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1730/2208

1730話 包蛇パス4次元合同戦場

 【wave battle!】


 【レイドボスを討伐せよ】





 【Raid Battle!】


 【恋慕戦場の怪物ー蛇馬魚鬼】


 【ジャバ=ウォック】


 【赤色駒】【失伝秘具(童話礼装)】【ロイス=キャメル(廻)】



 【深き因縁に恋い焦がれ】


 【赤色の手駒になろうとも】


 【その強さに翳りはない】


 【童話の幻想を身に纏い】


 【夢は枯れ野を駆け巡り】


 【愛を知らぬ悲しき怪物はただ邁進を続けるのだ!】


 【レイドバトルを開始します】




 ついに出てきたなレイドアナウンス!

 


 「【ジャバ=ウォック】の種族欄?ジョブ欄?に変なものがあったのらよ!?

 【ロイス=キャメル(廻)】って何なのら!?

 プレイヤーの名前がそのまま入ってるのらよ!?」



 そこは……まぁ……【ロイス=キャメル】本人をモチーフにした逸話があの怪物の由縁みたいだからな。

 純正のジャバウォックではなく【ジャバ=ウォック】になっているのはそういうことなのだろう。

 意図的なのか、偶然なのか知らないが【ロイス=キャメル】と【ジャバ=ウォック】って文字数が一致してるしな……



 「そこ関係あるのら?

 流石に気にしすぎなのらよ~」



 いや、こういう要素の積み重ねが怪物としての強度と【ロイス=キャメル】との結びつきを強める媒体にされている可能性すらある。

 ボトムダウンオンラインは他のVRMMOと比べて何故か名前に拘りを持っているみたいだからな!

 【名前に関するスキル】なんてものもあるくらいだ。



 「そう言われてみると、そうかもしれないと思ってしまうのらよ……

 そういえば【検証班長】しゃんも昔似たようなことを言ってた気がするのら……」



 ほれみろ!

 ……とはいえ、これはあくまでも予想だけどな。

 事実どうなっているかなんて確かめようがないので仕方ないんだが。

 


 「でも、レイドアナウンスが鳴ったってことはようやくステッキ次元とパイルバンカー次元のところに向かうのら?」



 そういうことになるな。

 ウェーブバトルのアナウンスもこれまでみたいに耐える系の指令じゃなくて討伐を明確に指示してきているので、ここからは【ジャバ=ウォック】が逃げてくれるってこともないだろう。



 【あら、ようやく出発する気になったのかしら!

 お茶会は楽しかったのだけれど、私は私の役目を果たさないといけないからこの時を待っていたわ】


 

 あぁ、待たせてしまって悪かったな。

 今からレイドボスのところへ急行するぞ!

 どうせそこに他の次元の連中も集まっているだろうしな!









 そうして【ジャバ=ウォック】がいるところに到着すると、そこではパイルバンカー次元、ステッキ次元、蛇腹剣次元、包丁次元のプレイヤーたちがそれぞれの立ち位置を守りながら戦闘をしていた。





 ステッキ次元はわりと堅実に、いつも通りで南側から攻撃しているようだ。

 【ロイス=キャメル】が指揮に回り、【エラ=サンドレア】が切り込み隊長として【ジャバ=ウォック】の攻撃を牽制しながらダメージを与える役目だ。



 そして北側からはパイルバンカー次元が攻撃しているし、そこにNPC軍人たちも混ざっていた。

 シークレットクエストで味方につけたNPCたちをレイドバトルに引き込めたってことか……

 運も実力のうちというが、あれはかなりデカイ恩恵だよな!?



 蛇腹剣次元はMVPプレイヤーである【マキ】の姿は既に無かったのだが、俺が知っている顔だと【エヴォル】がいた。

 【エヴォル】はチュートリアル武器がカイトシールドで、テイマー系ジョブの【キャバルリー】に就任している馬に乗りながら戦う騎乗兵タイプのタンクプレイヤーだ。

 アイツが前線を指揮しているらしい。

 東からレイドボスを攻撃しているな!



 そして……包丁次元!

 こいつらは次元戦争が始まってからすぐに俺陣営から離脱して別行動をしていた連中だ。

 かなり数を減らしていたが一応生き残っていたらしい。

 西側から攻撃しているようだが、他の次元に比べると明らかに数も火力も足りていないな。

 俺が知っている2つ名持ちプレイヤーがあの連中の中にはいないので、実力も足りてないのだろう。

 その割にはこの局面まで独力で生き残っていたしぶとさだけは評価してやろう。


 とりあえず包丁次元の連中!

 お前らだけだと力不足なのは分かっただろ?

 今一度俺の傘下に入って合同攻撃だ!



 「ちっ、狂人が来やがったか……」

 「どうするよ?」

 「本当は俺たちだけで勝ちたかったのに、これじゃ足手まといだもんな」

 「仕方あるまい、あの蛮族の軍勢に加わるしかないだろう」

 「不本意だが、アイツの実力が高いのは認めざるを得ないか。

 腐ってもMVPプレイヤーだし」



 というわけでしぶしぶ俺の傘下に加わって動いてくれることになった。

 レイドボスを相手にしてみて、それに対するノウハウや自身のスペック不足を痛感したのだろう!

 ふはは、いいザマだな!



 


 そういうことを言っているからすぐ敵が増えているのですよ?

 全く、これだから劣化天子は……


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】


 

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