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1425話 汚い花火

 風船偽竜に乗り込んだ【風船飛行士】はそのまま上空へと飛んでいき、【クシーリア】の攻撃を誘導し始めた。

 これでしばらくは安全だな。

 今のうちに攻撃体勢を整えて俺たちも攻めていくぞ!



 「でも、私たちのマシンはクルマ型だよっ!

 【風船飛行士】リーダーみたいに飛んでいけないから地上からの支援しか出来ないよっ!」

 「そうダネ……

 普段の戦闘なら竜翼で飛んで行けるんだけど、今それをしたらリタイアになっちゃうヨ。

 【ブーメラン冒険者】の言うように支援担当しか出来ないネ」



 それは仕方ない。

 【風船飛行士】の風船偽竜が異常なだけでお前らが真似する必要はないぞ!



 「それならここから支援攻撃ダヨ!

 スキル発動!【濁流万花】!」

 「【短剣探険者】が【濁流万花】ならFOX SYSTEMをちょっと弄って……

 スキル発動!【狐根灯災】っ!

 これでどうかなっ!」



 ここで【ブーメラン冒険者】が使ってきたのは【狐根灯災】。

 そしてセットしてある狐獣人スキルは先ほどのものから変えられており、出てきたのは【一尾狐矢】。

 狐火の矢がどんどん乱射されていっているが、威力が最低限まで低めに設定されている。

 当たっても痛くないレベルじゃないか?

 その代わりに発射されている狐火の矢の数が増やされており、視界一面を塞ぐほどの量が放たれていた。


 そしてその標的は上空にいる朱雀【クシーリア】ではなく……


 

 「それで私を狙ってくるんダネ!?

 憂さ晴らしカナ?」

 「違うよっ!

 自分の周りをよく見てみてから言ってほしいなっ!」



 【短剣探険者】だった!

 【ブーメラン冒険者】に言われて自分の周りをキョロキョロと確認する【短剣探険者】、するとその顔には驚きの表情が浮かべられていた。

 


 「えっ、何でこんなに【濁流万花】の花弁が大きくなってるのカナ!?

 一つ一つが【クシーリア】サイズよりも大きいヨ!?」



 そう、【短剣探険者】の周りを回っていた濁った水の花弁が超特大サイズへと成長していたのだ!

 この現象は俺にも覚えがある。

 かつて鬼ごっこ形式の公式イベントで【モップ清掃員】と【ドライバー修理人】、そしてその他【検証班】のメンバーたちが仕掛けてきた灰結晶戦術を俺の【濁流万花】で防ごうとした時に同じことが起きていた。

 スキル【濁流万花】は受けた攻撃に反応してその花弁を成長させていく大器晩成型のスキルだ。

 だが、受けた攻撃と言っても威力は参照しないらしく攻撃を受けた回数のみ参照のため、FOX SYSTEMで威力を弄った【一尾狐矢】でもきちんと反応してくれているというわけだ。

 

 このスキルを手に入れてから成長した【短剣探険者】と協力したことはないはずだが、それでも咄嗟に連携方法を思いつくとは流石双子!

 本当に息のあった動きを見せてつけてくれるじゃないか。

 これも各々が別々で成長する機会があったからこそ生まれた方法ではあるが、それを合流した時に連携として昇華させられるのは言葉にするほど簡単なものじゃないのも俺は知っている。


 俺もFOX SYSTEMを弄って同じことをしておこう。

 スキル発動!【狐根灯災】!

 


 「これだけ大きくなったなら飛ばしても大丈夫そうダネ。

 特大【濁流万花】、発射ダヨ!」



 膨れ上がった【濁流万花】はそのまま【クシーリア】に向かって飛翔し、そのまま【クシーリア】の巨体を貫いていった。

 すると、上空で爆発音を鳴り響かせながら消えていってしまった。



 ……倒せたのか!?

 気配からしてかなり脆く作られているのは分かっていたが、まさか一撃とはな……!?

 【短剣探険者】と【ブーメラン冒険者】によるコンボ攻撃が強烈だったのと、【クシーリア】の弱点であると思われる水属性攻撃だったのも良かったのかもしれない。



 「あれっ、【風船飛行士】リーダーの姿がないよっ!?

 どこに行っちゃったのかなっ!?」

 


 そして【ブーメラン冒険者】の言葉で気がついたが【風船飛行士】の姿が消えていた。

 俺は一瞬出し抜かれたかと思ったが、ゴールの方を見てみても姿がない。

 これはまさか……



 「さっきの【クシーリア】の爆発で死んじゃったみたいダネ……

 まさか倒したら爆発しちゃうなんて予想してなかったんだろうネ……

 ファンタジーガスで回復しようにも木っ端微塵になっちゃったら使えないから仕方ないヨ」



 やっぱりそうなるよな。

 どうやら【風船飛行士】は呆気なく爆発に巻き込まれて死んでしまったようだ。

 あそこまでライバル風を吹かしておいてこんなにあっさり退場してしまうとは情けない気もするが、一応俺たちの安全を確保するために囮となって【クシーリア】の間近を飛行してくれていたので感謝はしておこう。



 色々と呆気ない結果になったが、一応今回のイベントはレースが本来の目的だ。

 【クシーリア】はあくまでも障害物として存在しているだけだから、これくらい呆気ないくらいがちょうどいいのかもな。

 いいあんばいだろう。





 それにしてもあっさり倒し過ぎですよ。

 本来はもう少し苦戦してもらうつもりでしたからね。

 今回は劣化天子が特になにかをしたわけではありませんが。


 【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】

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― 新着の感想 ―
[一言] 所詮、レイドボスになりきれぬナナシか
[気になる点] 【風船飛行士】ってそんなに簡単に死ぬっけ………?
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