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1721/2208

1721話 撤退と参戦のマリアージュ

 「とりあえず実力派プレイヤーのオレも攻撃してみるから見てくれよ。

 オレの攻撃の威力の高さはチビ女も知ってるだろ?」



 【ギアフリィ】はそう言って人間大ほどあるパイルバンカーを構えながら【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】へと駆け出していき……



 「攻撃準備、スキル発動【イグニッション】!」



 その道中でパイルバンカーを起動させる準備を行っていた。

 【ギアフリィ】の扱うスキル【イグニッション】はスキル発動宣言をしてから一定時間後にならないと効果を発揮しないというスロースターターなものだ。

 いわゆるタメ技ってやつだな!


 その分威力はバカにならないから、俺にとっては魅力的ではある。



 「実力派なオレのデッカイ一撃をくらいやがれ!

 【イグニッション】、解放!ファイアッ!」



 パイルバンカーの先端が【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】へと突き立てられ、そのまま起動した【イグニッション】による重点破砕攻撃が繰り出された!

 地面から振動が伝わってくるほどの大威力攻撃で、プレイヤーに直撃すれば即お陀仏ものの大技なのだが……



 「やっぱりこれも効かなかったぜ……」

 「こんなに強そうな攻撃でもダメなのら!?

 それなら【ペグ忍者】の攻撃も全く通用しないのも納得なのら……」



 案の定、全く効いていなかった。

 むしろ【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】の足元の地面の方が振動でヤバいことになっているくらい、本体にはほとんど影響がなかったのだ。

 これは辛い。

 


 「そもそもだ、【機天慟哭】が通用していない時点でこの結果は予測できただろう。

 私の推測からすると、何かのパターンか系統の攻撃ではないと通用しないのではないかねぇ?」



 【オーリス】が見たままのことを自分の知識かのようにひけらかしてきたが、それは既に【ギアフリィ】も俺も分かっていることではあるんだ。

 ただ、それを探ってる段階なんだよなぁ……



 【鄒主袖縺励>縺願藷蟄舌′鬟溘∋縺溘>縺ェ!!!】



 そんな検証中でもお構い無しに【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】は雄叫びのような叫び声を上げてプレイヤーたちを噛み砕いていく。

 うわっ、あんなのに食われたくないな……



 「【暴食】の使徒がそれを言うのは実に皮肉だよ。

 そもそも【暴食】とは近代までは安定した食料の供給が望めず食糧問題に発展し兼ねなかった点、大食いは不健康・怠惰・浪費に繋がるなど実質的な問題に起を発しているのだろうからね。

 ここは戦場なのだから最低限の補給としてプレイヤーのリソースを食らっているだけなのかもしれない」


  

 【オーリス】がウンチクを語っているが、その後に付け加えられた発言は一考の価値があるな。

 もしかして、【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】は燃費が悪くてプレイヤーを食べないとリソース不足になるとかはあるかもしれない。

 とはいえ、それがどれくらい待てばいいのかだったり、本当にリソース不足になるのかの確証もないので試すかどうかは別の話になってくるけどな!







 「……っと、そろそろステッキ次元が駆けつけて来そうか。

 アイツらが来る前に実力派なオレたちは撤退するぜ!

 おっさんによろしく言っておいてくれよ」



 しばらく戦闘をした後に【ギアフリィ】は近寄ってくる人影たちを見てそう言い残し、パイルバンカー次元のプレイヤーたちを引き連れて撤退していってしまった。

 そんなに露骨に遭遇を避けているのか……

 まだレイドボスも残っているというのにな!

 


 「おや、【ギアフリィ】君たちは去っていってしまったようだね。

 ようやく姿を現してくれたと思って慌てて駆けつけたというのに徒労に終わってしまったよ」



 【ギアフリィ】が去った後に現れた【ロイス=キャメル】たちステッキ次元のプレイヤーたちがパイルバンカー次元のプレイヤーたちの代わりに戦闘に入ってくれたので戦線崩壊せず済んだが、お前ら本当に仲違い状態だったんだな……

 一緒に戦ってくれたら楽だっただろうになぁ?



 「それは申し訳ないね。

 お嬢さんには私たちの事情で苦労をかけてしまっているが、これも産業革命には必要不可欠な犠牲というものだよ」



 まぁ、その分お前たちが頑張ってくれるなら俺はそれほど口を出すつもりはないが……

 ただ、コイツの攻略法が分からないんだよな。

 攻撃もデバフほとんど効かないし、向こうの攻撃は通常攻撃だけでもきちんとレイドボススペックなのでどんどんプレイヤーがやられていってしまうぞ?



 「ふむ、確かに【エラ】の斧による攻撃も効いてなさそうな様子だ。

 【エラ】のパワーはステッキ次元でも随一なのだが、それも通じないとなると厄介だ」



 ちなみにだが、【ギアフリィ】のスキル【イグニッション】も全く通用してなかったぞ!

 しかもちゃんと直撃させたやつだ。



 「それはつまり【恋慕戦場の怪物ー蛇?魚?】は一種の無敵状態に近いということだろうか。

 我ながら末恐ろしいものだ……」






 さて、そろそろ20分経つと思いますが……

 劣化天子たちの反応を見て楽しむことにしましょうか。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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