1802話 次元戦争前の顔合わせ
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
今日は事前に【菜刀天子】から告知を受けていたように次元戦争が開催される日だ!
その証拠に、ウインドウ画面の【上位権限】という項目が点滅している。
あきらかにこの項目を選べという意志がひしひしと感じられるので、それを押すと「【上位権限】【Battle field】展開!」という文字が現れた。
この文字を触っても意味がないというのは分かっているので、素直に起動できた方法を試させてもらうぞ!
ここで時間を潰す意味も特にないので決戦の舞台へいざ参ろうじゃないか!
そう考えた俺は口を大きく開き、【上位権限】の起動ワードを唱えていく。
「【上位権限】【Battle field】展開!」
俺は包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。
そして、その奔流に呑み込まれるようにして俺は天子王宮から姿を消していったのだった……
【Battle field 特異次元 黄牙釣魚台 リョコウボウ】
俺が飛ばされてきたのは……巨大な牙のような形をした岩の上だった。
岩と言っても無人島くらい広いから動くのに不便というわけではない。
ただ、この岩の外は完全に空中となっており足を踏み外すと遥か下にある水面へと激突して死に戻りすることになるだろう。
「……ここは!?
【師匠】と戦うには絶好の戦場というわけですか」
というわけで俺が直々に選んだ一人は【釣竿剣士】だ。
これは1747話くらいから何度かやり取りしていたから既定路線だな。
何かに気づいたようだが、とりあえずは残りのメンバーたちが揃ってからにしようか。
どうせ今その話をしても後から同じ話をし直す必要があるし……
二度手間を避けられるのなら避けないだろうよ。
「それであと一人参加するみたいですが、【包丁戦士】さんと仲がいい人が来るみたいですね?
誰が来るのでしょうか……?」
そうして待機していると地面から虹色の土管がせり上がってきて、眩い光を放ち始めた。
なんだなんだ!?
やけに豪華な演出じゃないか!
どうしてこんなところに力を入れたんだ……?
そう思いながら眺めていると中から一人のプレイヤーが現れた。
「そう、私が【包丁戦士】さんと仲がいいプレイヤーですよ!
いや~、システムにまで認められちゃうなんてこれは公認カップルなのでは!?」
出てきて早々にヤバい発言をしているのはタンクトップを着たツインテールのロリ巨乳……ボマードちゃんだ!
相変わらずの頭お花畑発言だが、今回は親密度を参照しているので全面的に否定できない部分もあるんだよな。
どんな親密度かは不明だけどな!
「今回は私と【包丁戦士】さんとボマードさんですか。
私と【包丁戦士】さんは近接戦闘に関して全く不安はないですが、ボマードさんはどうですか?」
「うーん、そうですね……正直厳しいと思いますよ!
いや~、多少は凌げると思いますけど私は後ろから援護している方がお似合いですね。
【釣竿剣士】さんには見せてないですけど、【包丁戦士】さんにだけ凄い効果を発揮するバフスキルとかありますし、【魚尾砲撃】に【名称公開】のデバフを乗せたりも出来ますからね!」
「ボマードさんも随分と色々と手札が増えましたね……
生産プレイヤーとして誇らしいですよ!」
「せ、生産プレイヤーとして???」
なんか馴染みのあるメンバーだけということもあって、心地いい雰囲気だな。
新緑都市アネイブルでの【ジェーライト=ミューン】攻略の時からの絡みだし。
「そう言われてみるとそうですね。
【包丁戦士】さんが沼地エリアまで私を勧誘しに来たことは今でも覚えてますよ。
急に来て驚きましたからね」
「【包丁戦士】さんから誘ってたんですね!?
いや~、嫉妬しちゃいますね!!!」
そんなところで対抗心燃やすなよ……
そこまで拘るようなところでもないだろ!
そうですね……
なんと愚か……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】