1869話 死にまくり!
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【大罪魔】を説得していたな。
自力で大罪を育てろということを言われたが、俺の成長促進をすることで【大罪魔】自身にも大きなメリットがあることを示してなんとか説き伏せることに成功した。
わりと強情だったが、なんとか上手くいってよかったぞ……
というわけでやって来ました……【屍山血河城塞アンデッド】!
ここの魔王城で待ち構えていた【大罪魔】と合流したわけだ。
「ようやく来たり、来なかったりする……
もう一回確認だけど、育てたいのは本当に【正義】だったりする……?」
あぁ、女に二言はない!
今回は【暴食】じゃなくて【正義】を優先させると決めているからな!
「よかったり、よくなかったりする……
それで、具体的にどういう風に【正義】を育てたいとか決まってるの?」
そうだな……
【ランゼルート】の攻撃を一瞬でも完全に無効化出来るようにするか、逆に【ランゼルート】に一瞬で大ダメージを与えられるようにしたいな。
広範囲とか、長時間みたいな安定性は俺には不要だ。
縛りを強めてでも一瞬の出力を上げて【ランゼルート】に対抗できる可能性を上げておきたいからな!
「それだったら話が早かったり、やりやすかったりする……」
おっ、そうなのか!?
それなら俺にも都合がいいな。
やりやすいなら俺にとってメリットしかないじゃないか!
これはしめたものだ!
「大変だったり、人によっては難しかったりする……
でも、【暴食】なら大丈夫なの!」
んん?
なんか話の流れが変わったな?
まだ抽象的なことしか聞いてないから安心していいのか分からなくなってきたぞ……
早くどうすればいいのか教えてくれ。
「それはシンプルだったり、分かりやすかったりする……
大罪の力を帯びた攻撃を何回も身体で受け止めたらいいの!」
おいおい、それは俺にサンドバッグになれってことか?
俺は射的の的じゃないんだが?
「大罪の攻撃を受けて体内に抵抗力を生み出すの。
【正義】の力ならそういった反骨精神が原動力になったりする……」
ちっ、そういうことか。
妙に理屈として正論に聞こえるから多分少なくとも間違ってはいないんだろう。
だが、この場合大罪の力を行使する側って……
「私だったりする……」
だよな……
お前の攻撃を身体で受けたら大体一撃で俺は死に戻りしてしまうだろう。
だから俺は何回も死に戻りしながらこの【大罪魔】による特訓を受けないといけないことになる。
確かにシンプルで分かりやすいが、人によっては大変だったり難しかったりするよな。
そして、【大罪魔】からしてみれば俺なら問題ない方法だと判断したことになる。
ここで逃げたら俺が自ら成長の機会を手放すということになってしまう……
正直嫌すぎるがやむを得ないし、サンドバッグにしてくれ!
「覚悟が決まったり、諦めてたりする……
それならさっそく死んでもらうの!
【虚飾粉砕】なの!」
そうして【大罪魔】によってボコボコにされた俺は死に戻りすることとなった……
「【虚飾絢爛】なの!」
死に戻りして……
「【虚飾栄光】なの!」
死に戻りして……
「【虚飾光明】なの!」
死に戻りして……
「【虚飾美儚】なの!」
死に戻りした……
死んでから毎回ここにワープしてくるのがかなり億劫なんだが!?
目の前の相手に勝つために死に戻りするならリベンジ精神で負けん気が発生するからモチベーションが上がることもあるんだが、今回は【大罪魔】にサンドバッグにされて死に戻りするだけの作業だからな。
いくら俺自身の成長のためとはいえ、流石にヤル気が激落ちだ。
とりあえず今日はこれくらいでログアウトしておこう……
根性があったり、なかったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




