1794話 海エリアと相互扶助
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は久しぶりにリデちゃんや【短弓射手】と話していたな。
【リップカレント】のような少数精鋭クランへも蛇腹剣次元からの移籍者の加入申請が来ているということで、そのメンバーたちの実力を確認したり、海エリアか荒野エリアどちらの攻略に連れていくのかというのを検討しているという話だった。
二面攻略を進めている【リップカレント】にとっては新規メンバーは喉から手が出るほど欲しいものだろうよ。
というわけでやって来ました海エリア……銀鏡荒水海域マルバー!
ここでクラン【リップカレント】のリーダーである【海図航海士】に会っていた。
実力は【短弓射手】の方が上だから勘違いされやすいが、【リップカレント】のリーダーは【海図航海士】なのだ!
「これは【包丁戦士】!
わざわざ俺に会いに来るなんて希少現象」
まあ、お前に会いに来るのも久しぶりだよな。
俺は海エリアの攻略からほとんど離れた状態になってしまっているからここにわざわざ来る機会も無いんだよな……
だからこそ、結果的に【海図航海士】に会う回数も減ってしまうわけだ。
あっ、昨日【短弓射手】やリデちゃんに会ってきたから蛇腹剣次元からの移籍者の加入申請が来ていることは知っているぞ!
「あの二人にもあまり会えていないが……無問題。
元々傭兵プレイをしていたからか短期間で戦闘の息を合わせられる二人だからこそ、窮地や絶好の機会が訪れた時に依頼」
なるほど、今はそんな感じで活動しているわけか。
少し俺のクランの【コラテラルダメージ】に似ている活動方針だな。
主に別行動が多いって点で。
まぁ、どちらも俺が創設に関わったクランだから似るのも仕方ないところはあるか。
……ちなみに海エリアでは今はどんな活動をしているんだ?
「レイドボスの【翠玉海溝の深穴子】を倒すため情報収集中。
まずはエリア名称から徹底調査!」
そういえばまだ第三海域の名前は判明してないんだったな。
それとレイドボスの【翠玉海溝の深穴子】の名前もまだ明らかになっていない。
これらが分かれば一気に討伐に近づくんだか、それまではゆっくりやっていくしかないだろう。
「それに、まだレイドボスを倒せてないのに次の海域にも入れるようになっていた。
そっちのレイドボスはまだ見つけてないから同時進行」
へー、これまではレイドボスを倒してから海域が解放されていたような感じだったが、実はレイドボス討伐が条件じゃなかったということか。
その条件も非常に気になるところだが、【海図航海士】は何かヒントを掴んでいるのか?
「あるといえばある。
でも、断言は出来ない。
ヒントは大募集中」
……まだ他の人に言えるほどの情報は集まっていないというわけか。
俺はそこまで急いで情報が欲しいわけでもないから、ある程度形になったら教えてくれると助かる。
一応【ハリネズミ】たちにも伝えておくから協力させてやろう。
「それは大いに感謝!
俺のクランはコンセプト上どうしても人手が足りないから、信頼できるところからの人員派遣は大歓迎」
だろうな。
俺も同じ様に考えているからな!
俺がレイドボス攻略しようとする時もだいたい手を借りてるし、そこは割り切るべきところだろう。
あの身内クランの【紅蓮砂漠隊】ですらも傭兵プレイヤーの手はやむを得ず借りてレイドボスを討伐したわけだからなおのことだろう。
拘るのはいいが、それで攻略が不可能なのは本末転倒だ。
「同意見」
まぁ、お前とはこの辺の考えが合うし相互扶助の関係でやっていこう。
【ハリネズミ】たちに討伐者称号を可能な限りプレゼントするというのが【コラテラルダメージ】に入ってもらう時の約束だったし、あいつらには可能な限りレイドバトルに参加させてやりたいから、そこさえ呑んでもらえたら援助は惜しまないぞ!
珍しくまともなことを言っていますね……
いつもこうあって欲しいものですよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】