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1879/2102

1879話 下衆の極み

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は草原エリアで【検証班長】の課題を【エッジ】と一緒に受けていたな。

 俺は論文チックな感想文を提出していたが、【エッジ】は戦術書の実践について率直な感想を書いていたようだ。

 こういうのは個性が出て、【検証班長】目線で見れば見ごたえがあるだろうなぁ……

 これ、完全に【検証班長】の趣味嗜好だろ! ……と思ったが突っ込まないでおいた。









 というわけでやって来ました山間部エリア……【陰翳斜陽院ソルナデン】!

 【タウラノ】が根城にしているエリアで隠しエリア扱いの場所ということもあり掲示板に情報が転がっていなかったのだが、とりあえずスタンプはあるだろうという算段をつけてきたわけだ。

 


 「あっ、【包丁戦士】さんが来てくれたよっ!

 ここには全然人が来てくれなかったから暇だったんだよっ!」



 俺を出迎えてくれたのは【ブーメラン冒険者】だった。

 ここのエリアで一番活躍しているのはお前だもんな。

 スタンプの担当者になるのも分かる。



 「それで【包丁戦士】さんたちは何個集めたのかなっ?

 ここはスタンプを4個以上集めたプレイヤーじゃないと課題が受けられないんだよっ!」



 へー、そんな縛りをかけているのか。

 俺と【エッジ】はそれぞれ10個のスタンプを集め終わってるぞ。


 それにしても、何でそんな面倒なことをしているんだ?



 「隠しエリア以外のところが活動の拠点として優れているから、まずはマイナーなところじゃなくてメジャーなエリアから回ってもらうように……ってことみたいだよっ!」



 みたい……ということは【ブーメラン冒険者】がかけたものじゃなくて【菜刀天子】からの条件というわけか。

 【風船飛行士】が難易度高めの課題にするように言われていたりしたから、その類いだろう。



 「そっちの人ははじめて見るけど【包丁戦士】さんのペアとして動いてる人だよねっ!

 私たちみたいな冒険者ギルドで活躍してそうな服装をしてるけど、冒険者ギルドは使ったことあるかなっ?」

 「蛇腹剣次元ではよく使っていたが、包丁次元に移籍してきてからはまだ数回だ。

 ……まずは活動するための設備などを集めて整備しなければならなかったのだ」

 「でも使ったことはあるんだねっ!

 それだったらこれからも私と会うことがあるだろうし、よろしくねっ!」



 冒険者ギルドは形は違えど、やはりどの次元でもメインコンテンツに該当するようなものらしく共通の話題になりやすいのだろう。

 とっかかりとしては無難な話題として出せるのはでかいな。



 「私からの課題はこのエリアにいる妖怪たちから呪符をもらってくることだよっ!

 方法は問わないけど、五枚持ってこれたらクリアだよっ!」



 五枚か……

 妖怪から呪符をもらうのがどれだけ大変か分からないが複数要求してくるのは他の課題と比べると難易度と手間が増えている気がするな……



 「……確かに」

 「それはそうだよっ!

 隠しエリアだからねっ!

 これくらいの難易度上昇は仕方ないんだよっ!」



 ……というわけで【エッジ】と二人がかりでまずは一反木綿から呪符をもらうのにチャレンジしてみた。

 

 ふんっ!

 俺は包丁を投げて一反木綿を壁に縫いつけることで身動きを取れないようにした。

 これで俺たちに呪符を渡さないと逃げられないよなぁっ!



 「これが包丁次元のMVPプレイヤーのカツアゲ術……リンゴやトランポリンの課題の時にも見た包丁投げをここでも有効活用するのは……流石だ。

 次は私の槍術を見せよう」



 そう言うと【エッジ】は鎌鼬の尻尾を槍で貫いて地面に固定していった。

 【エッジ】は槍を投げるのが得意というわけではないので普通に走って槍を振り下ろした感じだな。


 

 「これで2つ目。

 ……良心的なプレイヤーのペアでは使えない拘束術による迅速な処理だ」



 良心の欠片もないので妖怪が命乞いしてきても普通に奪い取っていってるからな。

 キルまではしてないけど。







 「……【包丁戦士】さんたち、中々壮絶な集め方をしてきたねっ!?

 これだけ早く五個集めてきたのははじめてかなっ!

 でも方法を問わないっていう条件だからクリアだよっ!

 スタンプをあげるよっ!」



 そうして無事にスタンプをゲットしたのだった……






 中々外道ですね……

 触れあえば普通に呪符を手渡ししてもらえる仕様だったのですが……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


  

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― 新着の感想 ―
まあ、スタンプラリーだから普通にしてたら普通に貰えるのは当然ですよね、、、
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