1778話 勇者との坑内探索
【Raid Battle！】
【包丁戦士】
【包丁を冠する君主】
【深淵域の管理者】
【『sin』暴食大罪を司る悪魔】
【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】
【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】
【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】
【聖獣を担うが故に】
【深淵へ誘い】
【聖邪の境界を流転させる】
【責務放棄により】
【境界を見守り】
【管理することを強いられる】
【会うは別れの始め】
【合わせ物は離れ物】
【産声は死の始まり】
【この世の栄誉は去ってゆく】
【故に永遠なるものなど存在しない】
【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】
【ああ……この世は無情である】
【ワールドアナウンス】
【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】
【レイドバトルを開始します】
はい、今日も元気にログイン！
昨日は【虫眼鏡踊子】の奢りで荒野バーで牛乳を飲んでいたな。
やっぱり人の奢りで飲む牛乳はウマイなぁ！
そんなウマイ牛乳を飲みながら【虫眼鏡踊子】から聞いていたのは【鉱人の地霊顕現】という実績照会項目をクリアした可能性が高いということだった。
【失伝秘具】を捧げてクリアしたようだが、何をどういう経緯でどうしたのかさっぱり分からない状態のままだ。
この辺りの情報統制には【風船飛行士】が絡んでいるので、あいつをどうにかしない限りは俺への情報は全く来ないだろうな……
というわけでやって来ました岩山エリア……堅牢剣山ソイングレスト！
ここにいるレイドボスの【クシーリア】と……
「ふひひっ、【クシーリア】はここにはいませんよぉぉ……
あてぃしと【包丁戦士】さんだけですぅぅ……」
そう、岩山を陣取っている【クシーリア】ではなく俺に馴染みの深いレイドボス【キズマイナ】に声をかけて一緒に行動していた。
目的は言わずもがな……【鉱人の地霊顕現】について調査するためだ。
元とはいえ俺のクランメンバーだったんだからこういう時に交流も兼ねて探索するのも悪くないんじゃないか？
「そうですねぇぇ！
あてぃしは最近新緑都市アネイブルにある闘技場で戦闘ばかりしてましたから、前のように誰かと一緒に探索出来るのは息抜きにもなって嬉しいですよぉぉ！」
言われてみると、俺が【キズマイナ】と会うときは闘技場か【キズマイナ】の自室ばかりだったな。
しかも大体戦闘関係の用事だし……
「特訓してもらえたのは素直にありがたかったですけどねぇぇ！
あれが無かったら色々と迷走してましたよぉぉ！」
それなら良かった。
実際、その世界剣種……【底骸剣デュラ】をもて余していたというより振り回されてたもんな。
あのまま放置していたら下手すれば誰かに討伐されてたかもしれない。
「そうかもしれないですねぇぇ！
……それで、【鉱人の地霊顕現】ですかぁぁ？
あてぃしが他の【上位権限】レイドボスたちのように感知能力が高ければ良かったんですけど、良くも悪くもあてぃしは【プレイヤー】の延長線上のような存在ですからねぇぇ……
正直【包丁戦士】さんの方がそういう気配を読み取るのが上手いかもしれませんよぉぉ？」
それならそれでいい。
俺はお前と行動したいだけだからな。
「えっ、告白ですかぁぁ！？(トゥンク)」
【キズマイナ】は思いっきり赤面していた。
いや、満更でもないみたいな表情されると俺の方も照れ臭くなるから困るぞ！？
そこまでオーバーに反応されるとは思わなかった。
いやいや、お前と行動していたら鉱人が反応して向こうから出てきてくれないかな……と思ってな。
プレイヤーたち相手に出てきてくれている友好的な種族ということは、その延長線上にいる【勇者】にも友好的な可能性が高いからな！
その庇護者が来れば何かしらの対応がされる……かもしれない。
「結構打算的ですけど可能性はありそうですねぇぇ！
それに自由に動き回れるNPC【上位権限】レイドボスはかなり限られていますし、興味を持ってくれるかもしれませんねぇぇ！」
【キズマイナ】と、【槌鍛冶士】、そして【荒野の自由】か。
【荒野の自由】以外は俺の仲間みたいなものだからその点だけなら色々とやりようがあるな。
「あと、【包丁戦士】さん自身もNPCではないとはいえ【上位権限】レイドボスではありますからねぇぇ！
あてぃしと同行しているとなれば少しは安心してくれるかもしれないですよぉぉ？
【大罪魔】と【深淵域の管理者】を担っている相手だけなら姿を見せたいとは思わないでしょうし……」
まぁ、どう考えても悪役の肩書きだからな……
次元天子のアピールもしてくださいよ。
いや、本当にお願いします……
この私が託したのですから。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】
