけに応じてくれるかですぅぅ!

 意志があまり宿っていないタイプだと味方になるように説得する以前の問題になりますからぁぁ!

 次に、言葉が届いたとしてもこちらの交渉に乗ってくれるか不明ということです、プレイヤーへの敵意剥き出しで結局討伐することになるかもしれませんよぉぉ!」



 【キズマイナ】が即反論してきたが、その可能性はわりとありえる話だ。

 都合良く使われないようにそういう細工が施されていてもおかしくはない。

 だが、それならそれで討伐方向に舵を取り直すだけだ。

 さほど問題にならないだろうよ。

 


 「でも、他の次元のプレイヤーが深淵種族を倒そうとしている時にそれを庇う様子を見せたら集中砲火とかされませんかねぇぇ?

 ただでさえ狙われる立場なのが、もっとヘイトを集めることになるので勝ち残るのが大変になりませんかぁぁ?」



 ……それも道理だな。

 しかし、元々ヘイトを集めてるならなおのこと少しでも味方になる可能性のある存在を見過ごすわけにはいかない。

 プレイヤーの味方に賭けるよりも、深淵種族の味方に賭ける方が歩があると俺は思ったわけだ。

 この辺は数字的な根拠が全くないし、俺の感覚でしかないので【キズマイナ】や【槌鍛冶士】に理論的に説明なんて出来ないんだけどな!

 


 「ふひひっ、【包丁戦士】さんがそういうなら最終的には受け入れますけどねぇぇ……

 これまでも色々なことをそれで解決してきていると思いますし、何よりも深淵種族のことは一番分かっているでしょうからぁぁ!」

 「ワシは元より【包丁戦士】の方針に随行するつもりだ。

 ワシの唯一無二の相棒がやろうとしていることならば、それを全力で助けてやるのがワシの信条だな!!!」



 それは頼もしいな!







 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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