1882話 供託されたリソース
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【キズマイナ】に【屍山血河城塞アンデッド】での調査進捗を聞いていたのだが特に俺の欲しい情報は見つかっていないらしい。
話を聞いた後俺も軽く探し回ってみたのだが、流石にそんなにお手軽に新情報は手に入らなかった……残念!
というわけでやって来ました【屍山血河城塞アンデッド】!
今日は魔王城で【大罪魔】に会おうと思って訪れてみたわけなんだが、【大罪魔】は玉座に座っていて眠っているようだった。
「ZZZ」
【上位権限】レイドボスが眠る様子を見るのはかなりレアなんじゃないのか……?
これまで全く見たことがなかったな。
「……それはあり得たり、あり得なかったりする……」
うわっ、起きたのか!?
さっきまでは寝てただろ……
そんな俺の様子を眠たげに見てきている【大罪魔】がそのまま口を開いて言葉を紡ぎ続けてきた。
「寝てるというよりはリソース節約だったり、復元中だったりする……
活動に必要なリソースを減らしてそのリソースを使って失われた身体を復元していたりするの!」
なるほどな。
動かないことこそ今の【大罪魔】にとっては地道な進捗を生む行動というわけか。
消極的行動ではあるが、停滞はしていないというスタンツだ。
罪魔種族陣営の勢力が著しく弱い状況なのでその足掛かりが見つかるまでは少しずつ力をつけていく……そういうのも悪くないか。
「でも、寝てたら何も見つからなかったりする……
【暴食】に色々と調べてきて欲しいの」
調べる……?
何を、どこを?
「それはもう知ってる場所なの。
流刑次元だったりする……」
あぁ、【大罪魔】を倒したところだな。
確かにあそこなら罪魔種族のヒントもあるかもしれない。
ただ、見返りはあるのか?
「それならこういう形だったら納得したり、しなかったりする……?」
【個人アナウンス】
【【ユニーククエスト 流刑次元で罪魔種族復興の手がかりを調査せよ】を受注しました】
【同行人として【勇者】の【キズマイナ】が指名されました】
【【勇者】の【キズマイナ】による承認がおりました】
【ユニーククエストの進行を許可】
【運営からの忠告】
【このクエストは失敗しても失うものはありませんが、成功することによって特別な報酬が与えられることがあります。】
【ユニーククエストは達成する前に状況の変化によって、クエストそのものが消失している場合もあります。
他の次元では発生しないことも考えられますので、この機会に世界を変えていきましょう!】
おー、ユニーククエストって形か。
何だか久しぶりにユニーククエストを受注した気がするな……
これなら報酬の確約が前段階でされるし、約定としては機能するな。
それにわざわざ【キズマイナ】を同行人として連れていけるようにしてくれたのはありがたい。
相当リソースを使っただろ?
「使ったり、使わなかったりする……
少しだけ【勇者】が負担してくれたの」
【キズマイナ】が?
あいつもお人好しだなぁ……
自分もそんなに潤沢にリソースを持っている【上位権限】レイドボスじゃないはずなんだがな。
「それはユニーククエスト達成の報酬として提示したものがそれに見合ったり、見合わなかったりするものだったりするからなの!
【勇者】もこれを提示されたら流石に動かざるを得なかったりする……」
つまり、【キズマイナ】も何か打算があって自分からもリソースを供託したわけか。
その報酬は俺が聞いてもいいものなら聞いてみたいが……
「それは【勇者】から直接聞くべき。
答えてくれたり、答えてくれなかったりする……」
答えてくれるかは本人にしか分からないってわけか。
そりゃそうなんだろうが、そう言われると俄然気になってくるよなぁ!
気になったり、気にならなかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】