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1803/2108

1803話 釣竿の島

 【ディメンションバトル】


 【【3位 釣竿次元】&【6位 アンカー次元】VS【1位 包丁次元】&【10位 蛇腹剣次元】】



 【終了条件 最後に1つの次元が生き残る】


 【異次元の風が吹き荒れている】



 【釣竿が救い上げる】


 【アンカーが流動を押し留める】


 【包丁が血を求める】


 【蛇腹剣が激しく取り巻く】



 【Duel Start!】


 【ゲーム運営からのアナウンス】


 【今回の次元戦争で包丁次元が一位になった場合、釣竿次元とアンカー次元の世界からリソースが搾取されます】



 今回の相手は釣竿次元とアンカー次元だな!



 「やはりそうでしたか。

 この場所に見覚えがあるので間違いなく釣竿次元が相手だと思っていましたよ」



 さて、【釣竿剣士】が見覚えがあると言ったこの場所について説明してもらおうじゃないか。

 この牙のような形をした岩でできた無人島はいったい何なんだ?



 俺がそう問いかけると【釣竿剣士】は自信ありげに口を開いて言葉を紡ぎはじめた。



 「ここは【師匠】が隠居している島ですね。

 かつては国の重役に就いていたとも聞いたことがありますが、そういった政の煩わしさから逃れるために島1つを買い上げて暮らしています。

 ここは主に釣り場としての役割しか果たせないような場所なんですけどね……」



 うわっ、出たよ【師匠】の規格外さ。

 島1つを買い上げてたり、国の重役に就いていた歴があり、そして実力者という……

 なろう系主人公かな?

 最近は若くない主人公もわりといるみたいだし、【師匠】なら十分に務まりそうだ。


 

 「なので【師匠】に弟子入りしたいという人はかなりいるのですが、そのほとんどが選別されて落選していきますね。

 その中でも直系の釣竿一刀流を学んでいるのは片手で数えられるくらいしかいません。

 あとは異能力の使い方についての指南でほぼ終わってしまうようです」



 ということは【釣竿剣士】はエリート中のエリートってわけだ。

 ちなみに選抜の基準ってどんな感じなんだ?


  

 「【師匠】が直接教えてくれたわけじゃないんですけど、やはり釣竿一刀流を再現するために適性のある異能力の持ち主かどうかでしょうね。

 私の異能力は【具現化】……想像したものを生み出す力です。

 ひたすら【師匠】の戦いを観察し続けた結果、【師匠】が繰り出す技や現象をそのまま生み出せるようになったのが今の私の戦い方ですね」



 あー、だから生産プレイヤー……

 無から想像力だけで現象を生み出すプレイヤーってことか!

 なるほどな、いい得て妙だな。

 

 だが、【釣竿剣士】以外にも弟子の釣竿一刀流の使い手がいるのは意外だったな。



 「釣竿一刀流の中にも色々なバリエーションがありますからね。

 私が使用しているのは秘伝釣竿一刀流……基本的には身体強化の延長線上にあるものが多いです。

 ミチを切り開くためのものだと【師匠】は言っていましたよ」



 それは何か前にも聞いたことがある気がするな。

 【師匠】が常用している釣竿一刀流の技と【釣竿剣士】が常用している釣竿一刀流の技はあまり被ってないからなぁ……

 【師匠】も【釣竿剣士】と同じ技を使うことはあっても、【釣竿剣士】が【師匠】の技をそのまま全部使えるわけではないというわけだ。

 


 「ほえ~、そうなんですね~?

 いや~、【釣竿剣士】さんが凄いことだけは分かりましたよ!」



 ……ボマードちゃんはあまりよく分かってないみたいだな。

 まぁ、ボマードちゃんがこれを深く理解する必要はないのでそのくらいの認識でいいだろうよ。



 「……では、これからどうしますか?

 【師匠】がいそうな場所に向かうか、あるいは逆にいなさそうな場所に向かうのか……という方針です」



 ほう、【釣竿剣士】はどちらも分かるのか?

 【師匠】や【釣竿剣士】に馴染みのある土地だからあり得る話だが……



 「当然ですよ、生産プレイヤーなら!

 この辺りは一通り駆け回ったりしていますからね、まさに庭みたいなものですよ。

 それに【師匠】が好んで行っていた場所なら何ヵ所か知ってます。

 次元戦争で長時間その場所に滞在するかと言われると何とも言えませんが、少なくとも一回は立ち寄るはずです」



 そういう見当のつけかたか!

 それなら納得できる。

 あくまでも傾向を読むってことだからな。

 ただ、向こうがそれを読んで別の行動をしてくる可能性はないのか?



 「あるでしょうね。

 ただ、それはこちらも同じ条件です。

 その意図を読んだ上でどのように動くのかが戦況に関係してくることでしょう」



 あとは蛇腹剣次元とアンカー次元をどうするかだよな。

 蛇腹剣次元の連中とは早めに合流したいし、アンカー次元の連中は釣竿次元の連中に合流される前に倒しておきたいところだ。


 

 「ということは【師匠】に遭遇しないように動いてみましょうか」

 「レッツゴーですよ~!

 いや~、【釣竿剣士】さんの故郷(?)を観光して回れるのは楽しみですね~!

 異世界の景色ってことですもんね」



 そう言われてみるとそうだな。

 ボマードちゃんにしては鋭い指摘だな!?

 ちょっとワクワクしてきたぞ!





 単純ですね。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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