1868話 リソース換算案
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【キズマイナ】と俺が伸ばすべき力についての討論をしていたな。
あの後普通に探索とかもしていたが、特に収穫もなく終わったので語るべきことでもない。
とにかく、そろそろ【ランゼルート】に対するメタスキルの一つや二つは確保しておきたいものだが、次の次元戦争までに間に合うか……???
というわけで来ました……【屍山血河城塞アンデッド】!
とりあえず自力で探しても埒が明かないと思ったので修道女姿の【大罪魔】に聞きに来た。
【正義】の大罪の育て方とか、【正義】スキルの手に入れ方を教えてくれよ!
「【正義】……?
そういえば【暴食】に【正義】も内包されていたり、いなかったりする……
流刑次元の私を倒した時に手に入れたの?」
そういうことだな。
だが、【暴食】に続いて【正義】もびくともしてないんだよな……
せめてスキルの一つくらい差し出してくれても良かったものを……
「それは強欲だったり、傲慢だったりする……
自分の力は自分で手に入れるべきなの!
それが自分自身の欲をさらに強力なものへと肥大化させていくの」
欲望の連鎖というやつか?
確かに【ロイス=キャメル】とかは勝手に自分の大罪を成長させていっているし、その理屈にピッタリ合うのだろう。
だが、俺はそうもいかないんだよな。
【暴食】は伸ばし方が違うと突っ込まれているし、【正義】なんて伸ばし方の方針すら見つからない。
このまま放置していても全く芽がないだろうよ。
「【暴食】はまだなんとかなったり、ならなかったりする……
でも【正義】はこのままかもしれないの。
私としてはそれでも良かったりする……」
【正義】は大罪の中でもお前の天敵でもあるからな。
そりゃそのままの方が都合がいいのはわかる。
だが、それでも俺は【ランゼルート】に対抗する手札が欲しいんだ。
それに、包丁次元が勝てば次元全体にリソースが流れ込んでくるから俺を勝たせるのはお前にもメリットがあるはずだろ?
この閉じた箱庭の中でリソースをやりくりするよりは、外からのリソースを引き込めるタイミングでどんどん供給し続けられるようにするのは悪い話じゃないはずだ。
「そうだったり、そうじゃなかったりする……
確かに私が使えるリソースは増えるけど、それは他の種族の【上位権限】レイドボスたちが使える量も増えるの。
それだと勢力図は動かなかったりする……」
勢力図か。
そこは本来気にすべきところなんだろうが、今のお前にとってはそれ以上に気にすべきところがあるはずだろ?
「それは……?」
それはお前自身の身体の復元だ。
それがある程度進まないと勢力図のひったくれもないだろ!
その状態で他の【上位権限】レイドボスたちに喧嘩を売れると思ってるならボマードちゃんもビックリな頭お花畑状態ってことになるぞ?
「そうだったり、そうじゃなかったりするかも……?
私自身の復元をそのリソースで進めるっていう発想は無かったの!
そのアイディアは使わせてもらったりする……」
おお、そもそもそれを考えに入れてなかったのか。
それならある意味納得も出来るが、何で勘定に加えなかったんだ?
「このエリアの強度を上げることに専念しようと思ってたの。
ここは隔絶されてたり、供給が少なかったりする……
どうしても、訪れるプレイヤーが少ないエリアは回されるリソースが減らされるの。
それに上の堅牢剣山ソイングレストに別の【上位権限】レイドボスが居座ったせいで、そこでリソースが搾り取られてたりする……」
あぁ、【熱狂剣山の地霊鉱爵】のことか。
あいつが流れを変えていたというわけだ。
それならこのエリアにリソースを回したいという【大罪魔】の意見にも説得力が生まれる。
エリアを統括するのも難しかったり、やりくりが必要だったりする……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】