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1866/2201

1866話 勇者と悪魔の邂逅

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【大罪魔】の後悔について聞いていたな。

 わりと切実な感じではあったが、過去のことを変えられるわけじゃないのでそこは本当に話を聞いてやることしか出来なかった。

 だが、向こうもそれは分かっていたので弁えた上で愚痴を俺に漏らしていた感じだったな!







 というわけでやって来ました【屍山血河城塞アンデッド】!

 ようやくエリアの名前をまともに呼べたのが気持ちいいなぁ。

 


 「それで【包丁戦士】さん、昨日エリア名称を明らかにしたアナウンスが流れたわけですがその前に流れた【大罪魔】復元のアナウンスが影響しているんですかぁぁ?

 あてぃしがこの辺りを探しても【大罪魔】の姿は見つからなかったんですけどぉぉ!

 どこにいるんですかぁぁ!?」



 俺は一人で探索していた【キズマイナ】に会っていた。

 どうやら【キズマイナ】は【大罪魔】とまだ会っていないらしい。

 勇者であってもそこは調べきれていないようだ。


 ふふふ、お前の力も万能ではないようだな!

 俺の経験による技術が【上位権限】レイドボスを上回るというのは気持ちいいものだ。



 「ふひひっ、茶化さないでくださいよぉぉ!

 あてぃしが万能じゃないのは【包丁戦士】さんがよく分かっているじゃないですかぁぁ!」



 ……まぁな。

 お前とはそこそこ付き合いが長くなってきているし、特訓にも付き合っていたくらいだからな。

 その辺りは一応分かってるさ。


 【大罪魔】は魔王城の地下にある玉座に座ってるぞ。

 




 「……というわけであてぃしが来ましたぁぁ!」

 「勇者だったり、深淵の力を司っていたりする……

 勇者の助力があったのなら【暴食】がここまで来れたのは納得なの!

 ここには私の力を分け与えた勇者の同胞たちもいたり、いなかったりする……

 その様子だともう支配下に置いたりした?」

 「そうですねぇぇ!

 あてぃしの庇護下にいますよぉぉ!

 今は誰の庇護下に居ないみたいでしたからちょうど良かったですぅぅ!

 ……成れの果てみたいでしたけどぉぉ」



 【キズマイナ】ははじめ魔王城に乗り込むときにはカチコミのような雰囲気を出していたから心配したが、会わせてみたら普通に会話をしていたので安心したぞ……



 「【包丁戦士】さんから聞いた聖剣次元の勇者の【ランゼルート】は【正義】の大罪を烙印されているので【大罪魔】との相性も悪そうですけど、あてぃしはあくまでも深淵種族の討滅が宿業に刻み込まれているだけですからねぇぇ!

 相性がいいとは口が裂けても言えませんが、悪すぎというわけでもないんですよぉぉ!」



 それは前にも何処かのタイミングで聞いたことがある気がするな。  

 


 「それに、形はどうあれ庇護を求めたあてぃしたちの同族たちを引き受けてくれたことに感謝しているんですよぉぉ!

 受け入れないという選択肢もあったはずですからねぇぇ!

 成り果てた姿ですが、一応存在はしているのでその点だけは功績として胸に刻んでおきますよぉぉ!」

 「感謝されたり、されなかったりする……

 欲を求める感情が私に心地よかったから引き受けたまで、そんなに特別なことはしてないの」



 まぁ、大罪って欲求が行きすぎたものだからな。

 その点、βプレイヤーたちの感情の揺れというのは【大罪魔】にとって都合のよい物だったのだろう。

 だからこそ、気まぐれとはいえ底辺種族のβプレイヤーをこの本拠地……【屍山血河城塞アンデッド】へ連れてきたという筋書きか。

 

 動機もわりとあったし、納得しやすいな。

 


 「それで、これからはどうやって過ごすんですかぁぁ?」

 「決まってたり、まだ決めきれてなかったりする……

 時間はあるからゆっくり考えてみるの。

 焦るつもりはなかったりする……」

 「それならばあてぃしが敵対する必要も無さそうですねぇぇ!

 ここにはあてぃしの同族たちが過ごした痕跡がまだまだいっぱいあるのでしばらくは滞在しながら想いに浸らせてもらいますねぇぇ!」

 「自由にするといいの」



 とりあえずこれから穏便に済みそうで俺は胸を撫で下ろすことが出来た。

 ……そこ、撫で下ろすような胸が無いとか言うなよっ!?






 あったり、なかったりする……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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