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1847/2201

1847話 マリシャスのエッジ

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日はクラン【コラテラルダメージ】への新規加入メンバー集団【マリシャス】を紹介していたな。

 





 というわけでやって来ました沼地エリア……無限湖沼ルルラシア!

 ここで【ハリネズミ】や【マリシャス】を含めた【コラテラルダメージ】メンバー全員を集めているわけだが、【マリシャス】メンバーたちのプレイスタイルを見てもらうためだ。

 


 「ちなみに【マリシャス】のクランリーダーって誰なんッスか?」

 「私だ。

 ……名を【エッジ】という」



 そう言うと【マリシャス】の中から一人の女が前に歩み出てきた。

 荒くれ者なような服装でバンダナのようなものを頭につけている。

 【マリシャス】の他のメンバーも似たような服装なので、ある意味分かりやすいな。

 そして、その手には鋭利な刃がついた槍が握られていた。

 短刀が先についたものだから菊池槍だな!


 それにしても槍使いか……メジャーな種類な割には俺の周りに使い手がいなかったタイプだな。

 竹槍使いなら何度も見てるが……


 というか、この【マリシャス】のメンバーって槍使いしかいないのか!?

 他の連中も背中に背負っていたり、手に持っていたりするものが全て槍だった。



 「形状は異なるが。

 ……槍で相違ない」



 それは知らなかった……



 「【包丁戦士】さんも全部知った上で連れてきたわけじゃないんですね?

 いや~、チュートリアル武器統一クランって包丁次元でもそんなに数が無いので驚きですよ~!」

 「ガハハ!!!

 拘りを感じるな!!!」



 まぁ、武器種類がやけに散らばるのがこのボトムダウンオンラインというゲームだからな。

 それで槍使いだけを集めたのは苦労しただろう?

 

 

 「同志が自然に集まったのだ。

 ……さほど苦労はしなかった」



 それはそれで凄いけどな。

 俺だって包丁使いを見かけたとしてもそれで集まろうなんて考えなかったし。

 


 「それで君たちは何が得意なんだ?

 俺としてはこのクランに入れるほどのメリットがないと賛同しかねるからね。

 有象無象なプレイヤーが入っても取りまとめるフェイちゃんの負担が増えるだけだよ」



 【フランベルジェナイト】はあくまでも俺の役に立つかどうかの判断基準らしい。  

 そういう違う視点のやつからの評定をもらうためにクランメンバー全員を呼んだわけだから、自由に見てもらえるのが俺としても助かる。

 


 「私たちクラン【マリシャス】は集団戦闘を得意としている

 ……では、かかってきたまえ」



 そう言うと【フランベルジェナイト】と【マリシャス】メンバー全員がメニュー画面にある決闘機能を起動して周りから邪魔が入らない状態を作り上げた。  

 俺視点だとプレイヤーキル前提なのでこの機能はほぼ使われないが、普通は対戦する場合によく使われているらしい。

 俺は【風船飛行士】とはじめて戦ったときに使ったっきり使用してないな……



 【エッジ】たちクラン【マリシャス】のメンバーが一斉に槍を構えはじめた。

 それを見た【フランベルジェナイト】はその挑発に応じてチュートリアル武器のフランベルジェを抜いて斬り込んでいく。

 お互いに暗黙の了解でスキルを使用していないのは、おそらく純粋な戦闘能力を見たい、見せたいという意図が通じあったからだろうな。


 

 「総員、乱刺の陣を敷け!

 ……迎え撃つ」



 【エッジ】の指令によりそれぞれバラバラだった構えを統一させて意味ある……規律あるものへと変化していった。

 それを【フランベルジェナイト】が一つ潜り抜けてフランベルジェを振り抜き一人の首をハネる。

 流石包丁次元の実力者として名前が挙げられるほど成長しただけあって、【フランベルジェナイト】の身のこなしはもはや一流だ。

 


 剣を振り抜いた直後の【フランベルジェナイト】の隙を狙い槍が次々と襲いかかっていくが、それを逆手に取り槍を伸び終えた状態にして相手の懐へ潜り込む【フランベルジェナイト】。

 そして次の瞬間には三人の首が地に落ちていた。


 

 「これでは敵わない。

 ……お前たちは下がっていろ、私が出る」



 モブプレイヤーを何人けしかけても無駄に終わると判断した【エッジ】は自分一人で戦う判断をしたようだ。

 むやみやたらな犠牲は出さないつもりだろう。



 「いい判断だね。

 悪いけど俺を倒すには少なくとも同じ人数でこの練度の倍はないと無理だからね」






 続きます。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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