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184話 反省会

【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】



 はい、というわけで戻ってきました。

 新緑都市アネイブルにある王宮に転送されてきたわけだ。


 一ヶ月ぶりくらいにこのアナウンスを聞いた気もするけど、そんな長い時間次元戦争が続いてたわけもないので気のせいだろう!

 気のせいだ!



 「レイドボスを三体倒したのに攻略失敗していましたよね……?

 生産プレイヤーとして納得できません……むむぅ……」


 【釣竿剣士】が珍しく頬を膨らませながら唸っている。

 そこまで感情的に拗ねる姿は今まで見たことがなかったので、新鮮な光景ではある。


 まあ、拗ねているのは俺も同じだが。

 クリアしたと思ったものが、実は失敗していたとか不満に決まってるだろ!


 「おや、レイドボスの討伐に失敗した劣化天子の【包丁戦士】ではないですか。

 ノコノコと戻ってきたようですね?

 やはり劣化天子には荷が重かったですか……」


 次元戦争を終えて戻ってきた俺たちを辛辣な言葉で迎えたのは、黄色髪の美形天子の【菜刀天子】だ。

 不満げな表情と、ねぎらいの感情が混ざったような、なんとも言い難い表情を浮かべている。

 誉めるか貶すかの狭間で揺れている、そんな感じだろう。



 というかレイドボス倒したんだが???

 倒したのに失敗扱いされただけなんだが???


 俺は理不尽な思いを【菜刀天子】にぶつけた。


 「……やはり気づいていなかったようですね。

 実は三体のレイドボスを倒した後に、三体の力が集まった真のレイドボスが現れていたのですよ。

 劣化天子や底辺種族が集まっているだけのイベントエリアでは出現した時点で時間がもう残っていなかったようですが……」


 ……そういうギミックがまだ残ってたのか。

 レイドクエストのアナウンスに【実態は1つに有らず】【全てが離れ】【全てが交わる】っていうバトル中に分からなかった項目がここに繋がってくるってわけか。

 あそこまでのギミックを時間内にクリアするのってクソゲーにも程があるぞ。

 流石はプレイヤーに人権のないゲーム……元々クリアさせる気がないイベントを作るとは……


 「……1位の次元がいるイベントエリアでは討伐に成功したようですよ。

 他のイベントエリアは全て失敗しているようなので、1位の次元が規格外とも言えますが。

 運営もクリアされることを想定して作っていなかったようなので、慌てているようです」


 だろうな。

 というか、そんなイベントで討伐に失敗しても俺は【菜刀天子】に失望されないといけないのか。

 鬼畜過ぎない?


 「劣化天子の【包丁戦士】は放置しておくとすぐにつけあがるので……これくらいがちょうどいいです」


 上から目線の酷い言い様だな。

 完全に管理しようとしてきてるぞ……


 あ、せっかくだから【屋敷主人】のほうの【ケイトリー=ホウセ】についての情報を教えてくれ。

 俺たちは全く関わりのなかったやつだからな、これから必要ない情報だろうが興味はある。


 「……そうですね、終わったイベントの詳細なら教えても問題はないですね。

 少しだけ確認したいですが、色のついた球体のようなものをイベント中に見ませんでしたか?」


 ……最後の最後で見たな。

 あれがレイドボスだったっていうのは薄々分かってるけど、なんであんな球体なんだ?


 「あれは屋敷全体でレイドボスのステータスを上げるバフをかけるレイドボスです。

 しかも、合計で30体の核が屋敷中に隠されていたので、それを見つけながら破壊していかないと他の二体のレイドボスが最大限に強化されたままになってしまいます。

 破壊する度にバフの効果量が低下していくという、エリア配置型のバッファーレイドボスでした。

 今回のイベントのレイドボスのコンセプトは前衛の糸人、後衛の鳳仙火料理人、支援型の屋敷主人という異なるタイプのプレイヤーに近いレイドボス……というものでした。

 遊び要素としてその全てを完璧に使いこなすオールラウンダータイプのレイドボスも出現しましたが、あれをプレイヤーに倒させるのは酷です」


 でも、倒されたんだよな……

 というかあの球体30体もいたのか。

 最後の方はバフのかかりが弱かったから【糸人】に比べて【鳳仙火料理人】はあっさり倒せたのかもしれない。


 知らず知らずのうちに【ピッケル次元】や【パイルバンカー次元】の連中に助けられていたわけか。

 最後の会話からするとあいつらは【屋敷主人】の核を潰す競争みたいなことをしていたようだし、ギアフリィのプレイヤーキルも俺たちに核の破壊をさせないための妨害工作だったわけか。

 あの自称実力派プレイヤーの赤髪ゴーグルも考えがあってのプレイヤーキルだったわけね。


 プレイヤーキラーの風上にも置けないな!

 プレイヤーキラーは理由なく理不尽に他のプレイヤーを惨殺していくのが醍醐味だっていうのに!!!












 怒るところ、そこですか……

 相変わらずよくわからないプレイヤーですね……


 【Bottom Down-Online Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 4.5.6位のところと過程は違うかもしれないが結果は一緒なんですね 1位がヤバすぎるとはプレイヤーが天子に成り代わっている 次元なのかな 天子並の強さがあっても勝てるか分からないぐらい強そ…
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