表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1763/2208

1763話 速戦即決だ!

 さて、存外の幸運によって大ダメージを与えられたわけだが、当然それだけで倒せるわけじゃない。

 このまま連続攻撃で追撃したいところだが……



 「沼地が足元にできたよ~!?

 これはスキル【水蛇沼流】だね……

 ヌルヌル、べとべとになっちゃうよぉ~」



 【水蛇沼流】はたしか足元に沼地を発生させる小規模な環境変化スキルだったはずだが、追加効果がまだあったはずだ。

 俺が使えるスキルじゃないしそんなに使っている回数を見たわけじゃないから記憶が若干怪しいが確か……この沼地を徘徊する水蛇も生み出すんだったな。


 この水蛇は別にそんなに強くないんだが、ただでさえ足元がとられてしまう沼地で襲ってくるから純粋に鬱陶しいな!

 それに相手は下半身が蛇の【マキ】だからな(成長済み)。

 沼地でも移動しやすいスタイルなのが状況をさらに悪化させる要因となっていた。


 これまでと比べて向こうに有利な戦場に作り替えられてしまったので、立ち回りが一気に難しくなってきたぞ……

 

 これはプレイヤーキラーの俺でも足場が悪くて動きにくいと感じてしまうから、大きな得物を振り回す【マキ】はそれ以上に動きにくくなってしまっているだろうよ。



 「うちも自分でこのスキルを使うから多少慣れてるんだけど、向こうの方がスルスル動いてくるから嫌だよ~!

 うちのコピーみたいな相手に上手く使われるのはなんか嫌~!」



 その気持ちはよく分かる。

 俺も似たようなシチュエーションに何度か遭遇したことがあるからな……

 何なら俺と瓜二つのコピーみたいな存在も包丁次元にはいるから、いつか包丁次元に入れるようになったら見てみるといいぞ!

 ……視認できるかどうかは別としてな?



 「また変態お姉さん変なこと言ってるよ~!

 いつも変なことばっかり言ってるよね~?」



 それを言ったらおしまいだ!

 何せ俺の発言はいつもこんな感じだから、そもそもベースから逸脱してないって意味では変じゃないんだからな!

 

 それはそうとして、この状況はまずい。

 前回【マキ】が挑んだ時もこのパターンでやられてしまったからな。

 ここから持久戦に持ち込むのも難しいだろうし速戦即決で行くしかないだろう!



 「速戦即決~?

 なにそれ~?」



 長く戦い続けることなく、一気に勝敗を決してしまうことだ。

 つまり短期決戦を仕掛けて素早く戦いを終わらせるぞってことだ!

 なんか中国産のソシャゲと日本産のソシャゲを見分けるときにこの言葉が使われているかどうかを基準にしているやつもいるらしい。



 とりあえず俺は沼蛇をささっと片付けるから、お前は【怠惰なる妖蛇女】の相手をしていてくれ。

 分かったな?



 「了解だよ~!

 そのかわり早く戻ってきてね~」



 とは言うものの、個体としては強くない沼蛇だが沼の中を這っているだけあって攻撃が当てにくい。

 動いているところをテキトーに包丁で攻撃してみたが、スルリと横を抜けられてしまった。

 くそっ、まるでドジョウ掬いだな……


 足場も視認性も悪い中で、向こうだけ悠々と動いて攻撃してくるのが腹立つな!

 とは言っても体当たりくらいしか攻撃がないからダメージとしては微々たるものだが、その一方でずっと放置し続けられるほど俺たちの体力にも余裕はない。

 やはり俺が仕留めるしかないんだが……

 さて、どうしたものか。



 ……そうだ、俺との相性は悪いがこの辺り一帯への影響を妨害できるスキルはあったな!

 俺が試運転した時には微妙な感じだったが、上手く機能してくれよ?



 スキル発動!【機蒸幽解】!


 

 俺は身体から蒸気を生み出して周りへと広げていった。

 その影響で周囲にある沼地が拡散していっている。



 それもそのはず、このスキル【機蒸幽解】は他のスキルの挙動を不安定にさせるというジャミングのような効果があるのだ!

 俺も【ギアフリィ】に使われた時には酷い目にあったが、このタイミングでは【ギアフリィ】が使用例を見せてくれていて助かったわ。


 俺自身にも影響があるから【深淵纏縛】と【阻鴉邪眼】どちらも表示がバグのように揺れていて服もデバフサークルもあちこちにノイズが走ってしまっているな……

 まぁ、どちらも今はそんなに戦況に関係がないから問題視しないけどさ。



 ……とはいえ機戒種族の【ギアフリィ】が使った場合と、深淵天子の俺が使った場合では出力がまるで違う。

 すぐに蒸気が収まってきてしまっているぞ……


 あとはこの状況をどう利用していくかだな!






 スキルの制限時間があるのだから早く動きなさい。

 全く、これだから劣化天子は……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ