1854話 次の……目的地
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【キズマイナ】に【コラテラルダメージ】に新規メンバーが加入したことを伝えに行っていたな。
自分の古巣に新しいメンバーが入ってきたことを知らないままなのは流石に可哀想だと思ったからな。
あとついでに別件についても話しておいた。
これで今後動きやすくなることだろう。
というわけでやって来ました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレスト！
引き続き【キズマイナ】と行動を共にすることになっている。
「それでまず何をするつもりですかぁぁ？」
そうだな……
とりあえずは地下を目指すぞ。
俺が見つけたいのは【死屍累々城塞バンデッド】のベースとなった場所だ。
そんなものがあるなんて俺は知らなかったが、【山伏権現】からそこを目指せという指示を受けているからな。
流石に胡散臭い【山伏権現】といえど、存在しない場所を目指せなんて言ってこないだろう。
「それは分かったんですど、なんでそれにあてぃしが同行することになるんですかぁぁ？
そういう探索なら【包丁戦士】さんが一人で動いた方が早いと思うんですけどぉぉ！」
そう、俺はトレジャーハンターだからな。
遺跡とか廃墟みたいなところの調査や探索なら基本的には俺一人でやった方が早いことが多い。
だが、ここまで見つかっていないとなると入口が封鎖されている可能性が高い。
だからこそ、質量の高い攻撃を繰り出せるお前の力を借りれたらいいと思ってな。
「……それだけですかぁぁ？」
俺がもっともらしい理由を口にしたのだが、それに納得しなかった……というか俺の裏を読んできた【キズマイナ】がさらに突っ込んできた。
珍しいな……
「だって質量攻撃だけなら他にも方法がありますからねぇぇ！
ですが、あてぃしをわざわざ頼りにするなら他にも理由があると思ったんですよぉぉ！」
なるほどな。
それなら他の理由たちについても話しておいてやろう。
まずはお前の持つ【上位権限】だな。
エリア移動制限がかかっていないのと、プレイヤー同様の利権を得られるからこその開拓能力の高さがある。
……つまり自由度が高いってことだ。
何かしらの作用に期待できるだろう。
そして、【死屍累々城塞バンデッド】にはゾンビが大量にいた。
だからこそ、お前の骨を操る力……ability【粉骨再身】に期待しているのが一番本命だな。
そのabilityでゾンビを直接抑えられるなら一番理想で、無理だったとしてもお前が生み出す骨兵で対抗できるだろうからな。
「【上位権限】の方はついでみたいですけど、ability【粉骨再身】の有用性に賭けているなら納得できますねぇぇ！
abilityはあてぃしに付随してますから代えが利かないですからねぇぇ！
【勇者】としててではなくて、あてぃしそのものを必要としてくれているのならなおのことやる気が出ますよぉぉ！」
そう言ってもらえるとありがたいな。
俺としてもお前を頼らざるを得ないと思っていたからこうやって承諾してもらえたのが本当に助かる。
断られたらどうしようかと途方にくれることになっていただろうしな。
「ふひひっ、大船に乗ったつもりで任せてくださいよぉぉ！
あてぃしの力の可能な限り最大限まで使って活躍しちゃいますねぇぇ！」
それは期待大だな！
本当に頼むぞ……っ！
大暴れするのは止めてくださいね。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
