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1703/2208

1703話 次元戦争開始前の自陣顔合わせ

 【Raid Battle!】


 【包丁戦士】


 【包丁を冠する君主】

 【深淵域の管理者】

 【『sin』暴食大罪を司る悪魔】


【メイン】ー【深淵天子】【深淵使徒】【プレイヤー】【会者定離】

【サブ1】ー【次元天子】【ボーダー(妖怪)】【上位権限】

【サブ2】ー【暴食大罪魔】【デザイア】



 【聖獣を担うが故に】


 【深淵へ誘い】


 【聖邪の境界を流転させる】


 【責務放棄により】


 【境界を見守り】


 【管理することを強いられる】


 【会うは別れの始め】


 【合わせ物は離れ物】


 【産声は死の始まり】


 【この世の栄誉は去ってゆく】


 【故に永遠なるものなど存在しない】


 【瞳に宿る狂気に溺れたままいられることを祈るのみ】


 【ああ……この世は無情である】




 【ワールドアナウンス】


 【【包丁戦士】がレイドボスとして顕現しました】


 【レイドバトルを開始します】




 はい、今日も元気にログイン!

 今日は事前に【菜刀天子】から告知を受けていたように次元戦争が開催される日だ!



 その証拠に、ウインドウ画面の【上位権限】という項目が点滅している。

 あきらかにこの項目を選べという意志がひしひしと感じられるので、それを押すと「【上位権限】【Battle field】展開!」という文字が現れた。

 この文字を触っても意味がないというのは分かっているので、素直に起動できた方法を試させてもらうぞ!


 ここで時間を潰す意味も特にないので決戦の舞台へいざ参ろうじゃないか!

 そう考えた俺は口を大きく開き、【上位権限】の起動ワードを唱えていく。



 「【上位権限】【Battle field】展開!」


 俺は包丁を天に掲げて、包丁から力の奔流である光を煌めかせ始めた。

 そして、その奔流に呑み込まれるようにして俺は天子王宮から姿を消していったのだった……






 【Battle field 特異次元 恋慕戦場ヴァルハライド】



 俺が飛ばされてきたのは……一言で表現するなら戦場だな!

 まぁ、エリア名にそのまま戦場という文字が入っているから当然ではあるが……


 柵のようなものや、堀のようなものが至るところに作られており急場で何かと戦うための戦場を拵えたような印象がある場所だ。

 今回の場合はレイドボスと戦うためということなので、それ対策なんだろうが……

 

 いや、レイドボスよりも対人っぽい設備に見えるぞ……?

 どうなってるんだ???



 とりあえず、そんなことを考えながら周りを見渡していると俺の前にウインドウ画面がポップアップしてきた。

 さっさと包丁次元から連れてくるプレイヤーを選べということなのだろう。

 催促の仕方が雑だぞ!?



 ……やっぱり【ペグ忍者】か【風船飛行士】のどっちかを連れてくるべきなんだろうが、ぶっちゃけどっちも活躍してくれそうなエリアだからな。

 メチャクチャ悩んでるぞ……っ!


 うーん、少し前に【ペグ忍者】のことを色々と聞いて回ってたし、その縁を信じて【ペグ忍者】にしておくか。

 

 そうして俺は【ペグ忍者】を選択した。

 すると、俺の真横に淫乱ピンク髪、猫耳頭巾を被った【ペグ忍者】が転送されてきた。

 おっ、ちゃんとログインしていてよかった……【検証班長】が根回ししてくれていたのかもしれないな!



 「【包丁戦士】しゃん、選んでくれるって信じてたのらよ~!

 【検証班長】しゃんの分まで頑張るのら!」



 信じてくれていたところ申し訳ないが、正直【風船飛行士】とかなり揺れていたのは秘密にしておこう。


 そして、【ペグ忍者】が呼び出されたのを皮切りに俺の周りに次々にプレイヤーが転送されてきていた。

 見たことあるような、無いようなモブプレイヤーが大半を占めていたが俺が認知している2つ名持ちプレイヤーも来てくれたようだ。

 流石に【ペグ忍者】と俺だけが2つ名持ちで、後が全員モブプレイヤーだと心許ないからな……


 だが、2つ名持ちだからといっても直接的な戦力になるかは話が違う。

 


 「わたくしめもお呼ばれすることになるとは……

 【包丁戦士】様と再び戦地でお会いすることになるとは思っておりませんでした。

 今回は直接戦闘をしなくとも支援に回れると【検証班長】様から聞き及んでおりますので、わたくしめの商人プレイで活躍してみせましょう」



 そう、非戦闘要員の【ワタシ商人】だ。

 これは辛い……

 【ワタシ商人】は【勇者パーティー】のメンバーだが、主な役割としては道具を出し入れする倉庫のような役割を担うことになるだろう。

 兵站の心配をしなくてよくなったこと自体は次元戦争においてチートのような莫大なアドバンテージを得たと断言できるが、モブプレイヤーたちを引率してメイン戦闘を切り抜けないとダメなのが確定してしまった……


 

 「【包丁戦士】しゃん、【ペグ忍者】と一緒に最前線で頑張るのらよ……!」



 俺が白目を剥いて途方に暮れていると【ペグ忍者】が俺の肩にポンと手を置いて励ましてきた。

 優しさが身に染みるなぁ……

 





 戦いとは時にそういうこともあります。

 苦悩しなさい。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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[一言] 果たして、どのような戦闘になるのやら
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