1885話 オリアイ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【キズマイナ】と一緒に流刑次元の大穴に突入していたな。
最下層には台座のようなものがあり、試しにそこに【底骸剣デュラ】や【正義剣ティル】を入れてみたところ、【正義剣ティル】が反応して称号を獲得したり包丁次元にレイドボスが新たに登場するようになった……らしい。
実際にまだ確認してないから分からないけどな。
というわけでやって来ました【屍山血河城塞アンデッド】!
ここで【大罪魔】に事情を聞きに来た。
「ご苦労様だったり、お疲れ様だったりする……
これでユニーククエストはクリアなの!」
【【ユニーククエスト 流刑次元で罪魔種族復興の手がかりを調査せよ】をクリアしました】
【【キズマイナ】に報酬が支払われました】
【【包丁戦士】に【『Sin』暴食の欠片】が付与されました】
おっ、クリアしたな。
だが、【キズマイナ】に支払われた報酬のないようはともかく俺に渡された【『Sin』暴食の欠片】って何だ?
「これは一応【失伝秘具】だったり、そうじゃなかったりする……
擬似的に【失伝秘具】にして【暴食】に渡したの!
きっといつか役に立つ時が来たりする……」
結局具体的に何に使うものなのかは教えてくれなかったが、【失伝秘具】扱いなのは分かった。
ユニーククエストで貰えるものだし捨てずに手元に置いておくことにするか。
サイズも植物の種くらいの小ささだから常備していても邪魔にならないのだけはありがたいことだな。
それで俺たちが出現させたレイドボスはどこにいるんだ?
【大罪魔】的にもおそらく自分の配下だろうし、きっと居場所を知っていると思って聞いてみたが……
「【屍山血河城塞アンデッド】の砦の外にいたり、いなかったりする……
レイドボスだから【暴食】なら倒そうと思えば何かしらの方法で倒せるかもしれないけれど、倒さないで欲しいの!
このエリアの防衛力を高めて他の種族に対抗できるようにしたりする……」
……まぁ、そういうことなら一旦放置しておくが。
とはいえ、レイドボスを倒せば包丁次元のプレイヤー全員にスキルが配布されるから倒した時のメリットも相当デカイんだよなぁ……
外に漏らしたら倒そうと意気込んだプレイヤーたちが雪崩れ込んでくる可能性もあるし、これは俺と【大罪魔】と【キズマイナ】の間での秘密ということにしておくか。
ユニーククエストの報酬ももらったし、それくらい俺が優遇してもバチは当たらないだろうよ。
「ありがたかったり、助かったりする……
これで倒されたら本当にリソースしか残らないの!
それはそれでメリットがあったりするけど、それよりも自律して防衛する配下がいた方が助かったりする……」
そりゃそうだ。
配下が複数いるならともかく、これまでの【大罪魔】は孤立無援状態だったからな。
それが一体でも味方が増えるなら動きかたも変わってくるだろう。
【大罪魔】はそのメリットを特に大きく捉えているというわけだ。
だが、配下のレイドボスが一体増えたことでどれくらいの変化があるのかは未知数だよな……
歓迎しないプレイヤーたちを勝手に追い返してくれるという役割なら全うしてくれそうだが、それ以外で役立つかはレイドボスそれぞれの性格や性能に依存するし。
「そこは自分で折り合いをつけたりする……
出来ることも出来ないこともあるからじっくり見極めていくの!」
まぁ、それしかないだろうな。
お前自身も不安定なんだし、【タウラノ】が【菜刀天子】にやろうとしたみたいに下克上されないようにだけ気をつけろよ!
それは安心だったり、あり得なかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】