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1717話 超ひどい合意なし共闘路線

 「おやおやおや、【ルークス】が倒されてしまったようだね。

 もう少し語り続けたいところだが……

 流石に今の状況に加えて【暴食】の使徒と戦うのは私だけでは荷が重いねぇ。

 【汚染】の種は蒔けたことだし、一時撤退させてもらうことにするよ。

 では諸君、さらばだよ!」



 散々戦いながらウンチクを語り続けていたであろう【オーリス】は俺が近寄ってくるのを見ると一目散に逃げ去っていってしまったようだ。

 別に素早い動きでもなかったから追いかけようと思えば追跡できたんだが、そうにもいかない事情があった。


 【オーリス】と戦っていた【エラ=サンドレラ】と【ワタシ商人】、そしてモブプレイヤーたちが毒と延焼状態を付与されてしまっていたのだ!

 あいつ、状態異常付与タイプのデバッファーだったのか……

 楽器を持ってたからバッファーだと思っていたんだが、見た目で判断するのは良くないってことだな。


 とりあえずこいつらを回復させる必要がある。

 俺が持ち歩いているポーションをお前らに分け与えてやろう。

 【月杖錬金術師】お手製の超高品質ポーションだ!

 効果モリモリのポーションを作ってもらったので状態異常が全て吹き飛ぶこと間違いなしだぞ!(なお、その分使用後の硬直や回復妨害などのデメリットが重いので戦闘中に使うのは推奨しないぞ!)



 「うぅ……【包丁戦士】さんありがとうございます。

 ひたすら翻弄されてました……おじ様に顔向け出来ません……」

 「わたくしめはほとんど見ていただけでございました。

 【月杖錬金術師】様印のポーションは【勇者の道具箱】から補填させていただきますよ」



 おお、サンキュー。

 こういう時に【ワタシ商人】がいると助かるな、アイテムを惜しみ無く使えるのは長期戦ではかなり有用だ。

 あのまま放置していたらコイツら下手すら全滅してたかもしれないし……ポーションを遠慮なく使えて良かった……



 「と、とりあえずおじ様のところへ向かいませんか?

 これまで会えなかったパイルバンカー次元のプレイヤーと交戦したのを早く伝えたいです!」



 【エラ=サンドレラ】はパイルバンカー次元のプレイヤーを見つけたのを自分の手柄にしたいようだ。

 ……まぁ、どんなプレイヤーが来ていたのかっていう情報だけでも無いよりはマシか。

 


 「それに、おじ様の身に危険が迫っているかもしれませんからね!

 敵の情報は早く、多く、手短に、正確に伝えるのが重要とおじ様もよく言っています」



 ふーん、【ロイス=キャメル】はそんなことも教えているのか。

 まるで本当に軍事調練を通して後継者探しでもしているかのようだな。

 どこまで教え込んでいるのか知らないが、後はその努力がどこまで浸透して実行されているかが重要だよな。

 いくら実用的だったり、高尚なことを説いていたとしても受けとり手次第で結果は変わってしまうからだ!


 実際、【エラ=サンドレラ】や【シャルル=ホルムズ】のようなプレイヤーたちを一から育ててきたのなら充分な成果にはなっているはずだ。

 こいつらは少年少女の段階でここまで力をつけているんだからな!

 

 そういう意味で考えるとステッキ次元も随分と魔境だよな……









 「それでそちらはパイルバンカー次元と戦ったというわけか。

 こちらも探していたのだが()()()()()()()()()()()()()()()()見つけられなかった。

 お嬢さん方、よくやってくれたよ」



 【エラ=サンドレラ】の報告を受けた【ロイス=キャメル】はそう称賛していた。

 ただ聞き流しているとなんの変哲もない労いの言葉だったのだが、妙に気になる言い回しだな?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()


 まるで他の存在は何か見つけたような言いぶりだな。



 「よく気がついたものだ。

 そう、何を隠そう私は蛇腹剣次元のプレイヤーと交戦したのだよ。

 それもMVPプレイヤーの【マキ】君とね。

 お互い痛み分けで終わり撤退してきたが、随分と強くなっていたよ。

 相当鍛え上げたようだね?」



 さーて、なんのことやら……

 というか蛇腹剣次元の連中がこのタイプの次元戦争で他の次元のプレイヤーと積極的に戦うのは意外だったな。

 基本的に温厚な方針で動いている印象があったんだが。



 「それは私も同じことを考えていたよ。

 あのお嬢さんは戦わなくてもいい展開では消極的な動きをする傾向があった。

 だが、今回は違う。

 そして同じ様に積極的に戦闘を仕掛けてきた陣営がもう1つ……」



 パイルバンカー次元だな。



 「そこから導き出される答えとしては……」

 「『パイルバンカー次元と蛇腹剣次元の共闘!』」



 やはりそういう考えになるよな……

 包丁次元とステッキ次元が協調路線に進んだように、パイルバンカー次元と蛇腹剣次元も同じ様に手を組んだのだろう。

 おそらく、第一ウェーブでの侵攻をどうにかするため……とかあるいは別の意図がある可能性もあるが、どちらにしてもやむを得ずというところだろう。


 まさかお互いの味方が妨害先にいるとはなぁ……





 もう少し心を広く持ってみましょう。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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