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148話 一触即発

 【Raid Battle!】



 【包丁を冠する君主】




 【菜刀天子】


 【次元天子】【上位権限】【???】




 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【次元をさまよい】


 【冒険者を導く】


 【聖獣を担うが故に】


 【深淵と敵対する】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】


 【ーーー機密事項のため開示拒否ーーー】



 【レイドバトルを開始します】


 はい、今日も元気にログイン!

 今日はルル様のところにイクゾ~!









 というわけでやって来ました

 とりあえず無限湖沼ルルラシアにある、大穴【深淵奈落】に到着した。


 ここ、地味に遠いんだよな……


 しかも、着いてから入るまでの手順も面倒だし……



 まあ、どっちにしても入るしかないか。



 そう思い躊躇いなく飛び降りて、秒数を数える。



 1.2.3…………



 989.990.991.992.993.994.995.996.997はいここで【深淵顕現権限】!998.999!





 そして、前回同様バグ技の要領で無限ループゾーンを乗り越えて、ルル様のいる横穴までたどり着いた。



 【Raid Battle!】





 【深淵域の管理者】






 【エルル】




 【???】【上位権限】【ボーダー】







 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】




 【深淵へ誘い】




 【冒険者を堕とす】




 【深き真価を見極め】




 【境界に流転する】




 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】




 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】




 【ーーー深度不足のため未開示ーーー】






 【レイドバトルを開始します】



 【Warning!】




 【天子【包丁戦士】が深淵種族の気配を察知しました】





 【聖獣を担うが故に】




 【深淵と敵対する】





 【【深淵域の管理者】にヘイトが極大集中します】


 アナウンスなっがいなぁ……

 そんなことを思いながらルル様の前までテクテクテクテクと歩みを進めた。

 天子になったからルル様の警戒するような圧を肌でヒシヒシと感じる。

 これが種族転生のデメリットってやつか。


 「ふん、来たか【包丁戦士】。

 まさかここまでお膳立てをしたのにも関わらず天子に種族転生してしまうとは……我の見込み違いだったようだのお……

 それで深淵種族と相対する種族の天子となった【包丁戦士】が、【深淵奈落】にいったいどのような用事があるのだ?」


 うわっ、露骨に好感度下がってて笑うに笑えないなぁ。

 あの親切だったルル様の評価がここまで落ちるなんて思ってなかっただけにショックが強いぞ!

 今までの【菜刀天子】とルル様の俺に対する好感度が逆転していると言っても過言じゃないなぁ……

 これまでは俺が深淵種族寄りのステータスだったから【菜刀天子】は俺に厳しめだったし、ルル様は優しかった。

 それが今はどうだろうか、【菜刀天子】はツンツンからツンデレレベルまで好感度が上がり、ルル様は限界集落の身内への対応から、よそ者への対応に変わった。

 ここまで急に対応が変わるものなんだなぁ……

 諸行無常を感じる……


 「いや、種族転生しようかなと思って」


 「ほう?

 我の聞き間違いかもしれぬ故、もう一度お前の口から聞かせてほしい」


 かかった!

 下がっていた好感度が少し回復した気がする。

 このままルル様を逃したくないし、一気に畳み掛ける。


 「だから、種族転生だ。

 俺は深淵種族になる条件、試練をクリアしたんだろ?

 それなら俺が深淵種族に種族転生しても何もおかしくないはずだ」


 そう、何もおかしくはない。


 「そうは言うが、種族転生したばかりなのにも関わらず、なぜ別の種族に転生しようというのだ?

 我にはお前の考えが理解できぬのだ」


 ……ああ、なるほど。

 高尚な思考回路をを持つルル様だからこそ、合理的なもの以外は考えが及ばないというわけか。

 

 「ルル様は合理的なことに囚われすぎているんじゃないか?

 俺たちプレイヤーは種族に深い執着を持っているわけじゃない。

 だからこそ、機会があるなら色々と試したくなるってわけさ。

 ……それに、対極の種族に転生できるってロマンがあるとは思わないか?

 【光と闇が合わさり最強に見える】……俺たちプレイヤーにはこんな言葉を知っているやつが多くいる。

 最強に見えるっていうのは……つまりカッコいいってことだ!」


 すっぱりと言い放った俺は、内心めちゃくちゃビクビクしている。

 ルル様の好感度が少し回復したと言っても、天子と深淵種族という種族反発作用は今も起きている。

 俺もルル様も身体が闘争を求めている状態になっているからな。

 俺が少しでも言葉の選択を失敗していたらここでルル様との関係は決裂してしまう可能性が高い。

 天王山ってやつだ。



 そんな俺の心情を知ってか、ルル様は笑いを堪えられないのか大声で笑い始めた。


 「ふははははは!!!!

 面白い!面白いぞ【包丁戦士】よ!

 よもやそのような理由で我と次元天子に近づき、対極の力を手に入れようとしていたとはのう!

 馬鹿馬鹿しい理由ではあったが、それゆえに面白い!

 娯楽に飢えていた我には最高に興味深い展開なのだ、よかろう!

 我が深淵種族への種族転生の儀式を行ってやろう!

 天子と深淵種族、両方の力を持つものは今まで誰一人としておらんかった。

 だからこそ、我はその力を手に入れた存在の行き着く先を見届けてみたい……少し合理的ではないが、たまにはそういうこともよかろう。

 さあ、もっと近寄るがよい!

 儀式の開始だ!」


 なんか俺の考え方があり得ないくらいツボにハマったのか、これまでにないくらいテンションの高いルル様に導かれて横穴の奥へと進んでいくこととなった。








 えぇ……?



 【Bottom Down-Online Now loading……】

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 深淵と天子の力が合わさり、最強に見える これ身体に相反する力を入れるってことだから身体への負担やばそうだけど上手くいったら最強になりそう [一言] ルル様が後じゃなければ絶対に出来なかった…
[一言] やっぱりやりやがったw それでこその【包丁戦士】か………
[一言] 包丁戦士ならそうする。多分私もそうする。 包丁戦士はどこを目指しているのか、コレガワカラナイ
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