1884話 大罪台座の挿入者
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【キズマイナ】と流刑次元を探索していたな。
【大罪魔】によるユニーククエストに導かれて来たのだが、何の成果もあげられなかった……
いや、調べるところなんて残っているのか！？
というわけでやって来ました流刑次元！
引き続き【キズマイナ】と探索しているわけだが、ぶっちゃけ昨日の時点でめぼしいところはほとんど調べ尽くしてしまっているんだよなぁ……
あとはというと……あそこしかないよなぁ？
俺は指を指しながら【キズマイナ】に俺たちが行くべき場所を教えることになった。
「ふひひっ、中央にある大穴ですかぁぁ？
でも前に【包丁戦士】さんがあそこに突入しようとしたらそのまま死に戻りさせられたって言ってませんでしたかぁぁ？
あてぃしはそんな呆気ない最期を迎えたくないですよぉぉ！」
そりゃ俺だって好きで死に戻りしたいわけじゃないんだが？
だが、前にあの大穴に突入したのは【大罪魔】を倒す前だ。
倒した後で変化があるかは確認してないし、試そうともしてなかったな……
俺なら何回も死に戻り出来るし突入してみるか！
スキル発動！【天元顕現権限】！
俺は黄金色に輝く天子の左翼をはためかせ飛び上がり、そのまま大穴へと突入していった……
【エリアアナウンス】
【世界罪剣の所持者の通行を確認しました】
【これから１分間、包丁次元の底辺種族の通行を許可します】
「【包丁戦士】さん、しれっと条件達成しちゃいましたねぇぇ！？
あてぃしも包丁次元の底辺種族なので今なら入れると思うので、とりあえず急いで飛び込みますよぉぉ！」
そうして飛び込んだ【キズマイナ】を空飛ぶ俺が抱え込みながら、ゆっくりと降下していくのであった……
そして大穴を降りていくとそこには巨大な空の台座のようなものが置かれていた。
「あれはなんですかぁぁ？」
これは多分【世界罪剣】の刺さっていた台座だろうな。
ただ、今は世界罪剣は分割されていてあそこにピッタリハマるくらいのサイズ感ではないけどな……
「とりあえずあてぃしの【底骸剣デュラ】を挿入してみますかぁぁ！」
【キズマイナ】は特に躊躇う様子もなく、自身の持つ【底骸剣デュラ】を台座に入れてみようとしていたが……
「ふひひっ、弾かれてしまいましたねぇぇ！
やっぱり対応してない世界剣種ではダメだったみたいですぅぅ！」
ワンチャンありそうな気もしたがダメだったようだ。
それなら俺が試すか！
というわけで俺は【正義剣ティル】を剣現させてそれを手に持つと、そのまま台座へとぬるっと入れていった。
「あっ、入りましたねぇぇ……」
そんなちょっと間抜けた発言の【キズマイナ】を余所に、俺たちの脳内に無機質な声のアナウンスが鳴り響き始めた。
【ワールドアナウンス】
【【正義剣ティル】が大罪台座に挿入されました】
【対応するレイドボスが包丁次元へ出現しました】
【流刑次元から包丁次元へのリソースの供給が強化されました】
【個人アナウンス】
【【包丁戦士】に称号【大罪台座の挿入者】を付与しました】
【称号の効果で【Bottom Down】！】
【【包丁戦士】の深度が154になりました】
「対応するレイドボスが包丁次元に出現したって言われましたねぇぇ？
これが【大罪魔】の狙いだったんでしょうかぁぁ？」
さあな？
どっちにしても【大罪魔】に報告しないとユニーククエストがクリアにならないし明日時間を作って会いに行くとしよう。
とりあえず俺がいないとダメだったわけだが、今回は【キズマイナ】の発想に助けられたな！
感謝してるぞ！
ふひひっ、ストレートに感謝されると照れますねぇぇ！
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
