1870話 正義に目覚める
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【大罪魔】による俺への【正義】の強制育成促進のために、ひたすら攻撃を受け続けていたな!
あそこまで連続して死に戻りするのは久々だが、このボトムダウンオンラインでのプレイヤーの人権のなさを思い知る感じになった。
相変わらずだが命が軽すぎる……っ!
というわけでやって来ました……【屍山血河城塞アンデッド】!
ここで続きで【大罪魔】に攻撃してもらうぞ!
「【虚飾宝飾】!」
死に戻り……
したわけなんだが、ちょっとここで疑問が出てきた。
なんかずっと【虚飾】スキルしか使ってなくないか?
前は他の大罪スキルも満遍なく使ってた気がするんだが……
俺がそう呟くと【大罪魔】が何を今さら……と言わんがばかりの呆れた表情で俺の疑問に答えてくれた。
「それは私が【『sin』虚飾大罪を司る悪魔】になったからなの。
他の大罪のスキルは今は使えなかったり、制限されてたりする……
だから【虚飾】で攻撃するしかないの」
なるほどな。
【虚飾】スキルしか使ってこなかった理由がよく分かったわ。
俺が渡した【虚飾】の因子しか機能してない状態というわけだ。
本当に【『sin』虚飾大罪を司る悪魔】というレイドクエスト名通りの性能になっているんだなぁ……
でも、そのせいで身体強化系の大罪スキルばかりなので俺が拳で殴られてばかりなのが辛い……
まだビームとかそういうのが混ざっていたほうが気持ち的には楽だったんだが、拳で殴られるのは精神的にクルものがある。
「その状態なら大丈夫なの!
次で……【虚飾魔王】なの!」
そうして死に戻り……
【個人アナウンス】
【【包丁戦士】に称号【『sin』正義の勇足】を付与しました】
【【包丁戦士】にスキル【正義勇足】を付与しました】
【称号の効果で【Bottom Down】!】
【【包丁戦士】の深度が152になりました】
【【包丁戦士】に称号【『sin』正義の勇鎧】を付与しました】
【【包丁戦士】にスキル【正義勇鎧】を付与しました】
【称号の効果で【Bottom Down】!】
【【包丁戦士】の深度が153になりました】
うおっ、急に大罪称号二つと大罪スキル二つが生えてきたぞ!?
こんなにスムーズに大罪って進むものなのか!?
「そうだったり、そうじゃなかったりする……
既に捕食で手に入れていた【『sin』暴食の捕食:正義の勇鎧】と【『sin』暴食の捕食:正義の勇足】が消化されて身体に馴染んだ形だから早くなったの。
だから大罪称号と大罪スキルの名前もそのままだったり、変わってなかったりする……」
そういう理屈か!
元々奪ってきた因子を基軸に育てた……みたいなイメージだろうな。
まさか【『sin』暴食の捕食:】称号にこんな使い道があったとは。
今まで【大罪魔】を渡すくらいしか意味がないと思っていたが、俺自身にもメリットがあるものだったのはありがたい話だ。
これで念願の【ランゼルート】対策が出来たというわけだ。
【大罪魔】の攻撃で死にまくった甲斐があるってわけだな!
「そうだったり、そうじゃなかったりする……
この場所じゃないと出来ない方法だったけど、上手くいってよかったの。
地上だと同じことをやろうとしても効果が上手く発揮しなかったりする……」
なるほど、この魔王城だからこその裏技みたいなものか。
【大罪魔】相手に大罪スキルで死に戻りさせられたことは過去に何度もあったが、特に何も起こらなかったしな。
「これで私の当面の役割が終わったり、終わらなかったりする……
力の行使し過ぎで疲れたの……
しばらくはゆっくりしたいの」
あぁ、そうしてくれ。
俺の強化が出来た以上、あとは俺自身がどう戦いを組み立てるかって話になってくるからな。
大船に乗ったつもりでいてくれよな!
泥舟だったり、沈没したりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】