1792話 【天地照堕盾】の持ち主同士の会話
【Raid Battle!】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン!
昨日は【ヲ神死弖煌邪】から蛇腹剣次元での深淵奈落の様子を軽く聞いていたな。
終末を司るウロボロスとかいう知らない存在の名前が出てきたが、俺が会うことがあるのだろうか……
というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにあるほのぼの市場!
ここでボマードちゃんと【ヲ神死弖煌邪】を引き合わせていた。
「あっ、【天地照堕盾】じゃないですか!
いや~、【エルル】さんにあげてしまったので私のものはもう手元に無いから見ると懐かしく感じますね!」
「喪失の憐憫感……私は出来ればこれを失いたくないわね。
比翼連理のオリジナルが失われたのは辛いわよ……」
そう、【ヲ神死弖煌邪】が持っている【失伝秘具】の【天地照堕盾】はかつてボマードちゃんも持っていたが【Bottom Down-Online The Abyss 】パッチを導入するための供物としてルル様へ捧げたんだったな。
あの時は他には【黒夢死柩】、【洛落陽葉】、【地這連丮】を捧げていた。
合計四つはかなり痛手だったが、あのタイミングで深淵機構のレイドボスたちを俺だけで倒すのは困難だったからな……
【失伝秘具】を犠牲にしてレイドボスを倒したと考えたら充分お釣りがくるだろう。
深淵細胞やスキルを重ねることができたお陰で勝てた次元戦争もあったからな!
「それも懐かしいですね!
いや~、【キズマイナ】さんと【包丁戦士】さんの三人で挑んだ時にはハラハラな戦いでしたよ!」
「天焦がす激情を掌握するわ!
……レイドボスを倒したの?」
カラスみたいなやつと、クモみたいなやつだな。
深淵奈落を進むと深淵種族レイドボスの再現体と戦闘出来るシステムがあってそれでアルベーは二回目の討伐を、ファイヌルは一回目の討伐を成し遂げたってわけだ。
「超新星の幕開けね!
選ばれし者のみが到達出来る冥界の不可侵域でレイドボスの打倒は試練の訪れと同意語じゃないかしら?」
……条件を満たした数人しか入れない深淵奈落でわざわざレイドボスと戦うのは無理ゲーって言いたいんだな?
まあ、実際俺一人で挑んでいた時には同じことを思っていたぞ。
だが、俺は深淵奈落限定で超強化を持続させられるスキルを持っているから、深淵奈落でならレイドボスとタイマンも出来るのだ!
まあ、当時はその力を全く制御出来ていなかったので結局一人じゃなくて【キズマイナ】とボマードちゃんの二人に頼ったわけだけどな。
「【包丁戦士】さんに頼ってもらえたのは嬉しかったですね!
いや~、深淵細胞を受け入れておいてよかったですよ!
お陰で【天地照堕盾】を拾えましたし、役得役得です!」
「堕天の組成を享受するということは、自らも堕天するということよ!
煉獄にその身を焦がす運命をそんなに簡単に受け入れたというの!?」
「いや~、大袈裟ですよ~!」
ボマードちゃんの場合は大袈裟じゃないけどな……
こういう平常時には出てこないが、レイドボスの【ジェーライト】が身体のコントロールを奪ってくる状態になっているからな!
ボマードちゃんと【ジェーライト】は良好な関係を築いているみたいだからそこまで悪質なことにはなってないんだが、これで関係が悪かったらとんでもないことをやらかされていたかもしれないんだぞ?
「言われてみるとそうですよね……
いや~、私の身体であんなことやこんなことをされちゃったら【包丁戦士】さんに責任を取って結婚してもらうしかないですね!」
「愛憎の連帯責任!?」
いや、何で俺が責任を取らないといけないんだよ……
というか自己責任なんだよな……
バカップルですか……
いや、違うし!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】