1424話 バイク風船
そう、俺たちの前に現れたのは……
【ξξξξξξξξ!!!!】
炎を纏った鳥のレイドボス……【クシーリア】の姿だったのだ!
しかもこの様子……理性をほとんど失っている状態なのでまさに【復刻版】というやつなのだろう。
だがレイドアナウンスが流れていないので完全なレイドボスというわけでもないらしい。
だが、素早さに長けた【クシーリア】をレース中に捉えるのは難しそうだ。
「本当は無視したいンゴねぇwww
でもあいつがそれを許してくれないのは悲しスグルwww
火柱とか火の玉発生させ過ぎだろwww
これには【トランポリン守兵】もビックリだぞwww」
【クラフトマイスター】の持ち主だったという性質も受け継いでいるのか、高速で火の玉と火柱を生み出して俺たちの進路をこれでもかと言うほど妨害してきているのだ!
何とかかいくぐりながら走行しているが、そうし続けるのにも限度がある。
俺たちが走行不能になるのも時間の問題だろう。
そのように判断した俺が【風船飛行士】に視線を飛ばすと、ちょうど向こうも俺の方に視線を飛ばしてきている最中でつい目が合ってしまった。
おそらく向こうも同じことを考えているんだろうが……
「おい【包丁戦士】www
あの邪魔な【クシーリア】を倒すのに協力するンゴねぇwww
このままだと共倒れ不可避www」
やはりそう来たか。
俺も同じことを考えていた。
東と西のトッププレイヤーである【風船飛行士】と俺が協力すればあの【復刻版】の【クシーリア】を倒すことは出来るだろう。
攻撃力は既存の【クシーリア】に匹敵するが、あの気配は守り方面を削ったハリボテのような作りの【クシーリア】みたいだからな。
ここまで苛烈な攻撃を仕掛けてくるわりに、あそこまで希薄な気配ということはほぼ間違いないはずだ。
「俺も【クシーリア】から感じる風の抵抗から同じように考えてたンゴねぇwww
身体の大きさに対して風の影響力がおかしいンゴwww」
物理的にも存在感的にも証明されたのなら確定としても良さそうだ。
【風船飛行士】は風を人一倍感じ取りやすい体質みたいだから、その点では信頼できる。
それに【クシーリア】相手なら上空戦は避けられない。
包丁次元の上空戦のプロフェッショナルといえば【風船飛行士】だから協力を仰ぎたくなるのは自然の流れだろう。
【風船飛行士】がいない他のサーバーだとかなり辛いだろうよ。
その点俺はラッキーだったな!
というわけで【短剣探険者】、【ブーメラン冒険者】!
一時休戦だ!
さっさと【クシーリア】を倒してレースを再開させてるぞ!
「了解ダヨ!」
「ほ、【包丁戦士】さんと【風船飛行士】リーダーが言うならそれに従うけど、【短剣探険者】のことを許したわけじゃないんだからねっ!」
それで結構。
別に馴れ合いたいわけじゃないからな。
【クシーリア】さえ倒せれば問題はない。
「それならオレも飛べるようにしておくかwww
スキル発動!【竜鱗図冊】www
ability【銀盃羽化】発動www
風船偽竜、バイクごと呑み込んで展開www」
何とここで【風船飛行士】が呼び出したのは風船偽竜だ。
だがそのままバイクから風船偽竜の背へ場所を移動してしまうと、『マシンから離れて10秒にマシンから離れている状態だとリタイア扱いになる』ルールが適応されてしまい【クシーリア】と戦うどころじゃないぞ?
そう思っていたら【風船飛行士】はそれ込みでスキルとabilityを発動させていたようで、なんと風船偽竜はバイクを丸々呑み込み展開されていき、バイクの乗車席のみ器用に背から出した状態で現れたのだ!
そんなことまで出来るようになってたのかよ……
風船偽竜……本当に自由度高いよな……
確かにそれなら『マシンから離れて10秒にマシンから離れている状態だとリタイア扱いになる』というルールに抵触していないので存分に戦えるだろう。
【風船飛行士】の柔軟さには恐れ入った。
何かしらで空を飛んでくれそうだとは思っていたが、まさかこんな規格外な方法でそれを解決してくるなんて予想外だったぞ!
これは【風船飛行士】くらいしか出来ないな。
ちょっと負けた気分にすらなってくる。
「おっwwwおっwwwおっwww
【包丁戦士】が珍しくオレの行動で驚いてるなwww
いい気味だwww
その顔を見れただけでもこのイベントに参加した甲斐があったンゴねぇwww」
それなら【クシーリア】を倒してリタイアしてくれてもいいんだぞ?
満足したんだろ?
「嫌ンゴwww」
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




