1891話 趣味のはなし
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【検証班長】に【『sin』正義を司る大罪騎士】について知っているか聞いていたな。
【大罪魔】がプレイヤーたちに倒されないようにしてほしいというニュアンスのことを言っていたので、地上でどんな状態になっているのかを聞くのも踏まえて会ってみたわけだがしばらくは安泰そうだった。
そもそも【屍山血河城塞アンデッド】自体も発見出来てないっぽそうなので、どちらの発見にも時間がかかることだろうよ。
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルのほのぼの市場!
ここで【マキ】と一緒にパフェを食べていた。
これまで一緒に食べる時は俺の手作りばかりだったのだが、今回は店のものを一緒に食べるわけだな。
「包丁次元はこういう食べ物のお店もいっぱいあっていいよね~」
蛇腹剣次元には無かったのか?
どこの次元も似たような感じだと思ってたんだが……
「そんなことないよ~
前も言ったような気がするけど、種類もこんなに無かったからね~
パフェ専門店なんてあり得なかったよ~」
それは俺が料理系生産プレイヤーを優遇しつつ、他のプレイヤーを間引きしていた時期もあったからかもしれないな。
だから勢力図がそんな感じになったのだろう。
「間引きって何~?」
まあ、プレイヤーキルだな。
素材の乱獲をするときに邪魔だったから同業者以外をキルしまくっていた時期もあったのだ。
今は勝手に手元に素材が集まってくるから困ることはないし、やることはほぼ無くなったけど。
「極悪非道だね~!?
そんなこともしてたんだ~!
変態お姉さんは本当にMVPプレイヤーっぽくない悪役だよね~」
それは俺も自覚した上でそういうプレイをしているからな。
しかもそれを咎められたところでそういうプレイを変える気もない、これは俺の趣味だからな!
だからこそ包丁次元は俺の色に自然と染まっていると言ってもいいかもしれない。
俺の他のトッププレイヤーたちの影響力もそれぞれ強いけどな。
色々と各エリアに特色が現れてるからだ。
それでこの新緑都市アネイブルはその仲でも俺がメインで活動していたこともあり、俺の影響が特に濃く現れているのだろうよ。
「包丁次元だと各エリアでリーダーみたいな人がいるんだね~
蛇腹剣次元も似たような感じの人はいるけどそんなに影響力は強くないんだよ~
不思議だよね~」
良くも悪くも濃い連中が揃ってるからな……
しかもリーダー気質なやつらが半数以上だ。
俺と【釣竿剣士】は微妙に違うが、【風船飛行士】と【トランポリン守兵】お嬢様は他の人を導くような立ち位置にいるように定められたような処理能力とカリスマ力を持っているし。
そういった面もあってエリアごとの分業も進んでいるな。
この新緑都市アネイブルはマーケット的立ち位置と、イベント開催頻度が高いのは俺が悪質プレイヤーを結果的に排除しているのもあって治安が日常的にはいい。
まぁ、肝心の俺が出現すると悪くなるんだけど。
「ひつようあくってやつだね~!
【インフォ】もよく言ってるよ~」
そう言われることもあるな。
まぁ、意識してやる時もあるが別にそうなろうとしてるわけじゃないからな?
「変なプレイスタイルだよね~」
ゲーム内で寝るのが趣味なお前にいわれる筋合いはないけどな!
どっちもどっちですよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】