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1750話 【検証班長】のお悩み相談室

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】



 はい、今日も元気にログイン!

 昨日は【マキ】と蛇腹剣ダンジョンのレイドボス攻略について考えていたな。

 その中でも包丁次元プレイヤーの思わぬ強みを見つけられたので、やはり自分とは異なる環境で育った別次元プレイヤーと話すことはそれそのものが新たな気付きを与えてくれるのだと改めて分かった。

 やはり一つの環境ばかりだと凝り固まった考え方になってしまうものなんだな……









 というわけでやって来ました新緑都市アネイブルにある樹木をくり貫いた建物、クラン【検証班】のたまり場……メッテルニヒ!

 ここの一階にある受付を顔パスでスルーしていき、階段から二階に上がっていくとそこでは床に寝転がっている痩せ型の白衣を着た男……【検証班長】がいた。


 おい、そんなところで寝転がっていると蹴るぞ?

 いったいどうしたっていうんだ?



 「うぇっ!?

 ほ、【包丁戦士】さん……完全に油断してましたね。

 リアルで疲れがたまっていて、ログインしたものの気力が続かずそのまま地面に倒れてました……」



 おっ、おうお疲れのようだな……

 そんな中声をかけるのも悪い気がするんだが、ちょっといいか?

 

 俺がそう声をかけると床から急に起き上がって俺の前に直立した。



 「【包丁戦士】さんの頼みとあらば喜んで!

 ボクでサポート出来ることならお手伝いしますよ?」



 急に頼もしくなったな……!?

 だが、無理をして変な結果しか出ないくらいなら今日は一旦引いてもいいぞ?


 俺は珍しく【検証班長】に優しい言葉をかけてやった。

 【検証班長】があんな風に倒れているなんて中々お目にかかれることじゃないから流石に心配になったのだ!



 「いえ、心配には及びませんよ。

 それでどんな用事でしたか?」



 それならいいが……

 実は【マキ】の強化をしたくてな。

 ここ何回か次元戦争で共闘しているんだが、思ったような戦果をあげられなくて困っているみたいなんだ。

 そこで強化方法……特訓方法とかスキルとかアイテムとかで強くしてあげられる発想が欲しい。



 「……そういえば【マキ】さんの情報があまりないですね。

 どんな種族で、どんなジョブに就いているんですか?

 abilityについては睡眠時の無敵付与という効果は知ってますけど……」



 そう言われてみれば種族とジョブを改めて聞いたことはなかったな!?

 勝手に底辺種族で、どのジョブにも就いていないと決め込んでいたが俺の思い込みだった説がある。

 何でその考えに至らなかったのだろうか……?

 

 いや、もしかするとどこかで一回確認してたかもしれないが忘れた。

 それに、それ以降で種族転生やジョブに就いている可能性もある。

 【マキ】は今急成長だから自分で色々と試している最中かもしれない。


 何にしても【検証班長】の言うようにまずは一度聞いてみることからだろうな!

 


 「あとはそれを聞いたあとに【ゼータンパ】の店で【失伝秘具】を買ってみるのも手ですよ。

 【マキ】さんの戦い方にピッタリなものがあれば戦闘の補助になってくれることでしょう。

 【失伝秘具】は【包丁戦士】さんも戦闘中によく使っているので有用性はボクがわざわざ説明する必要はないよね?」



 ああ、その通りだ。

 【マキ】本人はまだ蛇腹剣次元専用エリアから抜け出せないが、包丁次元にある【ゼータンパ】の店で俺が買ってきてやれば【マキ】も使えるようになるだろう。

 やはり【検証班長】に相談してよかったな。

 光明が見えてきた気がするぞ!



 「それなら光栄だね。

 【包丁戦士】さんの道しるべになれる機会って多いようで実は少ないからね。

 情報の提供をすることは多くても、悩んでいる【包丁戦士】さんの相談に乗るのはあまりなかった気がするよ」



 言われてみると……そうかもな?

 何だかんだレイドボス討伐後の報酬とか、新スキルの性能とかについて話し合う機会ばかりだった気がするぞ!



 「それはそれで有意義なんですけど、こうやって持ちつ持たれつみたいなことをしていけるのは楽しいよね。

 ボクも困ったら【包丁戦士】さんに頼みに行きますよ」



 あぁ、その時は任せとけ!

 何とかしてお前の悩みを解決してやろう!





 これは……

 どうなんでしょうね?


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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