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1897話 瞬殺

 「一瞬で一人仕留めますぅぅっ!」



 そう言うと【キズマイナ】は急にギアを上げてきたようで俺たちの目の前から姿を消したかと思うと、次の瞬間には【ファインド】の前に現れて【底骸剣デュラ】を真横に振り抜いていた。



 「あっ、えっ……!?」



 何が起きたのか分からず呆然とした表情のまま【ファインド】は首を地面に落としながら光の粒子となって消えていってしまった……

  


 「今のは瞬間移動~!?

 そんなのありなの~!?」



 【マキ】は【キズマイナ】が瞬間移動したかのように感じているようだが俺の認識としては違う。  

 ただトップスピードで真っ直ぐ走っただけだろう。

 高速とはいえ気配がミチになって続いていたからな……


 つまり、それくらい早く【キズマイナ】は移動可能だったというわけだ。

 これまでは手を抜いていたのか?



 「そういうわけじゃないんですけどねぇぇ!

 ただ、間合いを間違えてこのままぶつかるとあてぃしの身体スペックでも自分自身に大ダメージを受けてしまうので、相手の動きかたを観察して慣れた後じゃないとこれくらいのスピードが出せないんですよぉぉ!

 交通事故防止のためってわけですねぇぇ!」



 なるほどな。

 途轍もないスピードで豆腐のような柔らかいものにぶつかってもかなりダメージを受けるという逸話(?)があるくらいだからな。 

 そこから考えると強ち嘘じゃなさそうだ。  

 

 というか、そんな呑気なことを言っている場合じゃないな!?

 あの目にも止まらぬスピードで迫られて切られてしまったら俺や【マキ】でもひとたまりもないだろうよ。

 気配が察知できようが、身体がそのスピードについていかなかったら死を受け入れるしかないからな!



 「でもうちらも【キズマイナ】にあと二回攻撃を当てられたら勝てるんだからやるしかないよね~!

 スキル発動!【機馬回路】だよ~!」



 【マキ】はスキルを発動させて配線のようなものを生み出すと、それを【キズマイナ】に向けて伸ばしていった。

 これは【ギアフリィ】も使っていた機戒種族のスキルか!


 蛇のような足と合わせてみると中々曲体だよな……



 「攻撃の軌道がヌメヌメと動くのは厄介そうですけど、間合いを見切ったあてぃしに当てられますかねぇぇ!」



 そういうと【キズマイナ】さ再び俺たちの視界から消えていった。

 ……どこから来る!?



 「……っ!?

 変態お姉さん、危ないよっ!?」


 

 俺の死角から現れた【キズマイナ】の姿を認知した【マキ】が庇うように俺の後ろまで追いつこうとしていたが……生憎【マキ】のスピードでは間に合わない。

 

 ちっ、スキル発動!【塞百足壁】!



 俺は無理を承知の上で黒壁を作り出していき守りを固めたが……


 





 案の定、次の瞬間には俺の首が地面に落ちていた。

 速すぎるんだって!











 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】






 その後、【マキ】は意外にも結構粘っていたのだが変身が解けた瞬間には敗北していたのでどちらにしても敗けで終わってしまった……

 結局、俺たち三人で与えられた攻撃は一発だけだったわけだ。


 

 「お疲れ様【包丁戦士】っち、【マキ】っち!

 【勇者】ってめちゃくちゃ強いんだねっ!?

 ここまで絶望的な力の差があるなんて……」



 【ファインド】は落ち込んでいたが、まぁ負けるのは何となく分かっていた。

 【キズマイナ】の攻略方法を特に確立してるわけじゃないし、奥の手もまだ全然引き出せてない状態だったからな!

 


 「それはそうなんだろうけどやっぱり負けるのはくやしいよ~!」



 悔しいのは結構だが、【マキ】はこの中でも一番粘れていたのが凄いよな。

 やっぱり【真名解放】ー【修練武器超位解放】ー【湖奼姤之蛇(こたくのへび)】がこれまで【マキ】に不足していたものをほとんど補ってくれているようだ。

 【師匠】を倒すくらいの決め手になってるわけだし。



 「実際、倒すのに苦労しましたぁぁ!

 誇ってもいいと思いますよぉぉ!」

 「そ、そうかな~?

 えへへ」



 【マキ】は無邪気な笑みを浮かべながら終始照れているのであった。






 結構疲労感がありますねぇぇ!


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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