表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1850/2202

1850話 ハリネズミ特訓

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【ハリネズミ】たちの不満を聞いていたところだったな。

 【ハリネズミ】たちの中でも実力が抜けている2つ名持ちプレイヤーの【尺八僧侶】を主軸にして戦術を組み上げ、特訓してやることになった。







 というわけでやって来ました海エリア……魔海城船アンサンセの上!

 秘密特訓ならやっぱりここでやるのが一番だよな……

 広いし、周りからの干渉も少ないので安心して特訓が出来るというわけだ。


 

 「でも船が揺れてますよ?」

 「船自体が大きいからそんなに気にならなくね?」

 「でも地上と感覚が違うし……」



 熟練者がさらに極めるための特訓ならその辺りは確かに気にした方がいいだろう。

 だが、お前らの場合はそこの違いが気にならないくらいの大雑把な仕上げが目的だから今気にしても仕方ない。

 つべこべ言わずにさっさと並べ!

 お前らにざっくりとした戦術というものを叩き込んでやる!



 「拙僧が主軸ということですが、如何様に?」

 


 お前はとりあえず一旦そこに立っておけ、【ハリネズミ】たちの中心から少し後ろくらいにいることを意識して動くんだ。

 レイドボス相手ならもっと後ろの方がいいんだが、【マリシャス】のようなプレイヤー集団相手だと後ろにいると孤立させられて逆にそこを狙われてしまうだろう。


 お前はチュートリアル武器の尺八による演奏の音色でバフをかけて戦う関係で近くに味方がいると都合がいいのもある。

 攻防一体の立ち位置がそこになる、覚えておけよ!



 「なるほど」

 「モンスター相手か、プレイヤー相手かで違うんすね」

 「すげー!」



 次に侍モブ!

 お前は右側の最前線にいるべきだ。

 右利きで日本刀がチュートリアル武器ならそこが一番いいだろう。

 相手からの攻撃を受けやすいからな。

  

 攻撃力が高い戦い方ならもっと別の立ち位置があるんだが、侍モブはやけに生存能力が高いからな。

 イベントやレイドバトルでも結構最後の局面まで生き残っていることがあるし、それは才能だ。

 それを活かして自分だけじゃなくて集団を生き残らせることができる場所で陣取るのがいいだろう。



 「拙者、生き残りに自信アリ侍。

 最前線で皆を守るで候」

 「お前もっと頑張れよな~」

 「ロールプレイしてるんだし、侍っぽい格好いいところ見せてくれよ」



 侍モブは他の連中から軽く弄られていた。  

 ああやって場を盛り上げるタイプなのだろう。 

 そういうプレイヤーが最前線にいると士気が上がるというものだ。



 あと残りのメンバーは……盾系チュートリアル武器プレイヤーは最前線に、攻撃系チュートリアル武器プレイヤーは中陣に、リーチの長い攻撃系チュートリアル武器プレイヤーは【尺八僧侶】の前後に配置だ。

 これがお前たちの現状の配置だ!

 

 ただ、理屈で分かっていてもここから戦闘中になると話が変わってくる。

 相手も味方も動き回る中でどれだけその立ち回りをすることを念頭に置けるかが鍵になるだろう。


 そのための特訓だな。

 さあ、俺相手にやってみろ!








 そうしてやらせてみたが、案の定上手くいかなかった。

 はじめは何とかなるんだが、俺が少しかき乱してやると連携がメチャクチャになってしまい【ハリネズミ】同士でぶつかり合いになってしまっていたのだ。

 ……まぁ、エンジョイ勢プレイヤーにいきなり連携を完璧にやれなんて言わないが。


 とはいえこれが出来るようになってようやく【マリシャス】と戦える最低限のラインだろう。

 これが出来るまでは勝負を挑むなんて無謀なことは止めてくれよな。



 「了解す」

 「いや、これむっず!」

 「他のクランもこんなのやってるのか!?」

 「やば……」



 他のクランの全部がこれをやっているわけじゃないだろうがな。

 ただ、他のトッププレイヤーがいるクランは少なくとも似たようなことをしているはずだ。


 実際俺だって【フランベルジェナイト】、【バットシーフ】後輩、【骨笛ネクロマンサー】の三人に仕込んでいたくらいだからな。

 お前らには不要と思ってやってなかったけど。






 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ