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1876/2201

1876話 コケシ職人

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【エッジ】と一緒に堅牢剣山ソイングレストで【トランポリン守兵】お嬢様の課題をクリアしてスタンプをもらっていたな。

 今回は俺も【エッジ】もどちらとも一発クリア出来たので比較的俺たちに優しい課題だったぞ!

 というか戦闘系プレイヤー優位って感じだ。







 というわけでやって来ました沼地エリア……無限湖沼ルルラシア!

 今回はここにスタンプを押させてもらえる場所があると聞いてきた。

 今までは行列が出来ていた場所だが……





 ここは行列じゃなくてあちこちに人が散らばっているな?

 どうしたんだろうか?


 そう思っていると俺の背後からヌッと現れて声をかけてきたやつがいた。



 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!」

 「……!?

 何だこのプレイヤーは?

 ……目の前に出てきたはずなのに気配が全く無かった」



 【エッジ】も【釣竿剣士】の気配消し技術に驚愕しているようだ。

 まぁ、気配察知では右に出るものがいないという自負がある俺ですら察知できないレベルだから当然ではあるが。

 というか、このタイミングで現れたということは【釣竿剣士】がスタンプを守護するプレイヤーというわけか。



 「そうですね。

 私は【菜刀天子】に金剛島海域エイプモンドの航路権を要求しました。

 どうやら【カニタマ】と交渉して追加入手が出来たようなのでこのイベントが終われば【紅蓮砂漠隊】だけではなく【釣り堀連盟】も関税がかからずに金剛島海域エイプモンドで釣りが出来ますよ」



 なるほど【釣竿剣士】はそれで【菜刀天子】に協力したというわけだ。

 正直これは高くついたんじゃないか……?

 とはいえ無限湖沼ルルラシアでの候補はそんなに多くないし仕方ないか。



 「それはいいが、ここでの課題は何だ?

 ……見たところ周りのプレイヤーたちは何かを作っているようだが」



 【エッジ】の指摘通り周囲に散らばっているプレイヤーたちは何かを作っている最中のようだ。

 ということは……



 「ここでの課題はこの場で私を納得させられる生産アイテムを作ることです!

 材料は【菜刀天子】から支給されたものがここに置いてあるので題材を自由に何かを作って持ってきてください」



 そこには木材や鉄材、食材など色々なものが配置されていた。  

 だからこんなに山盛り置かれていたんだな……

 これ、絶対宝物庫から引っ張ってきた素材だろ……









 「というわけで【包丁戦士】さんはやはり料理でしたか。

 これは予想通りですね」



 まぁ、俺は料理系生産プレイヤーだからな。

 今回はリンゴを使ってタルトタタンを作ってみたぞ。

 ご丁寧に調理器具や設備まで奥の方に設置してあったから気軽に作れたのが大きいな。



 「味は……見事な出来ですね。

 文句無しの合格です」

 「ふむ、せっかくなので私もいただこう。

 ……これは、美味!?

 まさかここまでクオリティの高い料理を作れるプレイヤーがプレイヤーキラーでMVPプレイヤーだとは信じられない」



 【釣竿剣士】は予定調和という顔をしていたが、【エッジ】は予想以上に驚いてくれていた。

 それくらい驚いてくれると作り甲斐があるというものだ。


 それで【エッジ】が手に持っているものはまさか……



 「そう、私が作ったコケシだ。

 ……生産品全般は苦手だが、リアルでコケシだけは作っているから得意なのだ」



 リアルでコケシを……?

 いや、詮索は止めておこう。

 だがリアルで作っているだけあってクオリティはかなり高いな。



 「これは私の世界にはない……木工の人形ですか?

 【包丁戦士】さんが知っているということはそちらの世界ではある程度知られているものでしょうけど」



 そうかお前の住む異世界にはコケシはないのか。

 まぁ、その認識でいいぞ。

 それで異世界人から見てそのコケシのクオリティはどう思う?



 「これは満足のいく品ですよ!

 単純な造形に見えて作り込みが凄いですからね。

 通が好みそうな逸品ですよ」

 「お褒めに預かり光栄だ」



 というわけでここでもスタンプを2つゲットした俺たちなのだった。





 意外な一面が知れましたね?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


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