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1710/2209

1710話 wave battle!

 「この辺りに落ちていた弾丸はあらかた回収完了でございますよ」


 

 それなら次に進むとしよう。

 弾丸を広いながらも辺りの調査をしていたが、この辺りはどうもキナ臭い。

 一見すると戦場だが、その裏に何か隠されている痕跡がある。

 それがレイドボスと関係があるかは不明だが、警戒しておくに越したことはないだろう。



  




 【wave battle!】


 【20分間、侵略者たちからの攻撃を防衛せよ】




 「拠点から離れている間にアナウンスが流れてきたのらね……」



 調査している最中の俺たちの脳内に鳴り響いてきたのは毎度お馴染み無機質な声のアナウンスだった。

 だが、【wave battle!】か。

 つまり、何回か襲撃があるという告知のようなものでもあるんだろうが、それ以上に侵略者たちというワードが気になるな!?


 てっきりレイドボスが襲ってくると思ったんだが、今回は取り巻きのモンスターが襲ってくる感じか?

 制限時間が決められているからとりあえず攻め込まず守ればいいと分かっているのは楽だが……

 

 とりあえず高いところに登ってみて何処から攻めてくるか確認するとしよう。

 おそらく、俺たちがはじめにいた方角からだと思うが決めつけも良くないし、見渡していくぞ!



 「了解でございますよ」







 「近くで戦ってる場所があるみたいなのら……

 場所的にステッキ次元が真っ先に迎撃しているのらね?」



 【ペグ忍者】が発見した戦地はステッキ次元の拠点から少しだけ離れたところにある場所だった。

 さっきまで拠点にいたはずなのに、さてはこの展開を予想していて戦地へ先回りしてやがったな!?

 【ロイス=キャメル】……分かってはいたが、とんだ食わせ者だな!

 あれだけ協調路線と口にしておきながらしっかりと情報を隠していた。


 とりあえず急いで向かうぞ!

 【ペグ忍者】、【ワタシ商人】、あとモブプレイヤーたち……遅れるなよっ!!!











 戦場にたどり着くと、ステッキ次元の連中はサーベルや銃を持った人型の相手と応戦中だった。

 【ロイス=キャメル】の指揮で動いているからか、非常に統制が取れた布陣で手堅く迎撃しているようだな。



 「おやお嬢さん方、思ったより早いお帰りのようだ。

 調べものは済んだかね?」



 ……なるほど、そういう体裁であえて俺たちに情報を伝えてなかったことにするつもりだな?

 まぁ、今回は乗ってやろう。

 戦況はどうなってる?



 「相手は下級兵士といったところだ。

 後方からの銃撃は砲撃にさえ気をつけていれば充分凌げるはずだ。

 それこそステッキ次元だけでも防衛が可能なくらいには」

 「相手は……プレイヤーなのら?」

 「いや、プレイヤーではない。

 これは私の脳内をスキャンして生み出した過去の残像のようなものだろう……実体はあるがね。

 つまり、相手は本当の軍人を模したNPCだ。

 この時点でも下手なプレイヤーよりも強いぞ、油断はしてくれるなよ」



 なるほどな。

 【Battle field 特異次元 恋慕戦場ヴァルハライド】を読み取って、さらには敵の情報も【ロイス=キャメル】の脳内から抜き取ったわけか。

 随分なご都合主義だな……


 というか向こうは軍人か。

 見た感じプレイヤー側の方が身体スペックが高いんだが、侵略者側の方が戦いかたは上手いな。

 そんな総評だ。



 「向こうはあくまでも現実準拠の動きしかしてこないみたいだ。

 身体の作りも現実と同じなのは私からスキャンしたものをそのまま使っているからだろう。

 だからこそ、プレイヤー側はスキルや種族転生によって上乗せされた力の差で戦いの熟練度は誤魔化せるはずだ」



 なるほど。

 勝てない相手ではないというのは俺と同じ認識のようだ。

 


 「おじ様、私が突撃してもいいですか?

 この斧なら一撃です!」



 【エラ=サンドレラ】はちまちま戦う今の状況に焦れたのか、特攻隊に志願し始めた。

 少し前から思っていたがかなり猪突猛進なプレイヤーだな……



 「だから油断するなと言っているであろう……

 今回は相手を倒すことが目的ではない、時間内に防衛を終えればいいのだ。

 この後のことも考えるとここで無意味な消耗をしてしまうのは愚策中の愚策だというのが分からないのかね?」

 「うぐっ……確かに……」

 「一定数の撃破が必要であればその作戦も考慮したが、今は硬直状態こそが望ましい。

 状況を動かすような真似は控えるべきだろう」



 【ロイス=キャメル】はあくまでもこのまま時間が過ぎるのを待つようだ。

 確かにそれが一番賢明な判断だろう。


 だが、俺はその先を行く!

 ついてこい【ペグ忍者】ァ!

 


 「ええっ、ここで耐える流れじゃなかったのら!?

 ……【包丁戦士】しゃんは仕方ないのらね。

 今ついて行くのらよ~!」

 「おじ様、【包丁戦士】さんが行ってしまいましたが……?」

 「それもまた一興であろう。

 ただし、私の統制下にあるステッキ次元のプレイヤーには許さないがな。

 自軍の消耗無しで新たな情報が得られるかもしれないなら多少の無茶は許容範囲内だ」





 突撃だーっ!


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

 

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