1888話 無ダメージの剣戟
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日はこのエリアに出現していた新たなレイドボスの【『sin』正義を司る大罪騎士】に会っていたな。
言葉を発するのは難しそうだったが、意思の疎通は出来たのでそれで攻撃方法を見せてもらっていたな。
その結果、【『sin』正義を司る大罪騎士】は劣化【ランゼルート】のような剣からビームを放つ戦い方をするというのが分かった。
劣化ランゼルートと言うと聞こえは悪いかもしれないが、比較対象が強すぎるだけで普通にレイドボス性能は悪く無さそうだったので防衛は任せられそうだ。
というわけでやって来ました【屍山血河城塞アンデッド】!
今日は【キズマイナ】に【『sin』正義を司る大罪騎士】を会わせてみた。
【Raid Battle!】
【『sin』正義を司る大罪騎士】
【レイドバトルを開始します】
「ふひひっ、このレイドボスがあてぃしたちの活躍で出現したわけですねぇぇ!
剣士スタイルのレイドボスってあてぃしと被ってませんかぁぁ?」
いや、第一声で気にするところってそこかよ!
被りってだけならコイツは【ランゼルート】モチーフっぽいからお前より被ってるやつが別の次元にいるから安心しろよな。
「そうなんですねぇぇ?
それなら軽く演舞形式で通常攻撃がどれくらいなのか試してみたいですねぇぇ!」
【上位権限】レイドボスのお前のスペックと【『sin』正義を司る大罪騎士】だと格差が結構あるぞ?
あんまり苛めると可哀想……というか【大罪魔】が怒るぞ?
「それなら安心してくださいぃぃ!
あらかじめ【大罪魔】と約定を交わしたので今日1日はあてぃしからも【『sin』正義を司る大罪騎士】からもダメージが1も入らないようになってますぅぅ!
これは本来他の種族と同盟を結んだ時に味方にダメージを与えないようにするための……つまりフレンドリーファイアを防ぐための機能なんですけど、初めて利用させてもらいましたぁぁ!」
へぇ、そんな機能もあるのか。
効果範囲的に【上位権限】レイドボス専用みたいっぽいが便利そうだな。
「こうしておけば攻撃制限にも引っ掛からないですし、安心ですねぇぇ!
ではやってみましょうかぁぁ!」
というわけで【『sin』正義を司る大罪騎士】が剣を手元に出現させて振り抜くと、そこからビームが飛んでいった。
それを躱した【キズマイナ】は大剣を上から下へと思いっきり振り下ろしてビームを左右に切り裂いていった。
おぉ、これはかつて【師匠】が【ランゼルート】の攻撃に似たようなことをしてたな!?
【キズマイナ】もいつの間にかそれに近いことを出来るようになってたのか!
「あてぃしの場合は技術力というよりもスペックの暴力による力業で出来るようにしただけですけどねぇぇ!」
それでもビームを一刀両断出来るのは格好いいぞ!
「ふひひっ、ありがとうございますぅぅ!
それならこういうのを見せましょうかぁぁ!」
【キズマイナ】を褒めてみたら煽てられた様子のまま【『sin』正義を司る大罪騎士】な方へと駆け出していき、回転切りを披露していった。
それを迎撃しようと【『sin』正義を司る大罪騎士】も剣攻撃を繰り出していたが、回転の余波で【キズマイナ】に防がれてしまって通用しておらずそのまま剣で叩きつけられた【『sin』正義を司る大罪騎士】は壁際まで吹き飛ばされていってしまったようだ……
この馬鹿力め!
これはいい練習台になりそうですよぉぉ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】