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1705話 変態行動香道

 「【包丁戦士】しゃん、ここから道が三方向に分かれてるのらよ~?

 どこに向かうのら?」



 【ペグ忍者】が言うように三方向に進路が分岐しているようだ。

 まだ戦いが始まっていないのでどこを選んでも大差はないだろうが……とりあえず真ん中を進んでみるか!

 真ん中は時間が経つほど危険度が増す配置だから、比較的安全そうな時間帯で調べておくのが吉だろう。

 

 ……遺跡でも心理的に中央にある選択肢はハズレになることが多かったりしたからな。

 まぁ、ここがトレジャーハンターの経験を活かせる場所とは限らないが……

 とりあえずヒントがあるわけじゃないので俺の勘にしたがってもらうか!



 「了解なのら!」

 「わたくしめも【包丁戦士】様の判断に同意いたしますよ。

 ここで立ち往生していては商機を逃すだけでございますので」



 【ペグ忍者】や【ワタシ商人】が同意してくれたからか、ついてきていたモブプレイヤーたちもスムーズに俺に従ってくれた。

 おそらく俺だけだったら離脱者も出ていただろう。

 根拠のないことを知らないやつに押しつけるのは中々ハードルが高いからな!


 その点、【ペグ忍者】は包丁次元でも最優良クランと名高い【検証班】の幹部だし、【ワタシ商人】は包丁次元には無くてはならないほのぼの市場を取り仕切るクラン【あきんどクラブ】のクランリーダーだからな。

 どちらもモブプレイヤーたちからも信頼される立場にある。

 だからこそ、コイツらが逐一俺の発言を肯定することで擬似的な安心感と連帯感を生むというわけだ。

 ありがたいことにな。




 



 そうして真ん中を進んでいくと逆側から誰かが近づいてくる気配がするようになってきた。



 「にゃにゃにゃっ!?

 【ペグ忍者】には分からないのら……」

 「【包丁戦士】様は本当に斥候役として優秀な感覚を持っておられるのですね。

 わたくしめもさっぱりでございますよ。

 他のプレイヤーたちがおっしゃっておられたのならば、信じていないかもしれないくらいには驚いておりますよ」 



 まあ、こればかりは俺の感覚でしかないからな。

 感覚共有が出来るならともかく、そんな異能力や技術はあいにく持ち合わせていない。

 俺の言葉を信じてくれているから問題ないが、信じないと言われても信じてもらうための根拠を示せないくらいには頼りない直感だ。


 かつてトレジャーハンターとして他のトレジャーハンターグループと合同で行動している時にこれが原因で揉めたことがあったくらいだ。

 無いほうが良い場合もあるという教訓にはなったが、二度と懲り懲りだよ。


 ……と、過去を思い返していると俺が察知していた気配の主たちが姿を現したようだ。



 「お嬢さん、ごきげんよう。

 一番始めに幼女と出会えたのは私の日頃の行いだろう」



 そんな即逮捕されそうな危うい発言をしたのは黒いシルクハットに黒スーツに片眼鏡、頭にはウサミミ、そして手にはMVPプレイヤーであるということを証明するステッキを持っているいかにもな英国紳士……ステッキ次元のMVPプレイヤー【ロイス=キャメル】だ。


 生粋のロリコンで、自分自身もロリに変身するという骨の髄までイカれてるおっさんだな。

 


 「おや、しかも今回は獣人の幼女もいるようだ。

 ピンク色の君、名前を聞かせてもらっても?」

 「ぺ、【ペグ忍者】なのら……」



 【ペグ忍者】もこれまで会ったことのない独特の雰囲気と性癖を持ったおっさんの登場にタジタジ……というか結構引いていた。

 そりゃそうなるよな……



 「……やはり包丁次元は他の幼女も偽名か。

 相変わらず世知辛い次元だ」



 あいにく俺も【ペグ忍者】のプレイヤーネームは知らないからな。

 というか、ボマードちゃん以外は基本的に【名称公開】してないから(【フランベルジェナイト】や【キズマイナ】は例外)どうしようもない。



 「さて、君たちに会ったことで私には二つの選択肢がある。

 一つはこのまま君たちと戦闘を開始してこの場から退去を命ずるために徹底抗戦すること。

 もう一つは協調路線……ステッキ次元が拠点としているこの先へ招待し、来るべきレイドボスへの襲撃に備えることだ。

 だが、現状ではMVPプレイヤーの君はともかく他のプレイヤーたちの錬度がこちらには分からない。

 だからこそ、協力するに値するプレイヤーがいるか試させてもらおうではないか!

 こちらからは……【エラ】を出そう」



 【ロイス=キャメル】がそう言うとその後ろから赤色のフードとローブを羽織った小柄な少女が現れた。

 フードとローブで隠しているようだが、時折揺れる様子からするとこいつも獣人だろう。

 チュートリアル武器は……大斧か?

 随分と物騒なものを引っ提げてるじゃないか。




 「おじ様の言うことでしたら、いいですよ。

 友好の証に私の芳しい名前を教えてあげます。

 淑女の嗜みですからね。

 私は【エラ=サンドレラ】、以後お見知りおきを!」



 【【エラ=サンドレラ】は自らの名称を公開した】


 【【エラ=サンドレラ】の【名称公開】】


 【【エラ=サンドレラ】の知名度に応じたステータス低下効果付与】


 【【エラ=サンドレラ】の【名言明言】】


 【刻まれた座右の銘に対応する効果付与】


 【座右の銘……臭いものには蓋をする】


 【嫌悪する臭いを持つ相手に特効ダメージを追加で与える】





 さて、向こうは臨戦態勢って感じだな……

 どうしたものか……



 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

ボトムダウンオンライン専用オープンチャット作りました!


感想欄だけでなく、みなさんの質問や疑問にお答えする場、考察を通して皆さんと交流を深める場として考えておりますので、お気軽にご参加ください!



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