表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1860/2104

1860話 視野の広さと考え方の切り替え

 ちなみに、さっきの【上位権限】で他に呼び出せるプレイヤーの復元体はどれくらいいるんだ?

 骸骨兵も呼び出せるだけ充分戦力になってくれているみたいだが、流石にあの【フェイ】や【フランベルジェナイト】みたいな一騎当千級の駒にはなれていないからな。

 数を増やせるならそれに越したこと無いと思って聞いてみたわけだ。



 「ふひひっ、そうですねぇぇ……

 出来るには出来るんですけどぉぉ……」



 ん?

 どうした?

 【キズマイナ】にしてはやけに歯切れが悪いな。

 普段は何だかんだはっきり回答してくれることが多いのに、今回は何か渋っている様子だ。



 「どちらにしても今回はこの二体が限度ですねぇぇ!

 あてぃしが【上位権限】行使に慣れていないのと、前準備が足りてないですぅぅ!

 あと、他のスキルのクールタイム回転に影響が出るのであまり使いたくないのもありますよぉぉ!」



 ……そういうことなら仕方ないな。

 ただ、手抜きはするなよ?



 「な、なんのことは分からないですねぇぇ……」



 まあ、【キズマイナ】も【キズマイナ】なりに手は尽くしてくれているようだが手札を意図的に隠し持っているのは見え見えだ。

 多分だが、いつか【深淵域の管理者】としての俺と【勇者】として対峙する機会があった時のために備えているのだろう。

 【勇者】としての宿業から逃れるためにはいつかそうする必要があるから、そのための仕込みをしておくのは何も悪いことではない。


 むしろ、それが分かっているのに今回協力してくれただけマシというものだ!



 「……っ、【包丁戦士】さん!

 城塞が見えてきましたよぉぉ!

 本当にここが【特異次元 死屍累々城塞バンデッド】という場所の元になった場所なんですねぇぇ!」



 俺も正直疑っていたのだが何とか当たりを引けていたようだ。

 だが、あそこまでまだ距離があるし油断せずにいこう!



 「了解ですぅぅ!」

 「盛り上がっているところ悪いが、そろそろ我らのリソースが尽きるようだ。

 ミチ半ばで離脱するのは無念だが、フェイたちの助けとなれたなら悔いはない」

 「もう1人の俺……ここまで来てしくじったら許さないからな?

 死んでも……いや、死なずにたどり着けよ!

 いいな!(ぼそっ)」



 ここで【フランベルジェナイト】と【フェイ】が爆発的に燃やしていたリソースが枯渇してその身体が分解されていっている最中だった。

 激励を飛ばしながら消えていく二人を後にして俺と【キズマイナ】、そして残っている骸骨兵たちがあと少しの距離にある城塞内へと進んでいくこととなった。


 





 「スキル発動!【底辺土葬】ですぅぅ!」



 あと少しというところで再びミチいっぱいになってしまったゾンビたちを振り払うために【キズマイナ】が広範囲攻撃を行い、文字通り切り開いていった。

 よしっ、あとは俺に任せろ!



 スキル発動!【魚尾砲撃】!

 極太レーザー八本お見舞いしてやるからなっ!



 俺は城塞前にたむろしていたゾンビたちを消し飛ばしつつ、【キズマイナ】たちを先導する形で城塞の目の前まで到達することが出来た。






 ……いや、出来たんだがどうやって入るんだ?

 


 「ふひひっ、どうしますかねぇぇ……

 どこかに入口があるんでしょうかぁぁ?」



 お前も分からないのか……(困惑)

 このエリアに入ってくる前の条件は見切ってたからここのも分かると思っていたんだが……

 どうすんだよ……



 「ああっ、骸骨兵たちがこの隙にやられちゃいましたぁぁ……」



 奴らは犠牲になったのだ、俺たちの命のためのな……

 とりあえず骸骨兵たちの二の舞にならないように守りを固めておくか。



 スキル発動!【魚尾砲撃】!


 

 俺は毒球を周囲に撒き散らし、毒沼を擬似的に生み出していった。

 これでしばらくは近くに発生するゾンビは自壊していくだろう。


 この間に打開策を考えるか……



 「そんなことを言われても急には思いつきませんよぉぉ!

 【包丁戦士】さんこそ、しれっと何か思いついていたりするんじゃないんですかぁぁ!」



 ……まぁな。

 とりあえず上に飛んでみないか?

 城塞の上からなら侵入出来そうじゃないか?

 幸いにもこの周辺の上空には何故かゾンビが発生してないみたいだし。



 「そう言われてみるとそうですねぇぇ!?

 あてぃしは言われるまで気づいてなかったんですけど、【包丁戦士】さんよく気がつきましたねぇぇ!」



 まあ、その辺の観察力はある程度あるからな。

 というわけで俺は先にフォームチェンジをさせてもらおう。

 スキル発動!【天元顕現権限】!



 俺はバニーガール服からさらに黄金色の左翼を生やして上空へと浮かび上がった。

 【キズマイナ】も連れて飛ぶか?



 「いえ心配には及びませんよぉぉ!

 この高さなら……ジャンプでいけそうですぅぅ!」



 そうして【キズマイナ】は一飛びで城塞の真上まで跳躍していってしまった。

 その力があるのに飛び越える発想が無かったのが謎だが、とりあえず問題なく行けそうだな!

 ヨシッ!






 ふひひっ、自分の今の力と前までの力の差で考え方が切り替えきれてないからですねぇぇ……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ