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143話 火出惹没の木偶の坊

 【Gatekeeper Battle!】




 【アークエンジェルナイト】




 【ボスバトルを開始します】



 はい、始まりました10階層のボスとのバトル!


 とりあえず開始早々あのスキルを使わせてもらうか!

 スキル発動!【花上楼閣】!


 俺は前線に出る前にリスポーンポイントを設置した。

 俺たち底辺種族が【花上楼閣】を使うと棘ミサイルじゃなくて、リスポーンポイントをどこでも置けるとかいう別のスキルのようなせいのうになってしまう。


 だが、設置したリスポーンポイントさえ破壊されなければ1度だけその場で復活できるリザレクションスキルとして活躍してくれる。

 いつものメンバーだったならこの一番序盤で使うなんてことはしなかったが、今回のメンバーはレイドボス同様の性能を持ったモドキ集団だ。

 このリスポーンポイントしっかり守ってくれよ~?

 破壊されると今日はスキル使えなくなるっぽいし、厳重に管理してもらわないと困るからなぁ!


 「なるほど、底辺種族が使うとそのような性能に変化するのですね。

 中々興味深いものです、いいでしょう!

 そのリスポーンポイントの死守は私、【菜刀天子】がやってあげましょうか」


 頼むぞ~?



 そうして【花上楼閣】という保険を設置した俺はアークエンジェルナイトへ歩み寄る。

 相手は人の体型のモンスターだ、対人戦を意識して距離を少しずつ詰めていく。

 じりじりとにじり寄っていき、速攻を警戒するが……アークエンジェルナイトは攻めてくる気配がない。

 それなら、遠慮なく先手を打たせてもらうとするか。


 ということで、まずは通常攻撃に対する反応を確認するべく、俺の得意な袈裟斬りでアークエンジェルナイトの左肩から右腰にかけて包丁を振り抜く。

 だが、俺の袈裟斬りがあと少しで当たるかのように思えたスレスレのところで装備していた盾をからだの正面に持ってきて俺の包丁を受け止めた。


 ちっ、やっぱりその盾は飾りじゃないってわけね。

 いいだろう、それならこれはどうだ?


 俺は間髪入れずに、盾の裏側に回り込み、そこで横凪ぎを放つ。

 ……よしっ、アークエンジェルナイトはからだの向きを変えるのが間に合わなかったのか、背中へ斬撃を刻むことに成功した。

 手応えはばっちりだ!





 ……手応えはあったが、入ったダメージ量が少なかったのか、こいつの体力が多いのか、はたまたその両方か分からないがアークエンジェルナイトは俺の包丁による斬撃をクリーンヒットさせてもびくともしていなかったのだ。

 ……ちっ、こいつ……固すぎる。

 HPゲージが見えてたならミリぐらいしか減ってないに違いないだろう。

 それくらい動じてない。


 「やはり、底辺種族【包丁戦士】の攻撃力ではこの程度が限界ですか。

 そもそも大ダメージを与えることなんて期待すらしてませんでしたが、これは期待していたより低いダメージですね……

 全く、これだから底辺種族は……」


 うるさいぞ!

 これでもちょっとへこんでるんだからな!


 だが、へこんでいる俺を容赦してくれるモンスターはいない。

 アークエンジェルナイトは手に持っていたけど片手剣を振り抜いてきた。


 軌道から逸れることは余裕だったが、背後でなんか爆音がしているんだが?

 不穏過ぎる。


 「……しょうげきは」


 どうやら、アークエンジェルナイトの剣が振り抜かれた軌道の延長で爆発するらしい。

 こっわ!?

 動きこそそんなに早くないけど、それよりも攻撃範囲の広さがやばいなぁ。

 大袈裟に避ける必要があるからこっちの基本モーションも大きくなってしまうのが、物凄く面倒だな。


 「……少し助け船を出してあげますか。

 【火出惹没】!」


 これは天子の心得書で覚えたスキルか!

 【菜刀天子】がスキルを発動させると、俺から少し離れたところに火でできた人形のようなものが現れた。

 【菜刀天子】のような見た目の人形だが、炎が揺らめいて時々形が崩れている。


 この人形が俺と一緒に攻撃してくれる感じか?

 

 「いえ、その人形は一切攻撃できません」


 だめじゃん!

 俺の希望は瞬殺された。

 なら、この木偶の坊は何をしてくれるんだよ!


 俺はアークエンジェルナイトの爆発剣を慎重に避けながら【菜刀天子】に問いかける。


 「仮にも私の姿をした人形に向かって木偶の坊とはいい度胸ですね?

 この炎の人形は、適度に移動しながら自動でヘイトを集めてくれます。

 物理攻撃と炎、爆発系統の攻撃に強い作りなのでしばらくは持つでしょう。

 少なくとも、底辺種族【包丁戦士】よりは頑丈です」


 そんなまさか!

 と、思ったがアークエンジェルナイトは炎の木偶の坊に向かって頻繁に攻撃を繰り返している。

 そして、その攻撃をひたすら受け続けても炎量が少しずつ減っていっているだけで、健在なのだ。

 これは便利なサンドバッグだなぁ!


 これだけ攻撃が逸れていっているなら、攻撃に専念ができる。

 よーし、一転攻勢ってわけだ!

 しばらくは攻撃に命をかけさせてもらうぜ!






 ほら、私自らが力を貸しているのです。

 もっと頑張ってください。


 【Bottom Down-Online Now loading……】

すみませんが、同人誌作成作業と資格の勉強のため

更新頻度を少しだけ落とします。


ストックはそれなりにあるので、更新は止まらないと思いますが

毎日投稿ではなくなると思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 体力がどれぐらい減ってるかわからないですけど 今のところは勝ち目がありそうで良かった 第二形態とかあるのかがやっぱ心配なところですよね [一言] 毎日更新お疲れ様です 作者さんの都合が一番…
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